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儒教とは何か の商品レビュー

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18件のお客様レビュー

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2013/11/19

大学生のとき、中国語圏の社会と文化とか云ふ授業のレポートの参考にしたい本。一昔前、アジア圏の急成長は儒教的道徳が背景にあるとか云ふことが騒がれていた。そんなこともあり読んでみたのだが、この本の内容は、道徳的な面は儒教の一面であって、儒教の本質は別にあると云ふもの。別のものとは何か...

大学生のとき、中国語圏の社会と文化とか云ふ授業のレポートの参考にしたい本。一昔前、アジア圏の急成長は儒教的道徳が背景にあるとか云ふことが騒がれていた。そんなこともあり読んでみたのだが、この本の内容は、道徳的な面は儒教の一面であって、儒教の本質は別にあると云ふもの。別のものとは何か?それは内緒。

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2012/06/23

今日の私達日本人のアイデンティティ形成に、儒教が大きく影響していることに驚いた。 例えばお盆などに墓参りに行く招魂儀礼。私の家は浄土信宗で、夏休みになると親戚とお墓参りに行く。 しかし仏教の死生観は、輪廻転生のため亡くなった人の魂がこの世に戻ってくる考え方はない。 つまり、墓参り...

今日の私達日本人のアイデンティティ形成に、儒教が大きく影響していることに驚いた。 例えばお盆などに墓参りに行く招魂儀礼。私の家は浄土信宗で、夏休みになると親戚とお墓参りに行く。 しかし仏教の死生観は、輪廻転生のため亡くなった人の魂がこの世に戻ってくる考え方はない。 つまり、墓参りに行ったって、ご先祖様は他の人生を歩んでいるため、単なる個体になった骨と墓石に手を合わせているだけになる。 にも関わらずなぜ手を合わせているか。それは、儒教の影響を私達が受けているからだ。儒教の死生観では、肉体と魂が分離する。日本人は自然と、先祖を敬うことが根ざしている。魂に対して敬意を払うという儒教の考えが、仏教が日本に入ってからも根ざしつづけているのだ。 今までは、自分が生きていられるのはご先祖様がいたからだと思い墓参りをしてきたが、儒教が、自分の人格形成に与えている影響の大きさが明らかになり驚いた。 仏教、儒教、どちらの死生観を信じるかは個人の自由だが、両親やご先祖様を敬う心は忘れてはいけないと思った。今の私があるのは、ご先祖様のおかげだから。

Posted byブクログ

2012/05/20

日本仏教が日本土着の宗教と仏教と儒教の混交の結果と云うのがオモロイ。 古い本なので、最後の方はよく覚えてないけど、現代社会に儒教精神を復活させるのは、今の時代の閉塞感打破になるって話もあったような。 そのうち読み返そっと。

Posted byブクログ

2011/12/07

「仏教は、この世を苦しみの世界とする。これが大前提である。生きていること自身を苦しみとする。この世には、愛憎があり、得ようとして得られないことが多く、凡人は、その苦しみの中でももがきながら生きている。やがて苦しみが増える。病気である。病気をしない人間はいない。たとえ生は苦しいとは...

「仏教は、この世を苦しみの世界とする。これが大前提である。生きていること自身を苦しみとする。この世には、愛憎があり、得ようとして得られないことが多く、凡人は、その苦しみの中でももがきながら生きている。やがて苦しみが増える。病気である。病気をしない人間はいない。たとえ生は苦しいとはいえ、その生に執着する凡人は、生を脅かす病の苦しみで右往左往する。そのような生活の中で、さらに苦しみが増える。老いである。老いの苦しみは、やがて来る最大の苦しみである病がやがて訪れる。」 …この本、仏教にも詳しいじゃないですか。

Posted byブクログ

2011/04/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 儒教には、四角四面の礼教性の強い倫理道徳であり、しかも古い家族制度を支える封建的思想という暗いイメージが色濃くつきまとっている。 しかし、儒教の本質は死と結びついた宗教であり、それは日本人の生活の中に深く根を下ろしている。 第二次大戦後進められた個人主義化により、さまざまな歪みと弊害とを露呈させている今日、〈人間の心〉を問題とする儒教の根本を問い直し、その歴史をたどりながら、現代との関わりを考える。 [ 目次 ] はじめに 葬式と儒教と 儒教における死 儒教の宗教性 儒教文化圏 儒教の成立 経学の時代 儒教と現代と [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2009/10/04

儒教は私の感覚では、宗教ではなかった。 今まで、社会システム、文化思想としての儒教を学んできたからであるが。 しかしこの本では見落としがちな宗教としての儒教をとにかく強調し、それにスポットをあてる。 日本人の、祖先や遺体、遺骨への原感覚がなんに由来するのかを丁寧に述べる。 宗教...

儒教は私の感覚では、宗教ではなかった。 今まで、社会システム、文化思想としての儒教を学んできたからであるが。 しかしこの本では見落としがちな宗教としての儒教をとにかく強調し、それにスポットをあてる。 日本人の、祖先や遺体、遺骨への原感覚がなんに由来するのかを丁寧に述べる。 宗教論としての「孝」は秀逸。 自分が祖先の祭祀をおこなうことで、祖先は地上に戻ってこれる。忘れないことで、別の意味で生きている。 逆に、自分のこどもが同じことを行ってくれれば、自分は未来においても、忘れられず、別の意味で生きていられる。 自分を、個人としてみるのではなく、遙か昔からあり、遠い未来までありつづける生命の流れの連続性の中でみるという思考。 自分の心の中を探せば、必ずあるこうした概念への共感が東アジア共通のものであり、それが儒教の通底音であるということが分かった。 この「連続する生命の流れ」とその一端としての自己という表現は、日本のSFやファンタジーのなかで多く見られる。 手塚治虫の「火の鳥」であったり、萩尾望都の数々のSF作品であったり、また有名なところでは、ジブリの各作品であったり(「風の谷のナウシカ」の漫画版とか) こうした思考が、本当に古い思考に根ざしていることが分かった。 そして、こうした原感覚(シャマニズム)を、社会倫理、さらには哲学、宇宙論にまで、帰納法的に発展させた唯一の思想が儒教なのである。 儒教は「楽」の思想と仏教の「苦」の思想と対比して語るのがおもしろかった。 学びてときに之を習うまたよろこばしからずや。 朋あり、遠方より来るまた楽しからずや。 之を学ぶものは、之を楽しむものにしかず。 儒教は現世の楽しさ、喜ばしさを謳う。

Posted byブクログ

2009/10/04

儒教には、四角四面の礼教性の強い倫理道徳であり、しかも古い家族制度を支える封建的思想という暗いイメージが色濃くつきまとっている。しかし、儒教の本質は死と結びついた宗教であり、それは日本人の生活の中に深く根を下ろしている。第二次世界大戦後進められた個人主義化により、さまざまな歪みと...

儒教には、四角四面の礼教性の強い倫理道徳であり、しかも古い家族制度を支える封建的思想という暗いイメージが色濃くつきまとっている。しかし、儒教の本質は死と結びついた宗教であり、それは日本人の生活の中に深く根を下ろしている。第二次世界大戦後進められた個人主義化により、さまざまな歪みと弊害とを露呈させている今日、<人間の心>を問題とする儒教の根本を問い直し、その歴史をたどりながら、現代との関わりを考える。

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2009/10/04

多少感情的に書かれている部分もあるが、中国思想史の入門書としてはおすすめかも。 孔子によって理論化された儒教が、中央主権国家の誕生とともに変化していく様子が詳しく解説される。 科挙の試験科目になり、宗教性が薄れ、政治思想、哲学へと変化、やがて礼儀や道徳を重んじる倫理道徳...

多少感情的に書かれている部分もあるが、中国思想史の入門書としてはおすすめかも。 孔子によって理論化された儒教が、中央主権国家の誕生とともに変化していく様子が詳しく解説される。 科挙の試験科目になり、宗教性が薄れ、政治思想、哲学へと変化、やがて礼儀や道徳を重んじる倫理道徳というイメージを我々に抱かせるものへとなった。 しかし儒教は、著者が定義する「死ならびに死後の説明者」であるところの「宗教」であるという。 普段、我々日本人が接している一般的な葬礼に関する儀式等は、仏教に基づくものだと思っているが、大部分が儒教からきているというのは、ちょっと目からウロコ。

Posted byブクログ