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ヨーロッパ文化と日本文化 の商品レビュー

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31件のお客様レビュー

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「日本史」の著者ルイ…

「日本史」の著者ルイス・フロイスによる日欧比較文化論。戦国時代の日本の庶民の生活や、当時の日本人が彼らの目からいかに奇異に映っていたのかがわかります。

文庫OFF

イエズス会宣教師ルイ…

イエズス会宣教師ルイス・フロイス35年間日本にの布教につとめて、長崎で没した。その当時の日本とヨーロッパを比較して記録した。

文庫OFF

2024/04/04

ルイス・フロイスの記録は、16世紀の日本社会に関する貴重な一次史料として高く評価されています。イエズス会宣教師の目を通して描かれた当時の日本は、ヨーロッパとはまったく異なる文化風景を見せています。 本書の醍醐味は、ヨーロッパ人の視点から日本の生活習慣や宗教観、武器、芸能などが詳...

ルイス・フロイスの記録は、16世紀の日本社会に関する貴重な一次史料として高く評価されています。イエズス会宣教師の目を通して描かれた当時の日本は、ヨーロッパとはまったく異なる文化風景を見せています。 本書の醍醐味は、ヨーロッパ人の視点から日本の生活習慣や宗教観、武器、芸能などが詳細に記録されている点にあります。フロイスは日本の習俗を単に記述するだけでなく、常にヨーロッパのそれと対比させながら分析を加えています。こうした異文化比較は、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれるでしょう。 例えば、日本人の簡素な住居や着衣への言及からは、当時の日欧の生活水準の違いがうかがえます。また、日本の宗教観や武家社会の価値観の記述は、西洋とはまったく異なる世界観を物語っています。このような対照的な文化の衝突と受容の様子は、大変興味深い読み物となっています。 史料価値に加え、フロイスの記録は異文化理解の重要性を改めて示してくれる好著です。東西文明の違いを浮き彫りにしながらも、人間の普遍性にも言及しているのが印象的です。

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2024/02/06

非常に貴重な資料です。 リアリティのある内容で表現も生々しく、安土桃山時代にタイムスリップしたような感覚になります。

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2023/08/14

第一章 男性の風貌と衣服に関すること 第二章 女性とその風貌、風習について 第三章 児童およびその風俗について 第四章 坊主ならびにその風習に関すること 第五章 寺院、聖像およびその宗教の信仰に関すること 第六章 日本人の食事と飲酒の仕方 第七章 日本人の攻撃用および防禦武器につ...

第一章 男性の風貌と衣服に関すること 第二章 女性とその風貌、風習について 第三章 児童およびその風俗について 第四章 坊主ならびにその風習に関すること 第五章 寺院、聖像およびその宗教の信仰に関すること 第六章 日本人の食事と飲酒の仕方 第七章 日本人の攻撃用および防禦武器についてー付戦争 第八章 馬に関すること 第九章 病気、医者および薬について 第十章 日本人の書法、その書物、紙、インクおよび手紙について 第十一章 家屋、建築、庭園および果実について 第十二章 船とその慣習、道具について 第十三章 日本の劇、喜劇、舞踊、歌および楽器について 第十四章 前記の章でよくまとめられなかった異風で、特殊な事どもについて 岩波文庫版あとがき (高瀬弘一郎) アビラ・ヒロン『日本王国記』とルイス・フロイス『日欧文化比較』(本文庫では表題を『ヨーロッパ文化と日本文化』に解題した。)の二書を併せ、『大航海時代叢書ⅩⅠ』(一九六五年九月十三日刊)として刊行された。

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2024/04/17

ヨーロッパでは娘や処女を閉じ込めておくことは極めて大事であり、厳格に行われる。日本では、娘たちは両親にことわりもしないで1日でも幾日でも、ひとりで好きな所へ出かける。▼ヨーロッパでは、生れる児を堕胎することは滅多にない。日本では極めて普通で、20回も堕した女性があるほどである。▼...

ヨーロッパでは娘や処女を閉じ込めておくことは極めて大事であり、厳格に行われる。日本では、娘たちは両親にことわりもしないで1日でも幾日でも、ひとりで好きな所へ出かける。▼ヨーロッパでは、生れる児を堕胎することは滅多にない。日本では極めて普通で、20回も堕した女性があるほどである。▼われわれの間では女性が文字を書くことはあまり普及していない。日本の高貴の女性は、それを知らなければ価値が下がると考えている。▼ヨーロッパでは女性が葡萄酒を飲むことは礼を失するものであると考えられている。日本ではそれはごく普通で祭の時にはしばしば酔っ払うまで飲む。▼ヨーロッパでは妻は夫の許可が無くては家から外へ出ない。日本の女性は夫に知らせず、好きな所へ行く自由を持っている。▼ヨーロッパでは普通女性が食事を作り、男性が高い食卓で女性が低い食卓で食事をする。ヨーロッパでは夫が前、妻が後になって歩く。▼ヨーロッパでは、妻を離別することは、罪悪であり、最大の不名誉である。日本では意のままに幾人でも離別する。妻はそのことによって名誉を失わないし、また結婚もできる。pp.39-61 われわれは普通、鞭で打って息子を懲罰する。日本ではそれは滅多に行われない。ただ(言葉?)によって譴責(けんせき)する(戒める)だけである。▼われわれの教師は、子どもたちに教義や貴い正しい行儀作法を教える。坊主は彼らに弾奏や唱歌、遊戯、撃剣などを教え、また彼らと忌まわしい行為(衆道しゅどう、男色なんしょく、男性の同性愛)をする。 坊主らは逸楽と休養の中に暮し、労苦から逃れるために教団に入る。坊主らはあらゆる内心の汚穢(おわい)と肉体のあらゆる忌まわしい罪とを誓う。坊主らは檀那(財物を布施する信者)を食い物にし、あらゆる手段を講じて自ら富み栄えることを計る。坊主らは外面には肉も魚も食べないと公言しながら、蔭では食べている。坊主らは禁じられているにも拘らず、道路で酩酊している。坊主らは紙に書いた数多くの各種の守り札を多額の金をとって与える。 われわれは良い衣服を上に着て、良くない衣服を下に着る。日本人は良いのを下に、良くないものを上に着る。▼われわれは保養・気晴らしに散歩をするが、日本人は散歩をしない。それを不思議がり、仕事のため、悔悛(かいしゅん、悔い改め)のためだと考えている。 われわれはすべてのものを手を使って食べる。日本人は男も女も、子どもの時から二本の棒を用いて食べる(※ヨーロッパで、フォークを用いる慣習が普及したのは17世紀辺りから。それまでは手づかみ)。▼われわれは乳製品・チーズ・バター・骨の髄などを喜ぶ。日本人はこれらのものをすべて忌み嫌う。彼らにとってそれは悪臭がひどいのである。 われわれは瀉血(しゃけつ)療法をおこなう。日本人は草による火の塊を用いる。※ヨーロッパでは、病人の血管を割いて血液を外に出すことで体内の病気を取り去ることができると信じられていた。無駄に体力を消耗させるとして18世紀以降は減少。 われわれは怒りの感情を大いに表わすし、短慮(たんりょ、気短か)をあまり抑制しない。彼らは特異の方法でそれを抑える。きわめて中庸を得、思慮深い。 われわれの間では、武装具を着ける時、その下に厚い布をつけなければならない。日本人は武装具を着ける時、生まれた時のままの赤裸(あかはだか、真っ裸)になる。▼われわれは撃剣をする時ものを言わない。日本人は切りつけたり、逆打ちをくらわせる毎に必ず叫び声を発する。 日本人は神(カミ)に現世の幸福を求め、仏(ホトケ)には救霊を希(こいねが)う。神には幸福・健康・長寿・富貴・子女・勝利を訴え、仏には罪の赦しと来世の救いを祈る。 ルイス・フロイス『Europa e Esta Provincia de Japao』1585 ※イエズス会宣教師。リスボン生まれ。31歳で来日。以後、35年間日本各地で布教。長崎にて没。 ************* 堺(現在の大阪堺市)。この市は日本でもっとも富裕な商人が住み、自由市として大きな特権と自由を有している。『イエズス会日本年報』 キリスト教の洗礼を受けたある村の娘お大。村人は洗礼についてとくに咎めることはなかった。しかし宣教師の命令で、家の仏壇と位牌を捨てたところ、村八分にされ、遊女小屋からも拒絶された。小泉やくも八雲『お大の場合』1894-1904 宴席に雇われた本職の芸人(芸者さんのことであろう)の奏する楽器や唄で陽気になり、2、3時間談笑した後、もう充分に酩酊したところで客は主人にお辞儀をして、飯を所望する。これでお話はよく了解したという合図だ。アーネスト・サトウ『一外交官の見た明治維新』1921

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2020/08/15

フロイスによる日本観察記。現代の日本にも共通しているものもあり、ないものもあり。一つ一つに解説がついているのが有り難い。

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2019/09/12

16世紀、イエズス会宣教師のルイス・フロイスは日本での布教を通じて、織田信長などの戦国大名と交流し、長崎で没しています。 その彼が、日常生活でのヨーロッパ(おそらく出身のポルトガル)と日本の風俗、メンタリティー、振る舞いの違いを事細かに記したのが本書です。その中で、次の文章に興...

16世紀、イエズス会宣教師のルイス・フロイスは日本での布教を通じて、織田信長などの戦国大名と交流し、長崎で没しています。 その彼が、日常生活でのヨーロッパ(おそらく出身のポルトガル)と日本の風俗、メンタリティー、振る舞いの違いを事細かに記したのが本書です。その中で、次の文章に興味を惹かれました。 「ヨーロッパでは言葉の明瞭なことを求め、曖昧な言葉を避ける。日本では曖昧な言葉が一番優れた言葉で、もっとも重んぜられている」 訳注によれば、これは当時の敬語法が発達していたことに因るとするも、言葉に対する日本人の態度は現在もあまり変わっていないように思われました。

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2019/06/05

ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス 岩波文庫 スペインから派遣されたイエズス会の宣教師は 35年に渡り日本で暮らし長崎で他界した その間日本を旅して ヨーロッパとの暮らしの違いを仔細に観察し 様々な立場における振る舞いを記録し イエズス会に送るスパイ役でもあったのだろう...

ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス 岩波文庫 スペインから派遣されたイエズス会の宣教師は 35年に渡り日本で暮らし長崎で他界した その間日本を旅して ヨーロッパとの暮らしの違いを仔細に観察し 様々な立場における振る舞いを記録し イエズス会に送るスパイ役でもあったのだろう 武器から雑器にいたる工芸について あるいは能などの演劇から 祭りや詩歌などの文化について 箇条書きで事細かく書き記しているが 部分的すぎて全体感を書いた部分も多い しかし 多くの注釈付きで 私達の及ばない別の世界を見せてもくれる 貴重な記録である あまりにも字が小さすぎて読みにくいので ワイド版をおすすめする

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2019/04/26

15世紀戦国時代の日本に来た宣教師ルイスフロイスがその当時の日本の文化や生活などを綴った記録をまとめた貴重な本です。 戦国時代の日本には今では考えられない風習があったり今でも受け継がれてるなぁと思わせてくれる所があってとても面白い一冊でした。 調べないと分からない言葉や単語が多か...

15世紀戦国時代の日本に来た宣教師ルイスフロイスがその当時の日本の文化や生活などを綴った記録をまとめた貴重な本です。 戦国時代の日本には今では考えられない風習があったり今でも受け継がれてるなぁと思わせてくれる所があってとても面白い一冊でした。 調べないと分からない言葉や単語が多かったので読むのに 多少苦労しました。 ルイスフロイスが他に書いた「日本史」と言う本がある事も知れたので、そちらの方も今度読んでみたいです。

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