私の浅草 の商品レビュー
沢村貞子の少女時代の…
沢村貞子の少女時代の、生き生きとした浅草の思い出。粋で活気があって、ノスタルジックな気持になります。
文庫OFF
1996年に亡くなった役者・沢村貞子が、生まれ育った浅草の風物、 家族の思い出等、下町の暮らしを綴ったエッセイである。 なんだろう、この人の文章の上手さは。気のきいた言い回しなどない のだが、すーっと気持ちに入って来るのだ。 下町の、貧しいけれども身の丈にあった暮らしを精一杯...
1996年に亡くなった役者・沢村貞子が、生まれ育った浅草の風物、 家族の思い出等、下町の暮らしを綴ったエッセイである。 なんだろう、この人の文章の上手さは。気のきいた言い回しなどない のだが、すーっと気持ちに入って来るのだ。 下町の、貧しいけれども身の丈にあった暮らしを精一杯生きた人々の 記憶でもある。ほろりとさせられる話もあるが、全編温かい気持ちが 伝わって来る。 ほんの少しいたんでいるみかんを「あたりみかん」なんて言うの、 いいねぇ。 読みながら大笑いしたり、ニヤニヤさせられたりする本はあるが、 本書は知らず知らずににっこりさせてくれる。 こんなエッセイを書ける人は、本業の文筆家でも少ないのではない だろうか。
Posted by
2ページから長くても5,6ページ程度。 出てくる人々がみな、生き生きとしている。 エッセイということだけれど、「パン屋のしろちゃん」や「秋田の女」などなど、それぞれが小説のようなひとつの「お話」として成り立ちそう。 白粉、物売り、髷、芝居に祭り、年中行事…。 古きよき浅草の、風...
2ページから長くても5,6ページ程度。 出てくる人々がみな、生き生きとしている。 エッセイということだけれど、「パン屋のしろちゃん」や「秋田の女」などなど、それぞれが小説のようなひとつの「お話」として成り立ちそう。 白粉、物売り、髷、芝居に祭り、年中行事…。 古きよき浅草の、風情や情緒に包まれてた1冊。 あの沢村さんの、つややかだけどしゃんとされた姿のもとは、ここにあるのかもしれないと思った。
Posted by
現在まで版を重ね続けるベスト・セラー。著者が幼少期を送った浅草の日常が、生き生きとした筆致で語られている。単なる回想記などにとどまらない、普遍的な魅力を持っている本。
Posted by
- 1