鬼の研究 の商品レビュー
鬼とはなんて哀しく、激しい存在なのだろう。 学生時代、歌人である馬場あき子さんがどのような方かも知らずに、なんとなく図書館で借りて読んだのが運命の出会いでした――と大袈裟に言いたくなるほど、印象深い本でした。
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中古~中世史を学んでいた大学時代に、古典や民俗学にも興味があって読んでみた。 馬場さんは二冊めなので、内容への安心感もあったのを覚えている。 記紀の時代に始まり近世へと、日本の鬼を時代とともに追っていく。 その存在の変容に時代の影響が表れていてとても面白かった。 文体は平易なの...
中古~中世史を学んでいた大学時代に、古典や民俗学にも興味があって読んでみた。 馬場さんは二冊めなので、内容への安心感もあったのを覚えている。 記紀の時代に始まり近世へと、日本の鬼を時代とともに追っていく。 その存在の変容に時代の影響が表れていてとても面白かった。 文体は平易なので、内容に興味があれば手にとって欲しい。
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古文の引用が多く、不勉強なものでいちいちそこに引っ掛かって、随分と読むのに時間が掛かった上、半分も理解出来たかどうか。 それに能を知っていればもっと面白く読めたんだろうなと思う。 でも元々“鬼”にはとても興味があるので、理解出来たとは言い難いが、自分なりに楽しんで読めた。
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鬼について、色々な視点から まさに「鬼の研究」 能の「小面」と「般若」は表裏一体であり、「小面」のほほえみは「般若」を内包している という筆者の主張を面白く感じた 能のことはなんにもわからないんですが…… そう思ってみると、小面の表情も、なんだかさみしげとい...
鬼について、色々な視点から まさに「鬼の研究」 能の「小面」と「般若」は表裏一体であり、「小面」のほほえみは「般若」を内包している という筆者の主張を面白く感じた 能のことはなんにもわからないんですが…… そう思ってみると、小面の表情も、なんだかさみしげというか、狂気を含んでいそうというか 鬼が生まれざるを得なかった環境 人間的な美しい感情 社会の構造の変化によって性質を変える鬼 古典の教養は大学受験程度の私でも、面白く読めました しかし、やはり古典常識、古典芸能、民話・伝承…… 自分の知識のなさを思い知りました これから勉強していきたいです
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生成り姫の元になっている鉄輪のお話、切ないなぁ。 鬼になる逸話の大半は女の恋慕から、というのが何とも激しい。
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持っているのは三一書房版の箱入りハードカバー。文庫が出ているのは知っていたが、取っておく本なのでハードカバーで。 歌人馬場あき子の日本の鬼に関する総論及び分析。 古典に通じている馬場あき子らしく、伝承から創作、歴史の中で貶められた人々まで、縦横無尽に論じた本。 大変読み応えのある...
持っているのは三一書房版の箱入りハードカバー。文庫が出ているのは知っていたが、取っておく本なのでハードカバーで。 歌人馬場あき子の日本の鬼に関する総論及び分析。 古典に通じている馬場あき子らしく、伝承から創作、歴史の中で貶められた人々まで、縦横無尽に論じた本。 大変読み応えのあるエキサイティングな内容。 黒を基本とした装丁、遊び紙の金で描かれた鬼の絵など、大変素敵です。鬼の本に虫めずる姫が出て来るとは思わなんだ。
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古典、そして女流作家としての作者らしさが表れた美しい文体と洗練された感性から書かれた、恐ろしくも美しい【鬼】の物語。 唯のエッセイではなく、タイトル通り「研究」された作品は、ただただ凄いと思った。 これは、面白い。
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ひゃー。さすがに複数の方に勧められただけはある! おもしろい! 日本人にとっての鬼とは。宗教、文化、民俗学――あまたの分野にわたってとかれる「鬼」とはなにか。読んでて飽きません。
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