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墜落の夏 の商品レビュー

4.2

32件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2013/05/24

事故原因や「人」へのフォーカスに留まらず当時の日本の空気感みたいなものにまで言及。一個深いノンフィクションでした。

Posted byブクログ

2013/01/03

本書は、1985年8月12日に起きた日航機墜落事故の発生、及び、それに翻弄された家族やJALの現場スタッフ、消防・警察や医療関係者の状況を、克明に記したノンフィクション小説である。 とりわけ注目されるのは生存者のうちの1人・・・落合由美さんの証言だ。著者吉岡忍氏は事故発生から4...

本書は、1985年8月12日に起きた日航機墜落事故の発生、及び、それに翻弄された家族やJALの現場スタッフ、消防・警察や医療関係者の状況を、克明に記したノンフィクション小説である。 とりわけ注目されるのは生存者のうちの1人・・・落合由美さんの証言だ。著者吉岡忍氏は事故発生から4ヶ月後、彼女に総計7時間のインタビューを敢行し、墜落までの32分間を明らかにした。落合さんの証言が描かれている第二章「32分間の真実」を読んだときには、自分自身があたかもその場にいたかのような錯覚に陥るほどで・・・心底・・・時を超えて心が凍りついた。 『そして、すぐに急降下がはじまったのです。まったくの急降下です。まっさかさまです。髪の毛が逆立つくらいの感じです。頭の両わきの髪がうしろにひっぱられるような感じ。ほんとうはそんなふうにはなっていないのでしょうが、そうなっていると感じるほどでした。怖いです。怖かったです。思い出させないでください、もう。思い出したくない恐怖です・・・』(本書第二章より) 本を読み終えて最初に頭に浮かんだ一言は「矛盾」という言葉だけだ。絶対に生きてやる、という人の意志の強さとは無関係に一瞬で命が奪われる矛盾、有機物なのに無機物のように扱われる・・・いや扱わざるをえない矛盾、家族のために身を粉にして働くことこそが自分の使命・意思と思って生きてきたはずの多くの男性陣にこそ多くの未練が残ってしまった(であろう)という矛盾、その悲しみの大きさを到底受け入れられないとわかっているにも関わらず人は飛行機に乗り続けてしまうという矛盾、家族やJALの現場など一部の人にのみ苦しみが偏るという矛盾、技術革新は人にすら均質化を求める一方で均質でないことが人の救いになりうるという矛盾・・・。 この本を読む意義はどこにあるのだろうか? 悲劇を繰り返さないようにするために?・・・そうかもしれない。でも人は飛行機に乗り続ける。自分もそう。ある意味、原発問題に通ずるところがある。私自身がかろうじて絞り出した答えは「たとえ明日死ぬことになったとしても後悔しないように、一瞬一瞬を精一杯生きるんだ!」ということだ。でも、それは他の人には当てはまらないことかもしれない。 答えは読む人、一人ひとりが見いだす・・・きっと、そういうことなのだろう。 (書評全文はこちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html)

Posted byブクログ

2012/08/18

リアルタイムでは覚えていない日航機墜落事故。いろんな話しが出てくるこの事故の前後をきちっと追いかけているのは本書であるように思えた。

Posted byブクログ

2012/07/24

事故の経緯からその後の話など、多角的に取材されて、この事故のことを知るには手っ取り早い一冊。読み応えあり。

Posted byブクログ

2012/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日航機の御巣鷹山墜落事故についてのルポ。 墜落までの経緯、生存者の話、警察や医師など検死にあたった人たちの言葉、補償についての流れ。 言葉では言い表せない、恐怖。 本著執筆時点で筆者は、大きなシステムがこの世の中を支配しているといった。 20年が経過し、今の日本はどうなのだろうか。 情報化が一気に進み、プライバシーの問題が加速度的に増えている。 一度でも事故が起きれば、あまりにも大きな代償がまっている。 20年前の警鐘を、今の私たちは生かせているだろうか。

Posted byブクログ

2012/04/07

事故から20年ということで2005年に特番がたくさんあり、それをみて当時購読しました。 自分が小学校6年生の時に起こった事故で、その日自分は夏休みで旭川の親戚宅に泊まっており、街に食事に出かけるタクシーの中で消息を絶ったというニュース速報を聴いた記憶が鮮明に残ってます。 あの事...

事故から20年ということで2005年に特番がたくさんあり、それをみて当時購読しました。 自分が小学校6年生の時に起こった事故で、その日自分は夏休みで旭川の親戚宅に泊まっており、街に食事に出かけるタクシーの中で消息を絶ったというニュース速報を聴いた記憶が鮮明に残ってます。 あの事故の詳細・当時報道されなかったことたくさん書かれており、とても興味深く読みました。

Posted byブクログ

2011/10/15

23年も前に書かれた本だが、今読んでも全然色褪せていない名著だと思う。 この事故が発生したときに僕はまだ小学生だったし、日本にいなかったにも拘らず、この日のことは鮮明に覚えているね。 本当に小さなミスが幾つか重なっただけで、こんな大きな事故が起きてしまうなんて、改めてリスク管...

23年も前に書かれた本だが、今読んでも全然色褪せていない名著だと思う。 この事故が発生したときに僕はまだ小学生だったし、日本にいなかったにも拘らず、この日のことは鮮明に覚えているね。 本当に小さなミスが幾つか重なっただけで、こんな大きな事故が起きてしまうなんて、改めてリスク管理の重要性を認識させられた。 こんな惨劇が起きないように日々努力している航空業界はやっぱりすごい。

Posted byブクログ

2011/08/27

今まで読んだドキュメンタリー本の中で、五本の指に入る素晴らしさでした(そもそもそんなに冊数を読んで無さそうなのは秘密だ!)。もっとも、逆に「今ごろ読んだのかよ!」という詰りも受けそうですが。 日航ジャンボ機墜落事故から、今年の8月12日で20年。あの日、小学校低学年の身空ながら...

今まで読んだドキュメンタリー本の中で、五本の指に入る素晴らしさでした(そもそもそんなに冊数を読んで無さそうなのは秘密だ!)。もっとも、逆に「今ごろ読んだのかよ!」という詰りも受けそうですが。 日航ジャンボ機墜落事故から、今年の8月12日で20年。あの日、小学校低学年の身空ながら、その重大さは分かっていて、テレビにかじりついていた夏休みだったのを覚えています。 その事故から1年後に上梓された本書は、その詳細な取材と描写で、当時の話題をさらった一冊……だなんてことは、最近知った話し。しかし、実際ドキュメンタリーとしては素晴らしく、特に、1章、2章、4章の描写は、小説並みの情景描写、状況説明が、この事故の持つ悲惨さ、恐ろしさ、緊張感を、冷徹なまでの臨場感で浮き上がらせています。 まず驚くのは、この本が書かれたのは、先述の通り事故から1年後だったということ。あれだけの大事故の調査が進む速度を考えれば、1年というのはまだ短いくらいでしょう。それでも多くのことを浮き彫りにしています。 そしてもうひとつの驚きは、この時に疑問だった事項は、今でも疑問のままであるということ。実は一時期、この事故のことを小生なりにいろいろ調べたことがあります。と言っても、WEBをアチコチに読んだ程度ですが。そこで語られていたこの事故への疑問は、19年前と何も変わらず、すなわち事故原因の疑問点への追求は、何も進んでいない、ということです。 2000年に公開されたボイスレコーダーの模様を、地図と照合させてFlash化したモノがあります。これは本当に恐ろしいので、怖いものが苦手な方は見ないほうが無難です。 http://mito.cool.ne.jp/detestation/123.html (音声有り、ちょっと長いです) 調査結果、ボイスレコーダーともに、いまだ“全て”は公開されていません。その裏にあるのはなんなのか、それを考える取っ掛かりとして、本書は非常に優れた一冊であると思います。 ★をひとつ減らしているのは、この事故から導き出された著者の結論が、詳細な取材の結果のワリには大味になっていて、急に現実感がなくなっているところでしょうか。まぁ、それもひとつの手法だとは分かりますが、小生にはちょっと受け付け難かったです。 (2005年読了)

Posted byブクログ

2011/07/11

日航123便ジャンボ機墜落の全容 1985年8月12日、日航123便ジャンボ機が32分間の迷走の果てに墜落し、520名の生命が失われたという20年以上前の大惨事。海外に行くときは飛行機を使う日本人にとって、過去の話ではないような気がする。沈まぬ太陽の3編 -御鷹山編-ではじめて日...

日航123便ジャンボ機墜落の全容 1985年8月12日、日航123便ジャンボ機が32分間の迷走の果てに墜落し、520名の生命が失われたという20年以上前の大惨事。海外に行くときは飛行機を使う日本人にとって、過去の話ではないような気がする。沈まぬ太陽の3編 -御鷹山編-ではじめて日航123便に関する本を読んで、その全容をまた読んでみたいと思い手に取った。内容に関して専門的なところももちろんあるが、生存者の証言などはやはり一読の価値はあると思う作品だった。

Posted byブクログ

2021/08/08

毎年夏になると思い出さずにはいられない悲しい事故。 とっても大きな事故で悲しいけど、事故の処理も大変だったんだなぁと改めて思う。

Posted byブクログ