ブーン の商品レビュー

Jr.ブーン・ピケンズT.【著】,相原真理子【訳】

2009/10/04

小糸製作所に敵対的買収をしかけたことで有名なブーン・ピケンズ氏の自伝である。ブーン氏はもともと石油大手のフィリップス社に地質専門家として入社しつつも、大企業病に嫌気がさして独立で石油会社を立ち上げた人物だ。その石油会社が軌道に載ったあと、効率的に経営する観点から油田開発よりも非効率な会社を買収するほうが良いと判断して買収に乗り出す。当時のブーン氏が今のＰＥファンドと違うところは、彼はもともと実業家であったところだ。日本電産の永守社長に似ている感じだ。この本を読むとＬＢＯは本来、どのような場面でどのような目的でなされるべきか、すなわちいいディールとは何かを考える指針を与えてくれる。