南方熊楠コレクション(第4巻) の商品レビュー
アンソロジーシリーズ4巻目。 中沢新一の「解題」の域をおおきく逸脱したエッセイは相変わらずだが、ともかく、本巻では南方熊楠の「生き様」の魅力がクローズアップされる。 南方熊楠という存在の、日本文化史上における意味というのは、実は私にはよくわかっていないのだが、このアンソロジ...
アンソロジーシリーズ4巻目。 中沢新一の「解題」の域をおおきく逸脱したエッセイは相変わらずだが、ともかく、本巻では南方熊楠の「生き様」の魅力がクローズアップされる。 南方熊楠という存在の、日本文化史上における意味というのは、実は私にはよくわかっていないのだが、このアンソロジーを通して、彼の魅力はじゅうぶんに伝わってきた。 型にとらわれず、奔放で、自由自在、不羈独立のバイタリティ。熊楠は、本を読むだけで現実世界の現実のモノに直接手を触れようとしないインテリたちを尻目に、世界中を歩き、山野にふかく踏み入る。 本巻最後の「履歴書」がやはり面白い。 この中で「幽霊」をめぐる記述があり、「生気」といったものについても熊楠は真剣に論じてるあたり、個人的には興味深かった。
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