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妻を殺したかった男 の商品レビュー

3.8

6件のお客様レビュー

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2022/01/29

どこで間違ったんだ?と、考えてしまう。 誰にでも起こり得るんじゃないかと思えてしまう程に、いつの間にかのっぴきならない状況に陥ってしまう主人公。 かなり惹き込まれましたが、こーゆう話は好きじゃない。

Posted byブクログ

2016/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

パトリシア・ハイスミスの長編第2作。 非常に嫌〜〜〜な気持ちになる(※褒め言葉)サスペンスで、読後感は決して良いとは言えない。だが、妙に惹かれる作品ではある。何と言うか、人間、誰だって一線を越えてしまう瞬間はあると思うのだけれど、それが非常にリアリティを持っている……というのが、惹かれる理由なのかな、と思った。

Posted byブクログ

2015/09/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

妻に自殺された男がよく似た状況で妻を殺した男に会っていたため、双方が殺人の容疑者とされてしまう。片方は本当に妻を殺した男、もう一人はその事件を新聞記事で読み妻を殺すことを妄想しただけの男。警察がこの二つの事件に関連を見出し、双方の夫が出会っていたことから容疑者とされる。 無実の罪で追いつめられる男と、忘れられようとしていた罪を掘り起こされた男。容疑者として疑われた妻を殺した男は妻を殺したかった男を恨み、ふたたび殺人を冒す。 前作、見知らぬ乗客と同じように二人の人物の対比が描かれる。片方はどこにでもいるような人物で、ふとしたきっかけで事件に足を踏み入れる。もう一方は異常者といえるような人物で、この人物の存在がサスペンスを盛り上げる。結末は皮肉なもので、フランシス・アイルズの殺意(http://booklog.jp/item/1/4488124011)や、ボアロー/ナルスジャックの悪魔のような女(http://booklog.jp/item/1/4150717036)を想起させる。

Posted byブクログ

2013/01/06

映画『リプリー』の原作者などで知られるパトリシア・ハイスミスの作品です。 原題は「まぬけな男」となっています。 残念ながら、現在は絶版となっているようで、私はブックオフで手に入れて読みました。 『妻を殺したかった男』というタイトルからも分かるとおり、冒頭、キンメルとい...

映画『リプリー』の原作者などで知られるパトリシア・ハイスミスの作品です。 原題は「まぬけな男」となっています。 残念ながら、現在は絶版となっているようで、私はブックオフで手に入れて読みました。 『妻を殺したかった男』というタイトルからも分かるとおり、冒頭、キンメルという男がバス停まで車で妻をつけて行って、妻が降りたところを接触して、暗がりまで連れて行って殺します。 この事件が新聞に載るんですね。 それからもう一人の男に視点が移って、この男も妻と仲が悪いんです。ある時、キンメルの事件を新聞で読んで、「これは殺人に違いない」と直感で思うんですね。実際には捜査は進んでいないわけですけれども。 キンメルの事件の切り抜きをスクラップブックに貼り付けようとしたり、わざわざ遠くまでキンメルが殺人犯かどうか自分の目で確かめるために彼が経営する書店まで会いに行ったりもします。 ある日、妻が母親の家にバスに乗って行くことになった時に、この男は自分がキンメルに成り切ったつもりで、妻の後をつけていきます。頭の中で想像するんですね。自分が殺しているところを。でも、実際にそんな行動には出ていないわけですが、物語は意外な方向へ展開を見せます・・・。 * ミステリーですが、パトリシア・ハイスミスは単にミステリーの枠にとどまり切らないものを描ける作家だと評価する人もいます。確かに、映画のリプリーも面白かったですし。機会があれば読んでみては如何でしょう?

Posted byブクログ

2011/09/22

ハイスミスのデビュー2作目。当世流行のサイコサスペンスとは違う意味でサイコがサスペンスする。ハイスミスのすごさは、心理描写がまったく情緒に流されないところにある。日本で言えばこれは伊藤整だ。キリスト教の国の小説は、どんなに分析のメスが鋭くても「愛」という言葉のところで腑分けが止ま...

ハイスミスのデビュー2作目。当世流行のサイコサスペンスとは違う意味でサイコがサスペンスする。ハイスミスのすごさは、心理描写がまったく情緒に流されないところにある。日本で言えばこれは伊藤整だ。キリスト教の国の小説は、どんなに分析のメスが鋭くても「愛」という言葉のところで腑分けが止まってしまう。ハイスミスも例外ではないと思うが、それでも彼女の使う「愛」はかなり身も蓋もないところまで腑分けされている。

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2010/05/19

ハイスミスの初期作。本書の後に『リプリー』『ディープ・ウォーター』が続く。とすれば、この時期の彼女は最高にいかしてる。ナイフで人を殺すこと/思いで人を殺すこと。実際殺人者/想像殺人者。玄人/素人。危険なのは前者、しかし厄介なのは断然後者。両者を交差=交流させてしまうところがハイス...

ハイスミスの初期作。本書の後に『リプリー』『ディープ・ウォーター』が続く。とすれば、この時期の彼女は最高にいかしてる。ナイフで人を殺すこと/思いで人を殺すこと。実際殺人者/想像殺人者。玄人/素人。危険なのは前者、しかし厄介なのは断然後者。両者を交差=交流させてしまうところがハイスミスの醍醐味。

Posted byブクログ