冷い夏、熱い夏 の商品レビュー
肉親を癌で失う家族のつらさ、闘病の苦しさ、身にしみて考えさせられました。 氏が亡くなったとき、どんな気持ちで延命器具をはずしたのか 少し気持ちがわかりました。
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悲しい物語である。 悲しくて、こういう状況下でいたときにはとても読めない小説だろう。 肺ガンの手術後、1年間にわたって死んでいく弟を見つめる兄を主人公とした小説。 吉村氏の告知、延命に対する考えが述べられている。 が、それは人それぞれである。 自分としては、他人...
悲しい物語である。 悲しくて、こういう状況下でいたときにはとても読めない小説だろう。 肺ガンの手術後、1年間にわたって死んでいく弟を見つめる兄を主人公とした小説。 吉村氏の告知、延命に対する考えが述べられている。 が、それは人それぞれである。 自分としては、他人に病名を隠されたくないし、自分の意向が無い延命は徹底拒否である。 「自分の意志」で延命を伝えたい。 伝えられない状況下に置かれていたとしても、今のうちから、妻に言っておく。
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実弟の末期癌闘病生活を描く。病名を本人に隠し通しながら看病する、心苦しさ、辛さや苦労・・・体験したくないけれど、いつ自分や大切な人の身に降りかかるかわからない「死病」という存在・・・。吉村昭作品は淡々とした文体が特徴的だけれど、実体験記だけあって感情的なところがイイ
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癌であることをけして告知せず胸に秘める兄と疑いの目を向けつつ病を恐れ苦しむ弟。弟を思ってすることが本人のみならず妻にまでも「冷たい人」ととられてしまうことがある。病気の進行が早く一年ほどで死ぬだろう弟を前に様々な思いが去来する。どうやら実体験らしく描写がすごい。弟の最期の場面では...
癌であることをけして告知せず胸に秘める兄と疑いの目を向けつつ病を恐れ苦しむ弟。弟を思ってすることが本人のみならず妻にまでも「冷たい人」ととられてしまうことがある。病気の進行が早く一年ほどで死ぬだろう弟を前に様々な思いが去来する。どうやら実体験らしく描写がすごい。弟の最期の場面では自分もその場にいたかのような錯覚におそわれます。告知するかしないか、実際にその立場になったら私はどうするだろうかと考えてしまいました。答えは出ません…。
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相変わらず骨太。壮絶な弟の闘病姿を極めて冷静に描写しながら、兄としての熱い思いにも触れ、静かに胸打たれる。
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