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イスラームの日常世界 の商品レビュー

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32件のお客様レビュー

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2016/05/08

今となっては報道されないイスラム世界について書かれている。イスラムについてこわいとか物騒としか認識がない方に是非お勧めします。

Posted byブクログ

2016/04/30

エッセイみたいな感じでイスラムの日常を描いている本。 自分が西欧中心の世界観に浸かっていることを気付かされた。あぁ、こちらから見ると、こんな風なんだと思った。 イスラム入門にはとても良い一冊。 新書だけど、平易な日本語と柔らかいタッチで、さらっと読める。 読後は、ゆったりと...

エッセイみたいな感じでイスラムの日常を描いている本。 自分が西欧中心の世界観に浸かっていることを気付かされた。あぁ、こちらから見ると、こんな風なんだと思った。 イスラム入門にはとても良い一冊。 新書だけど、平易な日本語と柔らかいタッチで、さらっと読める。 読後は、ゆったりとしたドキュメンタリーを見た気分になった。 また読みたいな。

Posted byブクログ

2016/01/28

イスラームに対する誤解の数々を解きほぐしてくれる本である。例えば男天国のように思える「一夫多妻制」が現実には女性の救済であり、また女性の自立をうながすものであることなど。またイスラームの「祈り」とは神に感謝することであり、日本人のような「合格祈願・家内安全」はたまた金銭欲とはまっ...

イスラームに対する誤解の数々を解きほぐしてくれる本である。例えば男天国のように思える「一夫多妻制」が現実には女性の救済であり、また女性の自立をうながすものであることなど。またイスラームの「祈り」とは神に感謝することであり、日本人のような「合格祈願・家内安全」はたまた金銭欲とはまったく無縁のものであるという。 もっとも基本的なイスラームの教えは「神のもとに人間は平等である」ということ。これも始めて知り得たことであった。また、イスラームはモスクに固定されていないこと。(日本の檀家制度や、キリスト教の教区とはまったく異なる)など、目から鱗が落ちるの連続であった。ただし執筆がいまから25年前であるので、現実のイスラム世界と直結していない怨みはあったが、これは止むを得ないことだろう。

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2014/11/03

日本人にとって、イスラームというと礼拝、断食やブルカといった千年一日の変わらない習慣と男女差別いったイメージに加え、昨今はテロも交えた文脈で語られがち。しかし、そんな頑なな宗教が世界人口の1/4近く、15億人から信仰されるものなのか?という疑問から読んでみた。いろんなことが分かっ...

日本人にとって、イスラームというと礼拝、断食やブルカといった千年一日の変わらない習慣と男女差別いったイメージに加え、昨今はテロも交えた文脈で語られがち。しかし、そんな頑なな宗教が世界人口の1/4近く、15億人から信仰されるものなのか?という疑問から読んでみた。いろんなことが分かった。 厳しいといわれがちな戒律は「生弱説」を下敷きにしていて、厳格に行うべき事柄は契約で、それ以外は「イン・シャー・アッラー(神の意あらば)」という言葉で「やれたらやりますね、行けたら行きますね、未来のことですからまあ当てにしないでください」程度にゆるく捉えるという使い分けをしているものだったり、 女性たちはベールを被ることで外見の良し悪しを男性たちに言われることがなくなるためむしろ己の実力で勝負できると考えており、女性社長や政治家は珍しくなく、事実ムハンマドの最初の妻は15歳年上の女性実業家であったり、 一夫多妻はムハンマドの時代に戦争で男不足に陥った社会を立て直すための特例処置に過ぎず、しかも家は女性の持ち物で男性はいわゆる通い婚をしていたり、 親であろうが社長であろうが王であろうが神以外は全てが平等という思想から、神以外のものに頭を下げることを拒んだり、 一日5回の礼拝も1か月の断食も全ての人が平等に行うので裕福な人が貧しい人の気持ちを身を以て知る機会になっていたり、 それ故に裕福な人は施しをするのが当然と思っており、貧しい人は施しを受けることが当然と思っていたり。 この本で語られているのは比較的富裕層と言える人たちの身の回りであるため、貧困層に焦点を当てれば暗い話だって当然出てくるだろう。しかし、これらのような寛容で知性のある人々がいることもまた事実。初版が湾岸戦争の直前の1991年で、日本人女性によって書かれているということも特筆すべき。イスラームに対する新たな視点を持とうとしているなら、良い導入書の一つと言える。

Posted byブクログ

2013/05/27

大学のゼミのため読了。 題名の通りムスリムの日常生活がわかりやすく書かれていて、大分前の著書だがとても参考になる。西欧世界とは異なる、「イスラーム型近代化」の展望が気になる。イスラーム=奇妙・危険というイメージが根付いている人にこそ読んでほしい本。

Posted byブクログ

2013/03/10

今から20年ほど前の大学生のころに何度も読んだこの本。ふと読み返したくなって最近また本棚から引っ張り出してきた。20年ほど前の日本ではイスラームというのは「遠い異国の地で信仰されているらしい異質な宗教」「物珍しい好奇心の対象」といったものだったように思う。だから何ら気負うことなく...

今から20年ほど前の大学生のころに何度も読んだこの本。ふと読み返したくなって最近また本棚から引っ張り出してきた。20年ほど前の日本ではイスラームというのは「遠い異国の地で信仰されているらしい異質な宗教」「物珍しい好奇心の対象」といったものだったように思う。だから何ら気負うことなく何の責任もなく突き放した状態で物見遊山していればよい対象だったが、21世紀も10数年を経た国際社会の中に生きようとする日本では、我々もその当事者としてこれを単に好奇心の対象として見過ごすことは許されない状況に置かれている。2001年のニューヨーク同時多発テロをはじめ、タリバンやアルカイダ、テロリズム、イランの核開発疑惑に絡む問題、アラブの春、そして日本人としてもっとも記憶に新しいところではアルジェリアで起きた人質事件。 これらはいずれも多かれ少なかれ、また、良くも悪くもイスラームが関わってくる問題である。 日本人にとって最も異質と考えられがちなイスラームであるが、我々にとってはイスラームよりはなじみのあるキリスト教と元々同腹の宗教であり、その教えは一般的に考えられている以上に人間臭いものである。宗教という概念にとらわれず人間が生きていくうえでのすべてのことにかかわるのがイスラームであるとされる本来の考え方が尊重され、最近では狭い意味での宗教を強調する“イスラム教”という言い方ではなく、生活、宗教、政治、経済、歴史、文化といったすべてのものを含んだ本来の“イスラーム”という言い方をされることが多くなっている。些細な違いではあるかもしれないがそれもまたイスラーム理解が少し深まっていることの証左と見ることもできるだろう。 この本は我々が誤解しがちなイスラームを、宗教や政治、歴史といった視点からというよりもイスラーム的に日々生活している人々の日常からわかりやすく解説した本である。この本を読んでいたおかげで世界の大多数のムスリムが共通事項として認識、体得しているイスラームの予備知識を得ることができ、そのおかげで留学生として来ていたマレーシアやインドネシアからの学生たちとイスラームについて存分に語り合うことができたのは、大学生であった当時の自分にとってとても貴重な体験だった。そんな本書には感謝している。 そんな懐かしい本を引っ張り出してきた折も折り、著者の片倉もとこ氏が2月23日に享年75歳で亡くなっていたという訃報に先日の新聞で接した。心からご冥福をお祈りする。

Posted byブクログ

2013/03/03

本来、宗教の発祥としてはイスラームはキリスト教と近しい関係にある。しかし、近代西洋文明とは全く異にする。厳密な契約と曖昧な口約束。施しを与える方も、受ける方も当然。仕事より「ゆとろぎ」。神以外の権威に頭は下げない。イスラームの日常は人間味に溢れている。

Posted byブクログ

2013/02/09

(1994.07.05読了)(1991.01.23購入) (「BOOK」データベースより) イスラームは、いまや第三世界にとどまらず地球的規模に広がっている。その世界観が、幅広い世代にわたって、十億もの人びとの心をひきつけるのはなぜか。三十年以上、世界各地の実情を見てきた著者が、...

(1994.07.05読了)(1991.01.23購入) (「BOOK」データベースより) イスラームは、いまや第三世界にとどまらず地球的規模に広がっている。その世界観が、幅広い世代にわたって、十億もの人びとの心をひきつけるのはなぜか。三十年以上、世界各地の実情を見てきた著者が、日々のイスラームを、断食、礼拝、巡礼など最も大切にされていることや、結婚・職業観などから語り、その知られざる姿を明らかにする。 ☆片倉もとこさんの本(既読) 「アラビア・ノート」片倉もとこ著、NHKブックス、1979.11.20 「沙漠へのびやかに」片倉もとこ著、筑摩書房、1987.09.30

Posted byブクログ

2013/01/30

 1991年初版本である。イスラームの日常世界はこの本に書かれてから、22年経過して様変わりしたのであろうか。たぶん、そんな様子は伺いしれない、厳格にイスラームの規律を守り、更なる躍進をつづけているのだろう。理由はイスラームが提唱する平等主義なのだとか。このところ、貧富の差が拡大...

 1991年初版本である。イスラームの日常世界はこの本に書かれてから、22年経過して様変わりしたのであろうか。たぶん、そんな様子は伺いしれない、厳格にイスラームの規律を守り、更なる躍進をつづけているのだろう。理由はイスラームが提唱する平等主義なのだとか。このところ、貧富の差が拡大しつづける西洋社会を代表するアメリカは限界が見えてきている。だからこそ、イスラームなのか、はたまた東洋の仏教的社会を見直すべきなのか岐路に立たされている感が否めない。

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2012/09/22

新しい秩序を築く鍵は実のところイスラム文化が 握っているのではないかと思っている。 もしくは、ネイティブ・アメリカン(インディアン) の文化か、どっちか。 「仕事」より『祈り』を優先する価値観、文化。 資本主義経済が行き詰まりを見せる21世紀において、 イスラームの...

新しい秩序を築く鍵は実のところイスラム文化が 握っているのではないかと思っている。 もしくは、ネイティブ・アメリカン(インディアン) の文化か、どっちか。 「仕事」より『祈り』を優先する価値観、文化。 資本主義経済が行き詰まりを見せる21世紀において、 イスラームの考え方が突破口になりうる… そんな予感がするのだが。 頼むから意味のないテロはすんなよ。

Posted byブクログ