フーリガン の商品レビュー
ハメットへのオマージュとして作者自身が位置付けている1984年発表作。ベースは「赤い収穫」だが、単純な焼き直しではなく、全体的な趣きは随分と異なる。恐らく、停滞したハードボイルドへのディールなりのアプローチなのだろう。 主人公は、FBI特別捜査官ジェイク・キルマー。地方都市デュー...
ハメットへのオマージュとして作者自身が位置付けている1984年発表作。ベースは「赤い収穫」だが、単純な焼き直しではなく、全体的な趣きは随分と異なる。恐らく、停滞したハードボイルドへのディールなりのアプローチなのだろう。 主人公は、FBI特別捜査官ジェイク・キルマー。地方都市デューンタウンに、実体を隠したまま新たな縄張りを求めて侵攻したマフィア。ギャンブル、高利貸し、売春、麻薬など、ピラミッド型に組織化された巨大結社だったが、或る日を境に、各部門の元締めや幹部らが、自宅や街中で次々と殺されていく。殺害方法は多様で残忍。真っ先に地元ギャングの名が上がるが、内部抗争の線も捨て切れなかった。キルマーは、対抗するために地元警察の特捜班と組んで対抗するが、彼らはならず者(フーリガン)に等しい集団だった。 躍動感に満ちた活劇の中に感傷に満ちた情景を織り交ぜ、ディール独自の世界観を構築している。スピーディーな展開を重視、デティールを積み重ね、骨太で分厚い物語に仕上がっているが、やや殺伐とした印象も残る。ストレートにマフィアとフーリガンの闘いを描くのではなく、正体不明の殺人者を絡めることで、プロットに捻りを加えており、曲者ディールならではの魅力に溢れた作品だ。
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映画「フーリガン」の原作と勘違いして借りた本。80年代半ばに書かれた本らしく、最近の文章に慣れてしまっている自分としては文章表現がとっつきにくいと感じた。読みにくいため、途中で投げだしそうになった。返却しようと思ったが、中盤以降になって下品なジョークと勢いにまかせたストーリーが...
映画「フーリガン」の原作と勘違いして借りた本。80年代半ばに書かれた本らしく、最近の文章に慣れてしまっている自分としては文章表現がとっつきにくいと感じた。読みにくいため、途中で投げだしそうになった。返却しようと思ったが、中盤以降になって下品なジョークと勢いにまかせたストーリーが格好良く感じられ最後まで読んでしまった。 ストーリーは青年期に過ごした街に数十年ぶりに戻ってきたマフィア専門の捜査官”ジェイク・キルマーがフーリガンと協力しながら、街を蝕む犯罪結社の捜査に乗り出すというもの。ちなみにフーリガンとは作中に登場する対マフィア特捜班たちの呼び名だ。地元のならずもののような風貌のメンツが多いためフーリガンと仇名されているとのことだ。昔見た映画”アンタッチャブル”と”48時間”のようなノリで読めてテンションが上がった。
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