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ぼくたちの時代 の商品レビュー

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2018/09/21

『なんとなく、クリスタル』でデビューした著者が、1980年から86年にかけて雑誌等に発表した、ファッションやグルメ、車、スポーツ、映画などにかんするエッセイをまとめた本です。 現代のサブカルチャーについて少し考えてみようとすると、どうしても80年代論に突きあたることは避けられな...

『なんとなく、クリスタル』でデビューした著者が、1980年から86年にかけて雑誌等に発表した、ファッションやグルメ、車、スポーツ、映画などにかんするエッセイをまとめた本です。 現代のサブカルチャーについて少し考えてみようとすると、どうしても80年代論に突きあたることは避けられないのですが、その時代の雰囲気をある程度正確につかもうとすると、たとえば永井荷風と東京との関係を調査することに比較しても、はるかに膨大な作業が待っていることがわかりきっているので、どうしても及び腰になってしまいます。そういう状況にあって、本書や、いとうせいこうの『全文掲載』(新潮文庫)など、当時のエッセイを集めた本があるのはありがたいのですが、それでもやはり隔靴掻痒の感があって、たとえば著者といとうせいこうや糸井重里らとの立ち位置の違いは理解できても、その距離感を肌感覚でつかむのはむずかしいと感じてしまいます。 たしか荷宮和子だったかと思いますが、同時代を生きた者の視点から著者のエッセイについての批判をおこなっていたように記憶しているのですが、どちらが正しいにしても、他の世代の者には見通しがきかないことに変わりはなく、正直なところ途方に暮れています。

Posted byブクログ