数学的見方考え方 の商品レビュー
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ここ何年か、小学校では算数がブームである。理由はいくつか考えられるだろう。 1.総合的な学習の時間のブームが去った。 2.少人数指導が導入された。 3.○マス計算が注目された。 私がとても残念に思っていることは、計算力など、算数の一部分ばかりにスポットが当たってしまったことだ。 算数で大事なことは、問題の場面を数学的に見て、数学的に考えていくことである。どんなに計算が速くても、数学的に見たり考えたりすることができなければ、いくら時間をかけても式を立てることができない。式を立てることができなければ、当然、計算するところまでたどり着くことはできない。 だから、算数で大切なことは、数学的に見て、考えることなのである。 ただ、計算力をつけることは容易いが、考える力を伸ばすことは非常に難しい。この本の著者松原元一さんも、(p.201)「考え方なるものを抜き出して教えることが可能であるはずがない。」と断言しているのである。 しかし、難しいからと言って、それを放棄するべきではない。考え方を教えない算数など、やる意味がないのだから。せめて、この本のような名著を読んで、数学的に考えるというのはどういうことなのか、しっかりわかった上で、授業を組み立てる必要があるだろう。 ちなみに、最近は言葉の力、表現力などといって、国語がブームになりつつある。何とも、落ち着きのない話である。
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