幕末明治製鉄論 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
幕末期の製鉄所・製鉄技術は大砲・銃砲製造に不可欠で、独立の危機を迎えていた当時、その技術導入と進展は愁眉の急。その実情を地域毎に解説し、維新期以降への影響をも考察。全体的に、藩の枠を越えた広範な技術者・情報伝播や交流が目を引く。例えば、薩摩→水戸→南部、佐賀→薩摩、幕府→佐賀という流れ。さらには、技術労働者の育成が維新期の発展に寄与。技術の導入・移入、製造機械の輸入だけでなく、自前での研究機関の設立、幕府や藩が中心ではあったが、当該技術産業の経営の経験は後世に有益な影響を残したとのこと。1991年刊行。
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