街道をゆく(23) の商品レビュー
大航海時代の2大巨頭…
大航海時代の2大巨頭、スペインとポルトガルを日本では「南蛮」と呼称しました。カトリックの総本山・ローマ教皇の使命を受け、やがて英国が勃興するまで、両国の海の勇士達は世界を切取って植民地を拡げたのです。
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司馬遼太郎 街道をゆく 23 南蛮のみち2 スペイン、ポルトガル紀行文なのだが、ユダヤ人の凄さの方が 印象に残る。大航海時代に隆盛を極めたスペインを衰退させたのは ユダヤ人をスペインから追放したから としている。 著者が文献として取り上げた ディモント「ユダヤ人」を読んで...
司馬遼太郎 街道をゆく 23 南蛮のみち2 スペイン、ポルトガル紀行文なのだが、ユダヤ人の凄さの方が 印象に残る。大航海時代に隆盛を極めたスペインを衰退させたのは ユダヤ人をスペインから追放したから としている。 著者が文献として取り上げた ディモント「ユダヤ人」を読んでみたい その本によるとユダヤ人を次のように表現しているとのこと *ユダヤ人はずっと遅れて、あまり目立つことなく歴史に登場した *彼らは周囲の文明から文明へ渡り歩いた *建物も都市も軍隊も持たない。彼らが持っていたのは思想だけであったが、その思想は 世界中に広がった *しかし彼らが君臨することはなかった
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☆☆☆2019年2月レビュー☆☆☆ 司馬遼太郎氏の歴史紀行。 『南蛮のみちⅡ』は、スペイン・マドリードからポルトガル・リスボン、サグレス岬までの旅。 マドリード、トレドでは、フェリペ2世という愛すべき王への言及があった。 「リスボン特急」。司馬氏も述べているが「リスボン特急」と...
☆☆☆2019年2月レビュー☆☆☆ 司馬遼太郎氏の歴史紀行。 『南蛮のみちⅡ』は、スペイン・マドリードからポルトガル・リスボン、サグレス岬までの旅。 マドリード、トレドでは、フェリペ2世という愛すべき王への言及があった。 「リスボン特急」。司馬氏も述べているが「リスボン特急」という響きがいい。それだけで大いなるロマンを感じる。 ポルトガルでは、大航海時代に思いをはせる。多くの冒険者を大海へ送り出す礎を築いたエンリケ航海王子を高く評価している。エンリケ航海王子は、自ら航路に出ることはなかったが、海洋教育の設計者であり、航海策の立案者であり、推進者であった。彼の情熱が、世界を変えたといっても過言ではない。 スペイン、ポルトガルをこんな風に旅出来たらどんなにいいだろう。大陸の西の果てサグレス岬。『深夜特急』の著者である沢木耕太郎氏も訪れていたが、僕もいつかは行きたい。スペイン語の勉強をして、歴史のことももっと知って、いつかは行きたい。 「ともかくも、画伯(須田氏)は小石を捨てた。私どもの旅は、小石がサグレス岬のせまい地面に落ちたときにおわった」
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これもかなり以前に読み終わったもの。 面白かった。 司馬遼太郎さんの、旅行記というか、歴史を考えるエッセイ、とでもいうようなもの。 前巻に引き続き、フランシスコ・ザビエルの足跡を追って、彼の留学先のパリから、生地のバスクへ。そしてそこからスペイン、そしてポルトガルへ。 # ...
これもかなり以前に読み終わったもの。 面白かった。 司馬遼太郎さんの、旅行記というか、歴史を考えるエッセイ、とでもいうようなもの。 前巻に引き続き、フランシスコ・ザビエルの足跡を追って、彼の留学先のパリから、生地のバスクへ。そしてそこからスペイン、そしてポルトガルへ。 # 大航海時代に、恐ろしい技術&自然破壊による木造船建造&冒険心で、南米などに出かけていったスペイン人。 目もくらむような鮮やかな虐殺ぶりで、「草でも刈るように」現地の人間を殺し、略奪し、(言語文化まで破壊して、キリスト教を押しつけて)腰が抜けるくらいの巨万の富を手に入れた。そして「何でも買えば良い」状態になって、産業は衰退。むしろ、スペインにモノを売ったフランスやイギリスが産業国家の足腰を鍛えた。 そんな西洋史と日本史の交錯。天正遣欧使節団。そして秀吉や家康による、キリスト教の弾圧、鎖国。 鎖国というのも、スペインなどが南米ほかでやってきたことを考えると、賢明だったかも? 実際に、ポルトガルやスペインは、「事前協議」で日本の支配について相談していたし、多くの文献が、「なんだか、日本っていう国は、武装した階級の男たちがいて、これが結構強くて厄介なんだよね」と、侵略者側からすれば面食らったという状況を示しているらしい。 # 話は具体から抽象へ、個人から民族へ、過去から現在へ。 イスラムとヨーロッパの接するイベリア半島の数奇な運命。レコンキスタ。アジアからのモンゴル侵略の余波。紙の製造技術や森林伐採の功罪。めくるめくオモシロエッセイ、唯一無二。 日本語を理解咀嚼できることの喜びは、司馬遼太郎を原文で読めることだ、と言っても過言では無い。 ################ (本文より) 人間が集団を組んで異常な行動に出るとき、神とか平和とかといったように、およそその行為の実態とかけ離れた高貴なことばをかかげる。二十世紀に入って日本軍が中国を侵略したのも「平和のため」であり、ヴェトナム人がカンボディアを侵略したのも「正義」のためであったということを、後世、信じられるだろうか。 (本文より) イデオロギー的正義というおそろしいものをこの地上で発明したのは、やっつけられる側のイスラムではなく、十字軍以来のキリスト教の側であった。 ############## 現政権があと10年も続いたら、司馬遼太郎も村上春樹も禁じられる時代が来るのでは無かろうか。 今のうちに買っておかなくては。
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ポルトガルという国が何となく身近に感じたなぁ。ホントのところはよく分かりませんが、何処となくその属する地域の「極」に位置することからくる気恥ずかしさがあるんでしょうか?その地に住む人々には。 表紙の写真も何かこう独特の寂れ感があるかと。
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日本の戦国時代初頭、ポルトガル人はスペイン人のような大規模な悪業の事歴はない、元来がおだやかな民族で人口が少なかったことが考えられる。両国の征服事業について、互いの競争をさけるために地球を両国によって二分した。この境界線は西経四十六度三十七分を境に東はポルトガル、西はスペイン領...
日本の戦国時代初頭、ポルトガル人はスペイン人のような大規模な悪業の事歴はない、元来がおだやかな民族で人口が少なかったことが考えられる。両国の征服事業について、互いの競争をさけるために地球を両国によって二分した。この境界線は西経四十六度三十七分を境に東はポルトガル、西はスペイン領とした。日本の領有権を両国が主張するがローマ法王庁がポルトガルの独占権をみとめていた(P40~参照) もし、スペインが日本の独占権を取得していたならば南米のインディオたちのように大虐殺されるとまではいかなくても、当時の日本が大混乱をきたし、時代が大きく変わってしまったかもしれない。
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ヨーロッパには本当に縁遠い私だが、アラビアがイベリア半島を支配していたのにはびっくり。 だからアラブっぽい顔立ちがスペイン、ポルトガルには多いのか。 1巻はバスク人について、2巻はスペイン、ポルトガルについて。 過ぎ去った栄光をもつ両国の歴史の調べ。
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前巻をまるっとバスクに費やしたせいか本巻はスペイン・ポルトガル横断を駆け足で。かつて世界の歴史を変えたほどの二大海洋帝国となりえたのはイスラム勢力のおかげだった。レコンキスタでキリスト勢力が盛り返してから、この両国は衰退を始める。キリスト世界よりイスラム世界のほうが進んでいた時代...
前巻をまるっとバスクに費やしたせいか本巻はスペイン・ポルトガル横断を駆け足で。かつて世界の歴史を変えたほどの二大海洋帝国となりえたのはイスラム勢力のおかげだった。レコンキスタでキリスト勢力が盛り返してから、この両国は衰退を始める。キリスト世界よりイスラム世界のほうが進んでいた時代があったというのは新鮮な驚き。
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前作のバスク地方に続き、スペイン、ポルトガルを訪ねる「南蛮のみち」。赤茶けた大地に息づくかつての栄華の名残をアラビア、レコンキスタ、植民地支配などさまざまな視点から描き出す博識ぶりには毎回感心させられる。かつて「日の沈まぬ帝国」と称えられた二大海洋王国がなぜ繁栄し、そして没落して...
前作のバスク地方に続き、スペイン、ポルトガルを訪ねる「南蛮のみち」。赤茶けた大地に息づくかつての栄華の名残をアラビア、レコンキスタ、植民地支配などさまざまな視点から描き出す博識ぶりには毎回感心させられる。かつて「日の沈まぬ帝国」と称えられた二大海洋王国がなぜ繁栄し、そして没落していったのか?というテーマを東洋の旅人の視点から語っている。天正遣欧使節など日本と南蛮との深い関わりについても触れられていて、外国を訪ねると司馬氏が常に文化交流に深い関心を持っていた事がよくわかる。以前訪ねたスペイン・ポルトガルの景色が目の前に浮かんでくるようで非常に懐かしかった。いつも思うがこれを先に読んでいれば違った見方ができただろうに…と悔やまれる(苦笑)
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あくまでも自分の興味のある点にこだわる司馬さんのたびのスタイルは、通常の紀行文とは一線を画す。ガイドブック代わりの一冊にはならないが旅について深く考えさせてくれる一冊
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