白痴・青鬼の褌を洗う女 の商品レビュー
白痴について。舞台…
白痴について。舞台は戦場。ダメ男とある女が部屋でただしゃべっている。その会話は非常に哲学的であり、そこには坂口安吾ワールドが無限に広がっている。生死の捉え方、果ては墜ち方に至るまでがかくも美しくけそしてだるく描かれている。読むものを惹きつけ吸い込む。
文庫OFF
白痴がとても面白かった。ずっと題名だけは知っていて、こわい話なのではないかと構えていたから、いい意味で裏切られた。白痴が女に見える瞬間と、そうでないときのちがいが鮮やかに心を通りすがる。 恋をしに行くを目当てで買い、何ヶ月か前に本作だけを読んで好きだと思った。けれども今回もう一...
白痴がとても面白かった。ずっと題名だけは知っていて、こわい話なのではないかと構えていたから、いい意味で裏切られた。白痴が女に見える瞬間と、そうでないときのちがいが鮮やかに心を通りすがる。 恋をしに行くを目当てで買い、何ヶ月か前に本作だけを読んで好きだと思った。けれども今回もう一度はじめから通して読んだときは、知らず知らずのうちに読み終えてしまった。 波子、続戦争と一人の女が良い作品だと思った。
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時代は戦中、戦後すぐくらいの短編集。 なんだか切ない。時代のせいなのか人間のせいなのか。 それともそういうものなのか。
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久しぶりに読み返した。やっぱり坂口安吾はすごい。 高校生の頃は白痴が良かった覚えがあるけれど、今読んだら断然青鬼…の方が好きになっていた。傑作。
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堕落論も好きだったけど、なぜかこの「青鬼の褌を洗う女」が好きで、何回も読んだ。この主人公の女性、脳味噌がとけてる感じ。女性の本能で生きている。エレンディラもだけど、娼婦で聖女、ってゆうのが文学にでてくるとこうなるのかな。私が男だったら惚れると思う。 青空文庫で発見。50年たって...
堕落論も好きだったけど、なぜかこの「青鬼の褌を洗う女」が好きで、何回も読んだ。この主人公の女性、脳味噌がとけてる感じ。女性の本能で生きている。エレンディラもだけど、娼婦で聖女、ってゆうのが文学にでてくるとこうなるのかな。私が男だったら惚れると思う。 青空文庫で発見。50年たってる? http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42877_27761.html
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安吾ほど女という生き物をいとおしんでいる作家もいないと思う。 この本に出てくる女達は、皆淫乱で不実だが愛らしくいじましい。 女は女であってほしい。 そして男は、男であってほしいと思う。
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びっくりした 安吾やばい 私もそれがすごく欲しいけど どこにあるのかも、存在するのかもわかんないよね すべては爽やかでみたされていて退屈 なのになんでこんなに懐かしいのでしょう
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青鬼の褌を洗う女について。 孤独に対する安吾の視線がたまらない。 孤高である意識のある人は是非読んでほしい。 私も青鬼の褌を洗う女になりたい。 安吾の奥さんがモデルらしいが、なんとも女として生々しくて、逞しくて、魅力的だ。
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坂口安吾は天才だという。そうかもしれない。この文章は誰のものでもなく、独特のものがある、と昔感じたが今はまた違った意味ですごいなと感じる。文庫には解説がついているが、多分そのとおりなのだろうが、今この小説が書かれてから60年もたっていても何か現代に訴えるものがある。と思う。白痴に...
坂口安吾は天才だという。そうかもしれない。この文章は誰のものでもなく、独特のものがある、と昔感じたが今はまた違った意味ですごいなと感じる。文庫には解説がついているが、多分そのとおりなのだろうが、今この小説が書かれてから60年もたっていても何か現代に訴えるものがある。と思う。白痴には怒りがある。戦争のくだらなさに、それによって自由な表現を奪われたことにも、「気違い」「白痴」といっている町の人々もまた「気違い」であり、本能と欲望のまま生きる「白痴」は死をすぐ傍らのものとして生きているとき最も純粋に感じる。書いた作者が何を表現しようとしたかは多分解説のとおりなのだろうが、それを読んで何を感じるかは読む読者のものだと思う。何かを感じさせるということ、それが出来ることがまたすごいと思う。「井沢は女がほしかった。女がほしいという声は井沢の最大の希望ですらあったのに、その女との生活が二百円に限定され、鍋だの釜だの味噌だの米だのみんな二百円の呪文を負い、二百円の呪文に憑かれた子供が生まれ、女がまるで手先のように呪文に憑かれた鬼と化して日々ぶつぶつ呟いている。胸の火も芸術も希望の光もみんな消えて、生活自体が道ばたの馬糞のようにグチャッグチャに踏みしだかれて、乾きあがって風に吹かれ、飛び散り跡形もなくなって行く。つめのあとすら、なくなって行く。女の背にはそういう呪文が絡み付いているのであった。」安吾の結婚観は正直痛い。痛すぎる。「青鬼の褌を洗う女」は女の一人称で書かれているが、これも傑作だと思う。性には執着しないが生きることには執着のある女、オメカケさんになりそれなりに誠実にオメカケさんをやっている。母親の死を束縛からの解放と感じ、戦争や破壊は嫌いだが破壊のあとに新しい何かが生まれると感じている。そして自分の中に母親の姿を見つけうんざりしている。彼女のあっけらかんとした、それでいて何かのんびりとした人生観は今の若い子に共通しているように感じる。「ニート」の意味がいまいち把握できていない。「パラサイト」とどう違うのか。彼女は「ニート」なのではないかと思うのだが・・・。でもオメカケさんという職業婦人だというのだから違うのだろうか。2005・12・1
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やはり『白痴』が印象的。どうしようもない状況や不甲斐ない自分を全部リセットしてくれるような偉大なる破壊。欲しくなるときあるよ。
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