同行二人 の商品レビュー
絶版との事、古書でも中々出ず、あっても万するような本だとか、三島由紀夫氏が絶賛したとか色々触れ込みがあったのですが、たまたま数千円で見つけてエイッと買って読んでみました。 …この長さでこの濃厚さ。男しかいない潜水艦の中でその先に必ず訪れる死を見つめつつ精神と肉体の交合により自分た...
絶版との事、古書でも中々出ず、あっても万するような本だとか、三島由紀夫氏が絶賛したとか色々触れ込みがあったのですが、たまたま数千円で見つけてエイッと買って読んでみました。 …この長さでこの濃厚さ。男しかいない潜水艦の中でその先に必ず訪れる死を見つめつつ精神と肉体の交合により自分たちを慰撫する様な、その悲しくも美しい有様。三島由紀夫は好きだろうな~~~! 文章が良かった!若干、軍医の妄想が過ぎるんじゃないかと心配になりましたが坂田と稲田の描写に無駄がないのがとても良いです。いろいろ考えてしまいます…
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死の運命を背負う2人の青年。死を見つめる坂田とどうにかして生きて欲しいと思う稲田。緊迫感と混乱を感じた。混乱していても、死はやってくるわけであるし、、そんな心理状態のなかででてくるあの死に魅せられた微笑みとは、なんなのであろう。恐ろしい。
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三島由紀夫が「読みだしたら、やめられず、読後、しばらく打ちのめさて、仕事が手につかなくなった。小生が文学でやりたいと思ってきたことの全部が、ここで語られてしまったかもしれない、といふ痛恨の思いです」とただならぬ絶賛ぶりだったという作品。成る程、確かに三島好みの世界です。
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真珠湾攻撃の際に使用された特殊潜水艇乗組員にまつわるお話です。 三島由紀夫氏絶賛というのも頷ける世界観。 閉鎖された空間で帰還できる確率の低い作戦に携わる2人の軍人と 彼等を運ぶ潜水艦の士官の心理状態の描き方が印象的でした。 ストーリーの中心となる、特殊潜水艇乗組員の2人は、...
真珠湾攻撃の際に使用された特殊潜水艇乗組員にまつわるお話です。 三島由紀夫氏絶賛というのも頷ける世界観。 閉鎖された空間で帰還できる確率の低い作戦に携わる2人の軍人と 彼等を運ぶ潜水艦の士官の心理状態の描き方が印象的でした。 ストーリーの中心となる、特殊潜水艇乗組員の2人は、おそらく実在の人物をモデルに描かれていると思います。 そう考えると、ラストシーンの先に待ち受ける結末に涙。 すごく好きな作品です。
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入手に苦労した記憶。 特殊潜航艇というのはあんまり聞いたことがないのですが特攻兵器(回天とは違うのか)です。それに乗り込む隊員、その周囲の潜水艦内の人物などを軍医長の視点で描く。戦時に異常性というか独特の空気感を感じさせる。大部分潜水艦内が舞台なのでその閉塞感も大きいかも。三島由...
入手に苦労した記憶。 特殊潜航艇というのはあんまり聞いたことがないのですが特攻兵器(回天とは違うのか)です。それに乗り込む隊員、その周囲の潜水艦内の人物などを軍医長の視点で描く。戦時に異常性というか独特の空気感を感じさせる。大部分潜水艦内が舞台なのでその閉塞感も大きいかも。三島由紀夫絶賛というのもなんとなくわかる。 直接的なものはないけどどっか匂わせるというか…腐女子視点も働きます。
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