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野ウサギの走り の商品レビュー

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直線的な走りではなく…

直線的な走りではなく、一瞬の後にはどちらに方向を転換するか分からない、不可解さと瞬発力に満ちた野ウサギの走りを目指す思考の集成。

文庫OFF

2021/11/04

1986年の本の文庫版、1989年。 意外性に満ちた野ウサギの走法。不意の方向転換、跳躍。 イメージの凝固を避け、思考の自在な展開に導こうとする本書。 NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n/nee5df30ba787?magazine_key=...

1986年の本の文庫版、1989年。 意外性に満ちた野ウサギの走法。不意の方向転換、跳躍。 イメージの凝固を避け、思考の自在な展開に導こうとする本書。 NOTE記録 https://note.com/nabechoo/n/nee5df30ba787?magazine_key=m9672e1d4fe74 本書は、題の通り、 多岐にわたる話が展開されている。 印象に残っているのは、 バリ島のマジックやジャングル。 それから、 チベットや様々な書評、最澄についての話に、 興味惹かれた。 あと中間的なものや風など。 もちろん、野ウサギについても。 あんな存在だとは!?

Posted byブクログ

2018/06/19

バリー・フラナガンの野ウサギのブロンズ像や、イヴ・クラインのアート、バリ島の魔女ランダをめぐる神話、さらに日本の密教や『日本霊異記』に見られる信仰の形態など、さまざまな主題のあいだを軽やかに駆け抜けつつ、著者みずからの自由な知性の運動が実践的に示されている本です。 エッセイのよ...

バリー・フラナガンの野ウサギのブロンズ像や、イヴ・クラインのアート、バリ島の魔女ランダをめぐる神話、さらに日本の密教や『日本霊異記』に見られる信仰の形態など、さまざまな主題のあいだを軽やかに駆け抜けつつ、著者みずからの自由な知性の運動が実践的に示されている本です。 エッセイのようなスタイルで書かれている論考や、著者へのインタビューという形式で書かれた文章などからなっており、著者の思索の疾走感をそのままに享受することのできるように思います。 そのほか、著者の書評なども収録されています。

Posted byブクログ

2013/10/14

言葉は姿形を持つモノと同じように陰日向を持つ魔物だ 雄弁者にかかれば自分さえも言い包めてしまう 特に「嘘」を秘めている場合の魅力は 限りなく広がって面白いほど個々の思いに取り憑いてしまう バリ島の人達とその踊りと音楽を通して 人間という生き物の部分と全体観を見るとき 形ある有限...

言葉は姿形を持つモノと同じように陰日向を持つ魔物だ 雄弁者にかかれば自分さえも言い包めてしまう 特に「嘘」を秘めている場合の魅力は 限りなく広がって面白いほど個々の思いに取り憑いてしまう バリ島の人達とその踊りと音楽を通して 人間という生き物の部分と全体観を見るとき 形ある有限的世界観と姿形で表現できないあちら側とを 構造的な対立関係ととるか有機的な相対関係ととらえるか 部分が寄り集まる無限的な多神教から 完璧でなければならない無限そのものの一神教へと 歴史は意識を成長させたのか それとも横道にそれたのか この相対性時空間において一成る結果を出し得るものなのか 物質化とはエントロピーを孕む部分性を持つことであり あくまでも果てしのない成長の無限大を目標にして 切磋琢磨している途上にある現場ではないのか 禅とは言語的な至高の動きを停止させる「止観」の行を通して 自然智をあらわにすることだという p411

Posted byブクログ