1,800円以上の注文で送料無料

科学の時代における理性 の商品レビュー

4

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2012/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

哲学が、わたしとはなにか、わたしに対するところの他者とはなにか、 世界とはなにか、学とはなにか、 つまり、「自己了解としての理解」を深める学問であるのに対し、 科学は自身がいったい何者であるかは問わない。 科学は自分自身がどのような意味を持つのかという問いを、それが重要な問いであるにも関わらず、 「数学的抽象になじまない問題であるから」「科学の確実を減ずるから」という理由で、 簡単に社会に丸投げしてしまう。 社会はすでに、科学を基礎とした単一の大企業体であり、 したがってそこから根本的な異議申し立ては生まれてこない。 ガダマーの疑念は、そのような学がはたして学問であると言えるのかということで、 原発事故の後だからこそ重く響く。 理系の研究者が読むべき本じゃまいかね、これ。

Posted byブクログ