新編・鬼の玉手箱 の商品レビュー
1 民俗社会との交感 2 闇の世界 3 異界への橋 4 鬼の時代 あとがき 文庫版へのあとがき 解説 山折哲雄
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文化人類学の方法論をたずさえて民俗学の領域に参入していった著者が、これまで関心を寄せてきたテーマを振り返りつつ、民俗学のあらたな可能性について展望をおこなっている本です。 冒頭に置かれている「文化人類学との出会い」と「「外部性の民族学」への道」は、ともに著者へのインタビュー記事...
文化人類学の方法論をたずさえて民俗学の領域に参入していった著者が、これまで関心を寄せてきたテーマを振り返りつつ、民俗学のあらたな可能性について展望をおこなっている本です。 冒頭に置かれている「文化人類学との出会い」と「「外部性の民族学」への道」は、ともに著者へのインタビュー記事にもとづいており、学生時代以来著者がどのような関心をいだいて文化人類学や民俗学の世界に入っていったのかということが語られています。また、それにつづく論考でも、「いざなぎ流」をはじめとする、これまで著者がとりくんできたテーマが比較的わかりやすいことばで論じられており、『神々の精神史』や『憑霊信仰論』(ともに講談社学術文庫)、あるいは『異人論』や『悪霊論』(ともにちくま学芸文庫)といった著者の仕事のコンパクトな導入の役割を果たしています。 さらに著者は、従来の民俗学の枠を越えた領域に、現代の日本人の精神を解明するためのさまざまな手がかりが存在していることを指摘し、都市民俗学の可能性についての展望を語っています。
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