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回疆探検 ペルシャの旅 の商品レビュー

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2021/10/26

明治の初め、外交使節団の一員として当時のガージャール朝イランを訪問した吉田正春の旅行記。この本自体は、彼が日本に帰国してから10年後に当時の日記や公式の報告書を基にして記載されている。 100年以上たった今見ても、吉田氏の文章は生き生きとしていることに驚かされた。国交を樹立する...

明治の初め、外交使節団の一員として当時のガージャール朝イランを訪問した吉田正春の旅行記。この本自体は、彼が日本に帰国してから10年後に当時の日記や公式の報告書を基にして記載されている。 100年以上たった今見ても、吉田氏の文章は生き生きとしていることに驚かされた。国交を樹立するかどうかという重大任務を帯びた旅行であり、各都市の詳細な情報や、シャーとの謁見の様子はもちろん克明に記録されている。が、それ以上に当時のイランの様子を細かに描写しているところに、この本の面白さがあると思われる。 水タバコを勧められるも、蒜(ニンニク。おそらくタマネギの事)を食べるペルシア人の後だと辛い、としたらり、盗みを働いたイラン人は、決して自分が盗んだといわず、「悪魔が俺の手を操作したのだ」と言うなど。 また、現地(テヘラン)の駐在社会(欧州各国の公使)の描写も面白い。

Posted byブクログ