言葉・狂気・エロス の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「狂気と芸術とエロティシズムに通低する言葉の深層風景を、欲動の視点から捉え直した試み」と語られる本書は、エロスの部分を除けば、この前読んだばかりのレインの本に極めて通低していて、たくらまざる廻り合わせを面白く思う。 近代的絶対主義を単にポストモダンの相対主義に振り替えてみても安心できるものではなく、たいせつなのは、「生の円環運動」だ、という結論に至るに、著者の専門であるソシュールからフロイト、ラカン、サルトル、エーコ、果ては世阿弥まで召喚される。 確か岩波から著作集が刊行中のはずで、まだこれから評価が加えられていくのかもしれない。
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文化に関係なく人の持つ根源的特徴を探る本。 精神分析学的な思想に根ざしており、無条件に首肯することはできない。 しかし、不思議と続きが気になってしまう。 一度読んだだけでは理解も批判も難しい。 中盤の「私たちが普段使う言葉」と「その意味」が本質的には結びついていないという議...
文化に関係なく人の持つ根源的特徴を探る本。 精神分析学的な思想に根ざしており、無条件に首肯することはできない。 しかし、不思議と続きが気になってしまう。 一度読んだだけでは理解も批判も難しい。 中盤の「私たちが普段使う言葉」と「その意味」が本質的には結びついていないという議論が納得できれば、後半の狂人とは何かという議論は面白く示唆も多い。 また、単一の答えを導くための学習ではなく、その時々に得られる感じが異なる鑑賞こそが人の歓びではないか?という問いには個人的に強い首肯を示したい。 どちらにしても、もう一度読みたくなる本。
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形而上学に根差す限り、二項対立による概念の批判は同次元にとどまるに過ぎないと否定し、円環運動の中に欲動を見出す事を軸に、言語や意識まで触れる。少々難解。好き嫌いあるかも。
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記号論についてかと思って呼んでみたが表題にもあるとおりエログロなどの説明もあった。芸術面とうまくからめて丸山理論を展開して一般の読者にもわかりやすく記述がされていたと思う。こんな読みやすい文を書かれる方が齢60にして鬼籍に入るとは残念としか言いようが無い。
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“言語”とは普段使っていながら、何と奥深いものかと思いました。 国々によって言葉は異なり、文化も異なる。言語という“音”が発せられた時、それを受け取る側の文化によって意味合いは変化する。 言葉というもの、そこから紐解かれる無意識の領域――そこに蠢く狂気。生と死の慟哭であり、歓喜。...
“言語”とは普段使っていながら、何と奥深いものかと思いました。 国々によって言葉は異なり、文化も異なる。言語という“音”が発せられた時、それを受け取る側の文化によって意味合いは変化する。 言葉というもの、そこから紐解かれる無意識の領域――そこに蠢く狂気。生と死の慟哭であり、歓喜。それは誰しも持っているもの。
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言語学の地平を開いたソシュールを読み解き、言語文化をめぐって独自の思索を展開した丸山圭三郎晩年の刺激的な一冊。「言葉と無意識」同様、翻訳という一種の言葉の格闘をしていて、ふっと我に返るとき、自分の無意識の領野に広がることばの宇宙を見つめ直すためにひもとく本です。新書だと思ってあな...
言語学の地平を開いたソシュールを読み解き、言語文化をめぐって独自の思索を展開した丸山圭三郎晩年の刺激的な一冊。「言葉と無意識」同様、翻訳という一種の言葉の格闘をしていて、ふっと我に返るとき、自分の無意識の領野に広がることばの宇宙を見つめ直すためにひもとく本です。新書だと思ってあなどれないです。
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