儒教とは何か の商品レビュー
日本にも影響を与えた…
日本にも影響を与えた儒教。宗教ではない儒教という学問について。
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漢文といえば、論語や…
漢文といえば、論語や孟子など、儒学の書物が思い浮かびます。それら原始儒家が、いかにして「儒教」という宗教相当のものになったかの軌跡、時代による思想の違い、儒教文化圏として今に至るまでアジア世界に影響を与えている現状など浩瀚な解説書。
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私たちの身の回りには…
私たちの身の回りには仏教よりも儒教の方があふれている。仏教と儒教に対する考え方が変わる本。
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著者独自の観点から、儒教の歴史をたどるとともに、その思想が日本におよぼした影響などについても論じている本です。なお2022年現在、本書の増補版が刊行されているようです。 著者は、儒教は宗教ではないという通説に抗して、儒教が死者の祭祀という、宗教としての性格をもっていることを指摘...
著者独自の観点から、儒教の歴史をたどるとともに、その思想が日本におよぼした影響などについても論じている本です。なお2022年現在、本書の増補版が刊行されているようです。 著者は、儒教は宗教ではないという通説に抗して、儒教が死者の祭祀という、宗教としての性格をもっていることを指摘し、さらに仏教を中心とする日本の葬儀にも、その影響がおよんでいることを説明しています。そのうえで著者は、孔子以前の職業的シャーマンによる「原儒」から、孔子によって儒教の礼教的な側面が整えられた経緯をたどり、さらにその後の展開についても説明がなされています。さらに、老荘思想や法家思想との関係についても論じられています。 儒教を宗教としてとらえるというのは著者独自の視点であり、かならずしも一般的な解釈ではないのかもしれませんが、儒教のひとつの側面を学ぶことができたという意味では、有益な内容だったように思います。
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本書において著者は、儒教は単なる倫理道徳であるという通俗的な見方を批判し、儒教の本質は死と結びついた宗教であると主張する。そして、孔子以前からの儒教の歴史をたどり、儒教と現代との関わりを考察している。 儒教とは詰まるところ何なのか、儒教は宗教といえるのか、というのは儒教という概念...
本書において著者は、儒教は単なる倫理道徳であるという通俗的な見方を批判し、儒教の本質は死と結びついた宗教であると主張する。そして、孔子以前からの儒教の歴史をたどり、儒教と現代との関わりを考察している。 儒教とは詰まるところ何なのか、儒教は宗教といえるのか、というのは儒教という概念を習った子供の頃から疑問に思っていたことではあったので、本書における儒教の宗教性の指摘には目から鱗なところがあった。日本における葬式には、仏教よりむしろ儒教の影響が及んでいるという指摘も興味深かった。また、仏教やキリスト教、イスラム教を生んだインドや西アジアが酷烈な環境であり、その地の人々はこの世の苦しみからの解脱や救世主、天国を求めたのに対し、中国、朝鮮、日本という東北アジアは暮らしやすく、中国人はこの世を快楽に満ちたところであると考え、だからこそ死の恐怖が生じ、それを克服する説明として儒教が生まれたという説明も、得心のいくものであった。 一方、本書が新書であるという制約もあると思うが、著者の主張(特に孔子以前の原儒について)の論証(主張を裏付ける1次史料の提示など)という点は十分とはいえないのではないかと感じた。
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しばしば忠孝の倫理、ひいては”儒学”として宗教性がなおざりにされがちな、儒教本来の原始的な宗教性を解き明かす。儒教に関する宗教的側面にライトを当てた書は少ないので貴重。
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一般とは違う儒教の見方。宗教性と分かれた礼教性が中国人にどういう影響を与えてきたかについての言及は少なかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
扱っている世界がとてつもなく広い、 とともに難易度も新書の中では 飛び上がるほど高い部類 (だけれども岩波よりはまだどうにかなります) 儒教というものは 私たちの気づかないところで 浸透しているんだなと痛感しました。 お葬式の形式も然り。 実は仏教バリバリではないのです。 でも私は儒教の人が見たら 死ぬほど怒られると思います。 (傷物です) だんだんと歴史は変わりつつあるのですね。 でも、「一集団」ではまだ きちんと儒教の影響は残っています。
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儒教の本ではあったが、日本の独特の仏教について知ることができた。仏教と儒教が混合していたのだ。 儒教の「人工・人為」を重視し、人間の手が加わった人工・人為的世界がすぐれたもの」と考えることは、私の考え方に近い。自分が儒教的な考えを持っているとは思いもしなかった。 ただ、やっぱり儒...
儒教の本ではあったが、日本の独特の仏教について知ることができた。仏教と儒教が混合していたのだ。 儒教の「人工・人為」を重視し、人間の手が加わった人工・人為的世界がすぐれたもの」と考えることは、私の考え方に近い。自分が儒教的な考えを持っているとは思いもしなかった。 ただ、やっぱり儒教が宗教という意見には、違和感を持った。宗教でもなく道徳観でもなく、気がつかないぐらい私たちに浸透している考え方だと思った。
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従来の儒教観を変えた本らしいが、そもそも現在では儒教=形式主義みたいなステレオタイプさえも浸透してるか怪しい。
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