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プロタゴラス の商品レビュー

3.9

28件のお客様レビュー

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プラトン得意の対話編…

プラトン得意の対話編です。テーマは「徳ははたして人に教えられるものか否か?」です。プラトンのイデア論(あらゆるものには本質(イデア)があって(という前提)、それを探求するのが哲学である)が対話方式でわかりやすく展開されます。ちなみに、プロタゴラスとは、当代随一と仰がれるソフィスト...

プラトン得意の対話編です。テーマは「徳ははたして人に教えられるものか否か?」です。プラトンのイデア論(あらゆるものには本質(イデア)があって(という前提)、それを探求するのが哲学である)が対話方式でわかりやすく展開されます。ちなみに、プロタゴラスとは、当代随一と仰がれるソフィストの長老プロタゴラスのことです。

文庫OFF

徳は教えられるかをテ…

徳は教えられるかをテーマに、プロタゴラスと対話するソクラテス。対話に入る前、あるいは入ってからの描写が面白いです。教育者=ソフィストに対する批判の書です。

文庫OFF

2024/08/29

プロタゴスとソクラテスとの対話。 徳について。  現ナマを出せば教えられるプロタゴス。 それに驚くソクラテス。 後半のソクラテスの発言掴みきれない。

Posted byブクログ

2024/01/30

プラトンの描くプロタゴラスがどの程度実際の彼を再現しているのかは知らない。だけど、「人間は万物の尺度である」という命題で知られる相対主義者のプロタゴラスが「徳は教えられる」と主張し、より客観的な善を認めていそうなソクラテスが「徳は教えられない」と主張するのは、なんだか逆説的な感じ...

プラトンの描くプロタゴラスがどの程度実際の彼を再現しているのかは知らない。だけど、「人間は万物の尺度である」という命題で知られる相対主義者のプロタゴラスが「徳は教えられる」と主張し、より客観的な善を認めていそうなソクラテスが「徳は教えられない」と主張するのは、なんだか逆説的な感じがした。 そして、徳が人間的なものだからこそ、技術などと同じく、才能の影響を受けつつ、教育可能であるというプロタゴラスの序盤の主張が、本書の主張では最も妥当であるように思われる。対して、(かなり穴のある)誘導尋問で不合理な結論をあえて導こうとするソクラテスのほうがよほど相対主義的な詭弁家に見えるのはなんとも皮肉である。 しかも、ソクラテスとプロタゴラスの双方が、当初の主張と逆の結論に帰着するという奇妙な終幕を迎える。「徳」について、ソクラテスは「徳」とは「知ること」であるという一元論であり、プロタゴラスは徳といくつかの要素からなるという多元論である、というのが根本的な対立であった。だが、ソクラテスが「善=快楽」と捉えた上で、知をその快楽を適切に測る手段のように位置づけているのは、プラトンやソクラテスの本書以外立場からすると違和感を覚える。また、社会レベルでの善(徳や正義)と個人レベルでの善(快楽)の区別をしないことによって、議論に混乱が生じているようにも思えた。   「快い、ならば、善」という命題が、「立派で善い、ならば、快い」にすり替えられる箇所なんかは、ツッコミどころ。また、主張の矛盾は言葉の使い方(定義)の問題に思える。たとえば、「勇気」について、プロタゴラスは「恐怖や不安を退けて行動する意思」(事実的な勇気)くらいで用いているのに対して、ソクラテスは「恐ろしいものと恐ろしくないものに関する知恵」(規範的な勇気)のニュアンスで用いているように思う。                                                                         また、自明視されている概念も突き詰めれば不分明でよく判らないがその判らないという自覚は持つべきである(無知の知)という、ソクラテスの基本姿勢をみることができたのは収穫である。だけど、彼の誘導の過程自体にも通俗的な概念の自明視が多分に含まれているし、議論全体があまり実りのあるものとは思えなかった。ただ、お互いが敬意を払っている感じはいいね。

Posted byブクログ

2023/02/25

プロタゴラスとソクラテスの押し問答は本書の見どころですが、やはり1つのセリフが長いので理解するのに苦労します。

Posted byブクログ

2021/09/08

懲罰は何を意味するか(324B) 二人してともに道行けば(348D) 必要条件と十分条件(350C)

Posted byブクログ

2021/11/21

10月から朝日カルチャーセンター横浜で、精読講義の機会を得た。 自分の力量では講義を傾聴するだけで精一杯だが、毎回、とても面白い(講師納富先生に多謝)。 折しも、日本のアカデミーと言われる『日本学術会議』をめぐり、世論が沸いた。 この対話編での問いかけをより身近に受けとめること...

10月から朝日カルチャーセンター横浜で、精読講義の機会を得た。 自分の力量では講義を傾聴するだけで精一杯だが、毎回、とても面白い(講師納富先生に多謝)。 折しも、日本のアカデミーと言われる『日本学術会議』をめぐり、世論が沸いた。 この対話編での問いかけをより身近に受けとめることができた。 ”知らないこと”を知る=教育を受けるためには、”蛮勇”が必要ではないだろうか ”教育”には、形式的にも本質的にも異なる、数多くの方法をがあるだろう ”学問の自由”と教育の非労働性、無償性が交差する点はあるだろうか ルソー「エミール」、カント「啓蒙について」、Mウェーバー「職業としての学問」、デリダ「条件なき大学」をあわせて読み返しながら、今回こそ最後まで受講したい。

Posted byブクログ

2017/04/30

哲学カフェ=ソクラテス・カフェをファシリテートしてみたい。 という目的のもと、イデア論に染まる前のプラトン、つまり、対話篇の主人公であるソクラテスが、現実に近い形で描かれているとされる初期プラトン作品をまとめ読みすることとする。その1冊目。 「徳は教える事ができるのか」と...

哲学カフェ=ソクラテス・カフェをファシリテートしてみたい。 という目的のもと、イデア論に染まる前のプラトン、つまり、対話篇の主人公であるソクラテスが、現実に近い形で描かれているとされる初期プラトン作品をまとめ読みすることとする。その1冊目。 「徳は教える事ができるのか」というお題について、ソクラテスとソフィストの代表プロタゴスが手に汗握る知的言論バトルを繰り広げる。 「お金をとって、徳を教える、なんぞ、許しておけねー」的な調子で、プロタゴラスのところに向かうソクラテスなのだが、このプロタゴラスさん、結構、真っ当な人で、ちゃんとごもっともな説を述べる。 対して、これを突き崩そうとするソクラテスのほうが、やや詭弁ぎみで、ときどき論理が飛躍する。で、そこはさすが、ソフィストのプロタゴラスさん、論理の飛躍を指摘する。 プロタゴラスさんが、長い弁舌をふるうと、ソクラテスは、「立派だが、長過ぎて、分かりにくい。もっと端的に答えよ」なんて、言うのだが、あろうことか、自分も本題とは関係ないところで、ながながと詩文の解釈を披露したりする。 結構、プロタゴラスの主張のほうが常識的で、共感を持てて、ソクラテスの主張と論の進め方のほうが、なんか感じ悪かったりする。 で、最後は、ソクラテスが、お互いに最初に議論をスタートした時点と逆の立場を主張する形になっていることを指摘して、おしまい。 ということは、ソクラテスの感じの悪い詭弁は、ソフィストのパロディだったわけ???? ここで議論されている内容が何なのか、作者の意図は何なのかは、分かりにくいのだけど、この本、アテネにおける哲学的な議論の場をライブに切り取ったものとして、すごく面白いと思う。 プラトンの「国家」を以前に読んで、ソクラテスの論説に対して、"yes", "no"しか言わない他の対話の参加者の影の薄さが気になっていたので、このライブな「対話の場」の描写は、私の目的にはとてもフィットしていた。

Posted byブクログ

2016/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

プラトン『プロタゴラス』 ・徳は教えられるか。 ソフィスト、徳は教えられるものとして、お金を得て人に教える人々。だが、徳とは何かという肝心なことには触れない。

Posted byブクログ

2015/08/15

ギリシャのソクラテスと、ソフィストであるプロタゴラスによる、「徳」とは何か、徳とは教えられるのか、というテーマの議論を収めたものである。特にソクラテスの主張内容が非常に理屈っぽく、理解しにくい。非常に筋の通った主張であることは分かるのだが、テーマが難しいだけに難しい。ソクラテスの...

ギリシャのソクラテスと、ソフィストであるプロタゴラスによる、「徳」とは何か、徳とは教えられるのか、というテーマの議論を収めたものである。特にソクラテスの主張内容が非常に理屈っぽく、理解しにくい。非常に筋の通った主張であることは分かるのだが、テーマが難しいだけに難しい。ソクラテスのこうした主張を面白いと感じられるならば読んで楽しめるだろうが、そうでないと、単なる屁理屈の押収としか見えないかもしれない。私はどちらかと言うと後者だった。ただし、この書籍を通じてソフィストという当時の教育者達に興味を持つようになるかもしれない。私も、彼らの思想には大変興味を持った。

Posted byブクログ