蜘蛛の糸・地獄変 の商品レビュー
難しかったり、事前知識がないと理解できない話もあったが、解説なども見て「なるほど」と楽しめた。 普段小説を読まないのもあって、明示されてないけど汲み取って解釈するという習慣がなかったので、てとも刺激になった。
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カドフェス2021の中で最も価格が安かったため購入。 蜘蛛の糸は小学生時代に読書感想文を書くために読んでおり非常に懐かしかった。地獄変は読んだことはなかったが、高校時代に宇治拾遺物語の絵仏師良秀は読んでいたので、これまた懐かしく読めた。 個人的に気に入った話は犬と笛である。ストー...
カドフェス2021の中で最も価格が安かったため購入。 蜘蛛の糸は小学生時代に読書感想文を書くために読んでおり非常に懐かしかった。地獄変は読んだことはなかったが、高校時代に宇治拾遺物語の絵仏師良秀は読んでいたので、これまた懐かしく読めた。 個人的に気に入った話は犬と笛である。ストーリーが王道的で自分好みだった。逆に微妙だったのは袈裟と盛遠と枯野抄。前者は元ネタを知らなかったので物語に入っていけなかった。枯野抄は松尾芭蕉の弟子の知識が自分の中で乏しく、登場人物がかなり多くてこれまた話に入れなかった。
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『袈裟と盛遠』 --その後の三年間、なるほど己はあの女のことを忘れずにいたにちがいないが、もしその以前に己があの女の体を知っていたなら、それでもやはり忘れずに思いつづけていたであろうか。 生きていればそれなりに恋愛というものを経験するけれど、何年か後に振り返って記憶に残る人と残ら...
『袈裟と盛遠』 --その後の三年間、なるほど己はあの女のことを忘れずにいたにちがいないが、もしその以前に己があの女の体を知っていたなら、それでもやはり忘れずに思いつづけていたであろうか。 生きていればそれなりに恋愛というものを経験するけれど、何年か後に振り返って記憶に残る人と残らない人がいると思う。 その違いって、相手の事を全て知れたと思うか、じゃないだろうか。(もちろん他人である以上全て知るなんてのは不可能だけど、自己認識としての話) 有り体に言えば、ヤれた人よりもヤれなかった人の方が記憶に残るよねって話。 『蜘蛛の糸』 中学校?の国語の教科書に掲載されていたのを読んで以来、10年以上ぶりに読み返した。 地獄に落ちた悪人が生前に蜘蛛を殺さなかったから地獄から抜け出す蜘蛛の糸というチャンスを与えられたけど、それを独り占めしようとしたから糸が切れてしまったよという話。 授業では他人を蹴落とさなければ地獄から抜け出せれたのにね、これが勧善懲悪ってやつですね、みたいな解説された気がする。その読み方ももちろん間違ってはいないと思うけど・・・。 今回読み返して思ったのは、蜘蛛の糸が垂らされた理由の不自然さ。生前に蜘蛛を殺そうとしたけど命あるしな・・・って殺さなかったから、って理由だけど、その直前に殺人やら放火やらが書かれている。 殺そうとした→殺さなかったって、良い事なの?もしそうなら、例えばヤンキーがいじめられっ子を殴ろうとしたけど殴られたら痛いだろうなって殴らなかったら良い事になってしまう。 そう考えると、地獄に糸を垂らしたのはお釈迦様の単なる気まぐれに思えて仕方がない。
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シンガポールの紀伊国屋書店をぶらぶらしているときに、ふと目に留まって久しぶりに読みたくなった芥川龍之介。書店が少ないシンガポールでは、こういう衝動買いはなんか贅沢な気分を味わえる。 子供のころから、芥川作品は他の日本文学とは異なる空気感や鋭さを感じていました。本書の解説を読んで...
シンガポールの紀伊国屋書店をぶらぶらしているときに、ふと目に留まって久しぶりに読みたくなった芥川龍之介。書店が少ないシンガポールでは、こういう衝動買いはなんか贅沢な気分を味わえる。 子供のころから、芥川作品は他の日本文学とは異なる空気感や鋭さを感じていました。本書の解説を読んで、なるほどと気がついたことは、日本では私小説的な作品が主流だったところに、芥川作品はそうではなく、理念、虚構の文学といえること。大正時代の当時、主流派(自然主義)からの、芥川などの新技巧派への批判は相当だったようですね。 失敗作とされ、途中で書くのを止めてしまったという「邪宗門」が今回は気になりました。傑作とされる「地獄変」からの続きという位置づけで、恋愛ものっぽく始まったのに、途中からは俗っぽいバトルものの様相を呈するあたりで断筆。ちょっとワクワクし始めた場面だったので、この後どうするつもりだったのか、知りたい。。
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表紙とお値段に惹かれて買いました。あと、日本を代表する文豪の作品に触れたかったのもあります。 太宰治や江戸川乱歩も、私の中では(いい意味で)独特な表現をする人たちだと思いますが、芥川龍之介は・・・これまた個性爆発ですね。 ブログにて詳しいレビューしています* https://...
表紙とお値段に惹かれて買いました。あと、日本を代表する文豪の作品に触れたかったのもあります。 太宰治や江戸川乱歩も、私の中では(いい意味で)独特な表現をする人たちだと思いますが、芥川龍之介は・・・これまた個性爆発ですね。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2021/01/11/124032
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芥川の文章は無駄がなく、冬の夜みたいな冷たい美しさだと思う。 蜘蛛の糸は学生時代ぶりに読んだけど、あのころと良い意味で抱いた感想は変わらない。人によって感想がわかれそうだから読んだ感想や解釈を話し合うのも楽しいかも。 地獄変は人を魅了するものを造るには人でいることを手放さなければならないのか、いや手放さずにいたから造ることが(描くことが)できたのか自分でもこれだという考えがまとまらないけどそれが芥川作品の良さでもある。 毛利先生は心が苦しく、切なくなる。 人のことを愚かだと嘲ったあとに知るその人の本質。 誰かのことをわかった気になることほど浅はかなことはないよなあ。
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一番心に残っている作品は、「蜘蛛の糸」。慈悲の心=心の中の明るさだと思った。自分よりも他人が一番という優しい心を学べる作品。
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考えながら読む、ということが許されなかった。それほどに話に引き込む言葉選び、描写の仕方、構成。ただただ面白く、貪るように読み進めていきました。 解説を読んではじめて考察することができました。 これは一度だけでは考察しきれない作品だと思います。それほどに、お話の一つひとつが面白すぎ...
考えながら読む、ということが許されなかった。それほどに話に引き込む言葉選び、描写の仕方、構成。ただただ面白く、貪るように読み進めていきました。 解説を読んではじめて考察することができました。 これは一度だけでは考察しきれない作品だと思います。それほどに、お話の一つひとつが面白すぎるので。 蜘蛛の糸はずっと小さい、それこそ小学生のころに杜子春などと一緒に読んだ記憶がありますが、大人になってから読むとまた違った見方ができて面白いですね。 解説をうけて、確かにこれを子供に読ませるのは、酷いかもしれないなぁと思いました。あまりにも現実を突きつけすぎていますよね。ここから反省をして次に生かしていると知り、納得しました。 この本は、一度めは純粋にお話を楽しみながら読む。 二度めは芥川の考え、思いを推し量りながら読む。 二度だけではきっと足りないでしょう、何度も読むことで芥川の考え方を理解できると思いました。 すぐに2周目にいきたいところですが、ほかにも読みたい本がたくさんあるので、また後日、日を置いてから読んでみたいと思います。 でも、それでもまた「面白い!」と思って考えられないのかな…そんな気もしています。 芥川は芸術家ということが、この一冊からでもよく理解できました。本当におもしろかったです。
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見渡す限り真っ暗な地獄の底。その中でもがき苦しむ犍陀多の上に美しく輝く蜘蛛の糸が垂れてきた。遠い天上から伸びるこのひとすじの光をたどれば極楽にいける──? 犍陀多は糸をのぼり始めるが……(蜘蛛の糸)。見る者を惹き付ける地獄変の屛風。そこに描かれた灼熱の炎にもだえる女房の姿。愛娘を...
見渡す限り真っ暗な地獄の底。その中でもがき苦しむ犍陀多の上に美しく輝く蜘蛛の糸が垂れてきた。遠い天上から伸びるこのひとすじの光をたどれば極楽にいける──? 犍陀多は糸をのぼり始めるが……(蜘蛛の糸)。見る者を惹き付ける地獄変の屛風。そこに描かれた灼熱の炎にもだえる女房の姿。愛娘を犠牲にして芸術の完成を追求した絵師の末路とは……(地獄変)。表題作二作をはじめ、さまざまか題材を描いた計八篇を収録。
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短編集でクモの糸が入っている。地獄変では、娘を牛舎に入れて燃やしてしまう。絵のために。 毛利先生は、不器用ながら教えるのを生きがいにした先生の話。 犬と猫は欲がない主人公が家臣を助けて犬をもらい幸せになる話。 どの話も人間味があってよいと思う。
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