工藤写真館の昭和 の商品レビュー
この本はとても面白い。期待した以上に面白かった。著者なり出版社なりがもう少し真剣に世に出そうとしたらもっと好評を博するだろう。 日清・日露の戦勝の余韻で国民は高揚感を感じているが、経済は逼迫し、戦争の暗雲が垂れ込める。 双葉山が電撃的な速度で横綱まで上り詰め、六十九連勝を果たす。...
この本はとても面白い。期待した以上に面白かった。著者なり出版社なりがもう少し真剣に世に出そうとしたらもっと好評を博するだろう。 日清・日露の戦勝の余韻で国民は高揚感を感じているが、経済は逼迫し、戦争の暗雲が垂れ込める。 双葉山が電撃的な速度で横綱まで上り詰め、六十九連勝を果たす。 七十連勝を阻んだ安芸の海の影には相撲部屋から早稲田を出た学士力士による八ミリカメラによる取り口分析があった。 印象派が室内のアトリエから屋外に出たように、カメラもまた写場と呼ばれた室内のスタジオから、町へ出て手持ちのライカによるフォトジャーナリズムが誕生した。 二〇〇七年に銀座一丁目の画廊「巷房」で見た「吉野写真館の百三十年」のスライドショウーをテキストで読んだような気分だった。
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