敗者の維新史 の商品レビュー
歴史は常に勝った側か…
歴史は常に勝った側からの視点でかかれるが、負けた側からも見ることで客観的な事実はどうであったのかを知ることができる。
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幕末から明治中期まで生きた荒川勝茂は、会津藩中級武士として過ごし、敗者として苦難の道を歩いた。彼の真価は詳細に記した日記にある。特に、家族が次々と死に至る(餓死と思われる)斗南藩時代は、挙藩流罪とも目されるものであった。結局、勝茂に小学校教員の道が開かれて生計が立ち行くようになるのである。
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明治維新の前後を薩長に敗れた側としての会津藩士とその家族の視点から見ます。西軍(薩長軍を会津ではこう呼ぶ)の略奪はとても皇軍とは思えないような酷いものであったことが描かれていますが、それ以上に圧巻は会津滅亡後、高田藩に預けられ、その後更に、下北半島に入植し新しい斗南藩を築こうと自然の猛威との闘いの中で過酷な日々を過ごしたこと。荒川勝茂はその中で妻、長男、三男、長女など家族の多くを失っていった悲痛さが生々しいです。そして明治4年から35年には小学校教師として会津で教鞭を取ったと言う。晩年の日本刀をバックに家族と撮影した写真の骨っぽい姿は、維新後何年も経た段階であるにも関わらずその気骨ある人物を力強く語っています。命を捧げた殿様・松平容保の存在が年々希薄になっていくことにも、時代に流されていく一士族(市民)の苦難の人生を感じます。今から140年ほど前の話ではありますが、遠い昔とは思えない臨場感がありました。
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会津藩士 荒川類右衛門勝茂の日記を元に書かれた本。単なる歴史書ではなく一藩士の生活が書かれていて興味深かった。
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[ 内容 ] 朝敵とされた会津の人々の上に、戦火の嵐は否応なく襲いかかった。 その中で、荒川勝茂は勇猛を誇る佐川官兵衛隊にあって血槍を振るい、戦争の惨劇を身をもって体験した。 戦後は新潟での謹慎、さらには慈しむ家族とともに、下北の苛酷な暮しを強いられる。 迎えた新生日本も、勝茂一家を窮乏と苦悩から解き放つことはなかった。 しかし、勝茂は会津武士の矜持を捨てず、試練に耐えた。 彼は履歴書に記す。 “罰かつて受けし事なし”と。 [ 目次 ] 1 京都守護職 2 戊辰戦争 3 血の海 4 無念の白旗 5 越後高田での謹慎 6 会津藩再興 7 苦闘する斗南藩 8 故郷での再起 9 怒りと悲しみ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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