随筆集 明治の東京 の商品レビュー
美人画で有名な画家・…
美人画で有名な画家・鏑木清方の随筆です。明治の東京のあれこれが、実感の籠もった筆致で綴られています。
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鏑木清方(1878-1972)の美しい東京。まるで、江戸時代はすぐそこ、手の届く所にあるみたいだ。 大川端周辺の明治時代。木挽町、東銀座、浅草、明石町、築地…情緒のある街並みが画家の視点でから描かれる。 脚気患いの対策で、父親が懇意だった縁から円朝との二人旅が実現する。うーん、贅沢。
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「築地明石町」などの数々の美人画で知られる絵師・鏑木清方。彼は随筆の名文家でもあった。過ぎ去りし明治の東京の面影が美しい文章で綴られている。あまりにも端正で行間から時代が立ち上ってくるかのようなその筆致は絵師の随筆というのを忘れるほど。私が中でも好きなのはきものや衣服に関するこだ...
「築地明石町」などの数々の美人画で知られる絵師・鏑木清方。彼は随筆の名文家でもあった。過ぎ去りし明治の東京の面影が美しい文章で綴られている。あまりにも端正で行間から時代が立ち上ってくるかのようなその筆致は絵師の随筆というのを忘れるほど。私が中でも好きなのはきものや衣服に関するこだわりを描いた随筆だ。西の松園、東の清方とはよく言ったものである。鏡花や一葉の挿絵画家としても知られる我が邦随一の江戸っ子の名文を御覧じあれ。
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かなりの美文家。文筆家は逆にここまでの美文はかかない、かも知れない。もちろん書けないのではなく。でも文章の味わいをてらいなく示していてこれはこれで好感が持てる。
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明治11年、東京神田に生まれた鏑木清方は、「築地明石町」に代表されるように美人画において名を知られるが、一方で自身がこよなく愛した江戸の風情を残す東京・下町の人々の日常生活も好んで描き、また、随筆集も数多い。 「明治の東京」には当時流行のスイーツ情報「甘いものの話」、ヨーロッパ文...
明治11年、東京神田に生まれた鏑木清方は、「築地明石町」に代表されるように美人画において名を知られるが、一方で自身がこよなく愛した江戸の風情を残す東京・下町の人々の日常生活も好んで描き、また、随筆集も数多い。 「明治の東京」には当時流行のスイーツ情報「甘いものの話」、ヨーロッパ文明の良い影響がものいっていた古い銀座を顧みる「銀座回想」、綺麗な女に化ける獺の棲みつく幽霊橋の話を聞く「築地川」など、精選された38編を収録。 関東大震災と第二次世界大戦による空襲、ふたつの災害によって東京の古き良き時代の風景は消え去ってしまいました。 今は清方が終生描き続けた書画のなかに切りとられたおもかげをなぞるよりほかに、当時を知る術はありません。
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