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うたかた/サンクチュアリ の商品レビュー

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34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

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2023/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんだか地に足がついていないようなふわふわした物語。ずっとぼんやりしていて「はっきり」とした部分があまりなかったように思う。 「うたかた」は「サンクチュアリ」に比べて、終わり方もすっきりしていていい話だなあと言って終われる話だった。嵐。名は体を表すとはこのことだと思った。嵐はまさに嵐だ。嵐のように颯爽と、そして人魚に莫大な被害をもたらしながら現れた。そしてまたあっさりとどこかに行ってしまう。

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2023/06/26

よしもとばななの不思議な魅力に触れる。 科学とかを超えてもっとスピリチュアルで、 感情的なものに触れた感じ。 私は私の多感で、 めんどくさくて、 悩みながらも答えが出る瞬間が好きなのかもしれない。

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2023/10/06

突飛な展開があるわけでもないけど、どこか浮世離れした物語。少し変わった人たちの柔らかい日常。吉本ばななさんの魅力が存分に詰まった作品。 どちらも面白かったが、私はうたかたを特別気に入った。4人の登場人物が弱くて幼くて、それでいて尊くて、大好きになった。人気と嵐の恋愛を主軸に起き...

突飛な展開があるわけでもないけど、どこか浮世離れした物語。少し変わった人たちの柔らかい日常。吉本ばななさんの魅力が存分に詰まった作品。 どちらも面白かったが、私はうたかたを特別気に入った。4人の登場人物が弱くて幼くて、それでいて尊くて、大好きになった。人気と嵐の恋愛を主軸に起きながら、繊細な家族の愛も感じられる。 人魚と嵐の出会いのシーンは、息が止まるほど美しかった。運命って美しい。

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2020/02/27

かなり昔に読んだときには物足りない恋愛小説だなぁと薄っぺらい感想しか抱かなかったが 当時には全く響いてこなかった世界観がとても沁みてきた。文章を味わうというのか行間から伝わってくる登場人物たちの心模様が巧み。 深い悲しみを誰かと共有できること、そこから一歩を踏み出すまでの過程が丁...

かなり昔に読んだときには物足りない恋愛小説だなぁと薄っぺらい感想しか抱かなかったが 当時には全く響いてこなかった世界観がとても沁みてきた。文章を味わうというのか行間から伝わってくる登場人物たちの心模様が巧み。 深い悲しみを誰かと共有できること、そこから一歩を踏み出すまでの過程が丁寧に描かれて短いふたつのお話がじんわりとじんわりと優しく心を包み込んでくれたように思う。どちらも甲乙つけがたく好きな内容だった。 経験を経て本の読み方も捉え方もかわるのかもと妙に納得した一冊。

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2018/07/01

河合隼雄との対談集を読んだあと、早速ご本人の小説を読んでみた。なるほど、こういう潜り方をするんだな。もし、対談集を読んでいなかったら、ただの恋愛小説としてしか読まなかったかも知れない。 おそらくこのあとは、ハッピーエンドになるのだろうな、という淡い期待で終わる、そこまでの過程の喪...

河合隼雄との対談集を読んだあと、早速ご本人の小説を読んでみた。なるほど、こういう潜り方をするんだな。もし、対談集を読んでいなかったら、ただの恋愛小説としてしか読まなかったかも知れない。 おそらくこのあとは、ハッピーエンドになるのだろうな、という淡い期待で終わる、そこまでの過程の喪失感とか不全感の方に力点があるように読める。 人は、知れば知るほど好きになる法則があるので、対談で知る前だとどう感じたのか、純粋に小説としてどう感じたのかを確かめて見たかったなあ。

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2017/07/14

本の色とデザインだけがとっても古い。 こんなに時代を感じさせないって本当に不思議。 どちらの話も終わり方がすごく好き。

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2015/10/25

1989年の小説を、何回目かの再読。 余談だけどおそろしく前に買った小説だから開いた瞬間に古い本の匂いがした。笑 大切な誰かをなくして傷ついた人、数奇な運命を背負った人が主人公で、そんな男女が奇跡的に出逢いを果たして当たり前のように惹かれ合っていく。 吉本ばなな作品の定番の流れ...

1989年の小説を、何回目かの再読。 余談だけどおそろしく前に買った小説だから開いた瞬間に古い本の匂いがした。笑 大切な誰かをなくして傷ついた人、数奇な運命を背負った人が主人公で、そんな男女が奇跡的に出逢いを果たして当たり前のように惹かれ合っていく。 吉本ばなな作品の定番の流れはデビュー当時からで、まだ少女だった私はそういうところに憧れを抱いていたのだと思う。 それは男女に限らず、恋愛に限らず、出逢うべくして出逢った、必然、みたいな出逢いの話。思い返せば自分にもいくつかは思い当たる話。 「うたかた」より「サンクチュアリ」のほうが強烈な印象。 主人公に起こった哀しい出来事、それから逃れるために向かった旅先の夜の海で、三日連続で壮絶なまでに泣いている女・馨と出逢う。馨は、主人公よりもさらに哀しい出来事と闘っていた。 そしてわずかなときを経て再会。お互いを知ってゆき、少しずつ再生してゆく。 死にたいほど哀しい出来事って一応私も経験したと思っていて、その時のことを思い返すと胸が痛むのはきっといつまで経っても変わらないと思う。 そしてそこから再生した過程を思い返すと、無理に明るく振る舞ったり忙しくしたり意図的に人と知り合ったりしても立ち直れるわけじゃなくて、自分では思いもよらない出来事とか出逢いが少しずつ立ち直らせてくれたと思う。 「サンクチュアリ」もそういう物語で、傷だらけの二人の再生の途中、少しの光が見えた。

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2015/08/28

人を好きになっている時の気持ちを思い出させてくれた。どんなにどうしようもなくても、それを認めるばななさんの家族感が初期の作品にも出てたのね。絶望からちょっとだけ上向きになる瞬間が美しく書いてあって胸にぐさぐさきた。

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2015/03/16

それでも父の手に抱えられた茶の紙袋の中には、母の大好物のいちごがたくさん入っていて、父の言葉やなによりもたくさんのことを語っているような気がした。

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2014/07/07

再読。うたかたと一緒に、サンクチュアリというお話が収録されていて、私は昔からサンクチュアリを読むと切なくて泣きたい気持ちになる。 とても大切なひとを失った二人の、春から夏にかけての物語で、生きる光を感じられる作品。 この智明くんという青年はとても伸びやかな男の子だと思われるのに、...

再読。うたかたと一緒に、サンクチュアリというお話が収録されていて、私は昔からサンクチュアリを読むと切なくて泣きたい気持ちになる。 とても大切なひとを失った二人の、春から夏にかけての物語で、生きる光を感じられる作品。 この智明くんという青年はとても伸びやかな男の子だと思われるのに、なぜ友子を愛したのか。それとも、伸びやかだからこそ惹かれたのか。きっと春にであった馨さんの若い頃(夫と子供をなくす前の幸せしか知らないような健やかな女の子だった馨さん)のような女性がよく似合うと思うんだけれど。 ひとはどんなに絶望していても、生きてゆけるということを感じられた作品。

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