息子と父親 の商品レビュー
『ハムレット』は文学上のモナリザ。 E.Jonesの名前を聞きかじったことがある程度の私には、それを越えていこうとするブロスの解釈は、興味深かった。 カフカ論はもう少し煮詰める必要があるとともに、機が熟す必要もある。 総論では、特にエリクソンを引きながら論じている、64Pが秀逸。...
『ハムレット』は文学上のモナリザ。 E.Jonesの名前を聞きかじったことがある程度の私には、それを越えていこうとするブロスの解釈は、興味深かった。 カフカ論はもう少し煮詰める必要があるとともに、機が熟す必要もある。 総論では、特にエリクソンを引きながら論じている、64Pが秀逸。 二者期という観念を知ったのは大きい。 言わせてもらうと、訳が読みにくいのが難点である。 この訳者の読みやすい他作品の訳も知っているので、ブロスが硬い表現をしているのだとは思う。 しかし、もっと柔軟に訳すことはできるはず。
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土井健郎 「エディプス・コンプレックスと甘えとはまさしく反比例する。つまり甘え(前エディプス期)が稀薄であればあるほど、性愛的傾向や敵意があらわになりやすい」 (『精神分析と精神病理』医学書院、1965)より 一体感への甘え:他者を他者として認める現実的な想像力を欠く−未...
土井健郎 「エディプス・コンプレックスと甘えとはまさしく反比例する。つまり甘え(前エディプス期)が稀薄であればあるほど、性愛的傾向や敵意があらわになりやすい」 (『精神分析と精神病理』医学書院、1965)より 一体感への甘え:他者を他者として認める現実的な想像力を欠く−未熟な心理 愛の目的・究極:心身を含む全体存在としての人間の一体化 ▼ 愛の真の対象は自己ではなく他者 ▼ 甘えの幻想、投影(相手の中に自己を見る) ナルシシズム(⇒自体愛)での愛であり、対象愛ではない 同一化:相手との幻想的な一体感、甘え、自己の確率の脆さ、相手への依存
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