杜甫詩選 の商品レビュー
謝霊運しゃれいうん。※南朝・宋。 盛年(せいねん)重ねて来たらず、一日(いちじつ)再び晨(あした)なり難し。時に及んで当(まさ)に勉励す(つとめはげむ)べし、歳月(さいげつ)は人を待たず。陶淵明『雑詩』※南朝・宋。 花間 一壺の酒、独り酌んで相親しむ者なし。杯(さかずき)を挙...
謝霊運しゃれいうん。※南朝・宋。 盛年(せいねん)重ねて来たらず、一日(いちじつ)再び晨(あした)なり難し。時に及んで当(まさ)に勉励す(つとめはげむ)べし、歳月(さいげつ)は人を待たず。陶淵明『雑詩』※南朝・宋。 花間 一壺の酒、独り酌んで相親しむ者なし。杯(さかずき)を挙げて名月をむかえ、影に対して三人と成る。李白『月下独酌』※盛唐。安史の乱で投獄される。山中できままに暮らす詩仙。 募兵集団のリーダー(節度使)安禄山が反乱を起こし、長安に侵入すると、玄宗と楊貴妃は逃げ出した。長安は暴徒に破壊された。杜甫は荒れ果てた長安を見て言う。国は滅びて、もとの姿はなくなってしまったが、山や川だけは昔のままの姿をのこしている。国破れて山河あり。
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岩波文庫 杜甫 詩選 この本も吉川幸次郎「杜甫ノート」同様に 詩を 浪人生活、安史の乱、成都、南国漂泊の4時代に区分している 1区分(浪人生活時代)から2区分(安史の乱時代)において、詩が大きく変化していることがわかる 2区分の詩は ストーリー性があり、虚構が著者の感情を代...
岩波文庫 杜甫 詩選 この本も吉川幸次郎「杜甫ノート」同様に 詩を 浪人生活、安史の乱、成都、南国漂泊の4時代に区分している 1区分(浪人生活時代)から2区分(安史の乱時代)において、詩が大きく変化していることがわかる 2区分の詩は ストーリー性があり、虚構が著者の感情を代弁していて、日本語訳だけでも面白いのに対して、1区分の詩は 季節感のない風景と不平不満ばかり目立って、日本語訳にすると面白みがない 3区分(成都時代)以後の詩は 松尾芭蕉の原型を感じる。モチーフの中から無常観、自然の秩序と人間界の無秩序の対比 を捉え、一喜一憂することなく、軽々と生きている感じ。 漢詩の単調な強さは 中国の強さなのかもしれない。助詞(てにをは)がないことで、漢字そのものの意味を強調しながら、類似音や韻字の繰り返しでリズムを作っている
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この書籍は、中国の唐の時代の「詩人」で有名な人「杜甫」の詩を選んで掲載されています。 掲載の仕方は、他の書籍とは違っていまして「詩」を「杜甫」の生きていた「人生」通りに掲載していますし、上部に原文をその下に書き下し文。その次にその「詩」の意味が載っていますので、読者が解るようにな...
この書籍は、中国の唐の時代の「詩人」で有名な人「杜甫」の詩を選んで掲載されています。 掲載の仕方は、他の書籍とは違っていまして「詩」を「杜甫」の生きていた「人生」通りに掲載していますし、上部に原文をその下に書き下し文。その次にその「詩」の意味が載っていますので、読者が解るようになっています。
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かの俳聖芭蕉翁が愛好したという杜甫の詩。 好きではあるが、李白に比べて整いすぎた詩風や、愚痴じみた長ったらしい詩が多いことからむしろ苦手だったりもする。 しかし、「春夜喜雨」「落日」「旅夜書懐」「夜」 「秋興」「登高」「登岳陽楼」など、成都に流寓してからの詩と南国を漂白していた頃...
かの俳聖芭蕉翁が愛好したという杜甫の詩。 好きではあるが、李白に比べて整いすぎた詩風や、愚痴じみた長ったらしい詩が多いことからむしろ苦手だったりもする。 しかし、「春夜喜雨」「落日」「旅夜書懐」「夜」 「秋興」「登高」「登岳陽楼」など、成都に流寓してからの詩と南国を漂白していた頃の詩には自然、景勝、感懐を巧みに詠み込んだものがあり、これが非常に好みでやはり疎かにはできない詩人だと改めて感じた。 編者の嗜好なのか、「貧交行」「飲中八仙歌」 「曲江」「蜀相」「絶句」などが載っていないようで、非常に残念。
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題名のすぐ後に、詩の形式、書かれた年号、歳、場所の説明がある。説明の次に原文が上、下に書き下し文がならんで置かれる。さらに訳、注釈がついていて非常に良い。巻末に略年譜と短い解説も付いている。文字の大きさもちょうど良い。140首、年代順。 好きな詩は「登岳陽楼」(p. 371)
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杜甫の素晴らしさはその人間賛歌です。 大昔の、異国の地の作品にも関わらず、 親近感すら抱かせる普遍性もあります。
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