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うたかた/サンクチュアリ の商品レビュー

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35件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2014/07/07

再読。うたかたと一緒に、サンクチュアリというお話が収録されていて、私は昔からサンクチュアリを読むと切なくて泣きたい気持ちになる。 とても大切なひとを失った二人の、春から夏にかけての物語で、生きる光を感じられる作品。 この智明くんという青年はとても伸びやかな男の子だと思われるのに、...

再読。うたかたと一緒に、サンクチュアリというお話が収録されていて、私は昔からサンクチュアリを読むと切なくて泣きたい気持ちになる。 とても大切なひとを失った二人の、春から夏にかけての物語で、生きる光を感じられる作品。 この智明くんという青年はとても伸びやかな男の子だと思われるのに、なぜ友子を愛したのか。それとも、伸びやかだからこそ惹かれたのか。きっと春にであった馨さんの若い頃(夫と子供をなくす前の幸せしか知らないような健やかな女の子だった馨さん)のような女性がよく似合うと思うんだけれど。 ひとはどんなに絶望していても、生きてゆけるということを感じられた作品。

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2014/01/28

キッチンもそうだけど、彼女の描く男女の間には何か言葉にならない感情がある。それは愛とか恋とかだけではない。死だったり、血縁だったり・・・。それがより一層物語を深いものにしていく。

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2013/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

悲しさ、さみしさ、あたたかさ、やさしさ。こういうものが、情景だったり、発する言葉だったり、表情だったり、いろんなものでふんわり表現されている。やさしい気持ちになり、純粋な気持ちになる。人が誰も持っている、悲しい過去をそっと取り出して、心をあたためてくれるような感じ。うまく言えないけれど。悲しいことを思い出してしまうのに、読み終わると希望になっている。わけがわからなくなって、少し戻って読み返したりすることもあるけど、このわけわからなさも含めて、私は好きです。

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2013/01/26

母から譲り受けた小説。 表紙がないのがショックです… 嵐と人魚。 もう一度読み返したいなぁ

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2013/01/07

(1991.11.16読了)(1991.11.15購入) (「BOOK」データベースより) 出会った時からずっと、2人はいつでも2人きりで満天の星空の下にいるような気がした…。そしていつも何となく悲しいような感じがした。―二人の運命的な出会いと愛のかたちを通し、かなたにある希望と...

(1991.11.16読了)(1991.11.15購入) (「BOOK」データベースより) 出会った時からずっと、2人はいつでも2人きりで満天の星空の下にいるような気がした…。そしていつも何となく悲しいような感じがした。―二人の運命的な出会いと愛のかたちを通し、かなたにある希望と幸せを描いた「キッチン」に続く第二作品集。芸術選奨新人賞受賞。 ☆吉本ばななさんの本(既読) 「哀しい予感」吉本ばなな著、角川文庫、1991.09.25 「キッチン」吉本ばなな著、福武文庫、1991.10.17

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2012/06/19

嵐と人魚。父親の家の前に捨てられた少年との恋を通して、家族の再生の話を描く。吉本ばなならしく、すでに亡くなった嵐の母親の存在もキーを握る。 サンクチュアリは、お互いに大切な人を亡くした二人が奏でる、ゆったりとした恋の始まりまでの物語。誰かを亡くし、それから普通に戻るまでの苦しさ...

嵐と人魚。父親の家の前に捨てられた少年との恋を通して、家族の再生の話を描く。吉本ばなならしく、すでに亡くなった嵐の母親の存在もキーを握る。 サンクチュアリは、お互いに大切な人を亡くした二人が奏でる、ゆったりとした恋の始まりまでの物語。誰かを亡くし、それから普通に戻るまでの苦しさや難しさ、そして泣きの力を描いた話し。 人魚が、母親が旅立った寂しさを埋めるために、始めたのが写真。サンクチュアリで馨が旦那の死亡でできなくなったのが写真。そして、別の本の白河夜船でもカメラのシャッターが閉じるように、という表現もあり、ばななさんは、写真が好きなのかなと思った。

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2012/05/13

運命のひとと運命的に出会って、運命の恋をしているとしても、お互いのいい距離で感情のやりとりをしているのがとってもいい。こんな恋をしたいなんて、少女漫画みたいな感想もつい抱いてしまうのです。

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2011/12/28

「うたかた」の人魚と嵐のような恋をしてみたいと思ってしまいました。 魂の奥でつながっているような感じとでもいうのですか、そういう月並みな表現はしないですが、ばななさん独特の文章でそういう感じを出してるところがたまらなくいいです。恋愛をするならばなな小説のような恋愛がしたいと思うの...

「うたかた」の人魚と嵐のような恋をしてみたいと思ってしまいました。 魂の奥でつながっているような感じとでもいうのですか、そういう月並みな表現はしないですが、ばななさん独特の文章でそういう感じを出してるところがたまらなくいいです。恋愛をするならばなな小説のような恋愛がしたいと思うのですが、特にその中でもこれ!という作品です。 「サンクチュアリ」は悲しい物語なのに優しくて、泣けました。私もちょうどもやもやして泣きたいときだったからでしょうか。読みながら泣いて癒されました。智明と馨の2人のような奇跡のような出会いって実際にもあると思いたいです。

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2011/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今はなき、福武文庫の本。 表紙のデザインがなんとなくレトロで可愛かった。 うたかたに出てくるような破天荒キャラ(人魚の父)は、 よしもとさんの作品にたびたび登場するけれど、 その誰もが本当はいちばん繊細で、自分の人生をどうしたらいいのか迷いがあるのだろうなぁ、と思ったりする。 生きることに迷わない人は、ある意味鈍感な証拠かもしれない。 サンクチュアリが好き。 こんな偉そうなことを書くのもどうかと思うけど、 この2作品の頃は、人物にあまりリアリティがないな、 と思いました。 どことなく理想の女性像が投影されている感じがして、 迷い方も生き方も全て、虚像っぽいところがある。 その描写もまた、澄んでいてなんともいえない魅力なのだけれど。 梅ジュース、昔うちも作ってたなぁ(笑)

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2010/01/17

吉本ばななは、高校生のとき『TSUGUMI』を読んで何がいいのか理解できなかったのでどうかと思ってたんだけど、サンクチュアルを読んでガラリと認識が変わりました。 なぜかわからないけど、すごく心に沁みるんです。感情的に書いてあるわけじゃないけど、智や薫の心の動き、考え方が、書かれて...

吉本ばななは、高校生のとき『TSUGUMI』を読んで何がいいのか理解できなかったのでどうかと思ってたんだけど、サンクチュアルを読んでガラリと認識が変わりました。 なぜかわからないけど、すごく心に沁みるんです。感情的に書いてあるわけじゃないけど、智や薫の心の動き、考え方が、書かれていないところまで伝わってくる、そんな感じ。基本的にうまいんですね、この人は。 私はすごく涙腺が弱くて、薫さんもかくやというくらいよく泣きますが、全ては洗い流せないみたい。そういうとき、この本を読むと、智のようにスッキリすることができます。すごいなあ薫さん。

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