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二つの祖国(下) の商品レビュー

4.4

31件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2017/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ようやく読了。長かった。 しかし、いち日本人として、読んでおいて損の無い一作だったことは間違いなし。 ★3つ、7ポイント半。 2017.09.18.図。 ※下巻を読んでる最中に原爆ドームを訪れることになるというタイムリーさに、話の重みが倍増した。 ※(作中でも記述はあるが) 東京裁判で散っていった男達の悲運には同情し、散り際の潔さは立派だったと思う。 しかし、 例え「戦勝国による報復裁判」であろうと、自分の主張をある程度以上主張出来、家族との別れも済ませ覚悟を決めて死刑台に立つことのできた彼らは・・・・・ 国からの紙見れ一枚で召集され遠い異国で若い命を散らし、妻や子や親元には骨一本も届けられなかった幾千幾万もの命たちと比べれば、やはり数段恵まれていたのだろうと思われる。 日本の国を守るため、という言い分も分かる。 しかし、、、ね、、、と。

Posted byブクログ

2015/12/23

ものすごく難しいテーマ。 昔は外国人が珍しかったはずだし、日本人って(自分も含むが)知らないものを怖がるというか、率先して受け入れるのが苦手なんですね。 当時のことは伝聞でしか知らない世代ですが、今はどんどん外国人の方が日本を訪問され、また居住され、同じ職場、同じ学校でともに過ご...

ものすごく難しいテーマ。 昔は外国人が珍しかったはずだし、日本人って(自分も含むが)知らないものを怖がるというか、率先して受け入れるのが苦手なんですね。 当時のことは伝聞でしか知らない世代ですが、今はどんどん外国人の方が日本を訪問され、また居住され、同じ職場、同じ学校でともに過ごすことが増えています。 なのでもっともっと受け入れる度量は大きくなってるだろうなと思います。 今回のテーマは日系二世が太平洋戦争に突入した時に、アメリカではどんなことが行われ、 また日本においてはどうだったか、どちらの国にいても敵国の人だという風に見られ、自国の人とは差別を受けたのだそうです。 それでも父なる国、母なる国と双方の国を思い、自身ができる最善解を見つけ出そうと努力する、素敵な日本像が描かれています。 東京裁判ということも言葉は知っていますが、こんなに長い歳月を掛けて、いろんな言葉に翻訳されて、戦勝国の都合の良い形になっている部分もあるとは思いますが、何とかけじめをつけて戦後復興に踏み出したのだとわかりました。 日本人としてもっと知っておくべきだと思いますが、なかなか興味を持つのが難しい。私自身も年齢を経てからようやくこの分野に興味を持ちましたし。若い子達にもどうすれば知ってもらえるのだろうか?という部分もありますが、この本なんかは最適ではないかなと思います。 中学生には早いかもしれませんが、息子にも読ませてみようかな。ー

Posted byブクログ

2015/07/01

ブログに書きました。https://mietan.wordpress.com/2015/06/30/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E8%B1%8A%E5%AD%90%E8%91%97%E3%80%8C%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%A5%96...

ブログに書きました。https://mietan.wordpress.com/2015/06/30/%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E8%B1%8A%E5%AD%90%E8%91%97%E3%80%8C%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%A5%96%E5%9B%BD%E3%80%8D%E3%82%92%E8%AA%AD%E3%82%93%E3%81%A7/

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2014/10/08

考えさせられる。 愛国心がない国で産まれ、育ったからこそ心に響きます。 戦国時代の武士、江戸時代の侍、明治時代の志士、高度経済成長期のサラリーマンしかり自分の帰属する組織が自分のアイデンティティーになった時代があったのだなぁ。 そして現代にはなぜそれがあまりないのだろう。 良...

考えさせられる。 愛国心がない国で産まれ、育ったからこそ心に響きます。 戦国時代の武士、江戸時代の侍、明治時代の志士、高度経済成長期のサラリーマンしかり自分の帰属する組織が自分のアイデンティティーになった時代があったのだなぁ。 そして現代にはなぜそれがあまりないのだろう。 良きも悪きも含め、自分の命をかけて信じられる、また命を左右するアイデンティティーや信念がある人たちの話は素敵です。 きっとそう感じてしまうのはいまの自分にないからなんだろうな。

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2014/06/03

「鳥の将に死なんとする其の鳴くや哀し。人の将に死なんとする其の言ふや善し。」 死を覚悟し従容たる態度で証人台に臨む被告の様様子。 アメリカと日本、二つの祖国の狭間で揺れる日系二世を主人公とした長編小説の完結。物語そのものもさることながら、これだけ緻密に戦中戦後を描写した山崎豊子先...

「鳥の将に死なんとする其の鳴くや哀し。人の将に死なんとする其の言ふや善し。」 死を覚悟し従容たる態度で証人台に臨む被告の様様子。 アメリカと日本、二つの祖国の狭間で揺れる日系二世を主人公とした長編小説の完結。物語そのものもさることながら、これだけ緻密に戦中戦後を描写した山崎豊子先生の取材力は圧巻。 あとがきにもあったように、特に東京裁判で戦犯として裁かれる被告と弁護人、検事、通訳、モニターの描写は将に主人公の置かれた状況の如く重いプレッシャーを感じられていたようだ。上中下巻の内半分近くが軍事裁判で占められ、被告一人一人描かれている。 (読むのはとても疲れる...) 移民先での人種差別、真珠湾攻撃、強制収容所での生活、語学兵としての戦線活動、原爆、東京裁判。 アメリカ国籍をもっていた日系二世の梛子が原爆症で死ぬ時の「私はアメリカの敵だったのか」という言葉。 アメリカの正義と公平性を信じ忠実に職務を全うしたにも関わらず、日系二世であるが故に常にアメリカへの忠誠心を疑われ続けた主人公の「私には祖国を見つけられなかった」という言葉。 敗戦国として裁かれるとはいえ、証人台に臨むことで法廷記録を残す、後世に見直されるべき証言を残す意味。 改めて日本の歩んできた近現代の重さをかみ締める。

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2014/01/14

大長編、読むのに非常に時間がかかった。 東京裁判の様子は詳しく、冗長とも思えるほど。 しかし、この東京裁判の描写は、ここだけでも読んでよかったと思えるものであった。 端的な感想は言えないほどの重量感。

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2014/01/09

二次世界大戦が始まり、アメリカ在住の日系一世、二世の家族、アメリカにつくか、日本につくかで別れ、家族同士でも解り合えない辛さを書く。 その後、二世の主人公は最愛の人も被爆してしまう「原爆」の後対応、日本人が戦犯として裁かれる「東京裁判」の裁判モニターとして日本とアメリカの間で苦悩...

二次世界大戦が始まり、アメリカ在住の日系一世、二世の家族、アメリカにつくか、日本につくかで別れ、家族同士でも解り合えない辛さを書く。 その後、二世の主人公は最愛の人も被爆してしまう「原爆」の後対応、日本人が戦犯として裁かれる「東京裁判」の裁判モニターとして日本とアメリカの間で苦悩する。 第二時大戦を日系二世の視点で書いた著者の力作。 二世にはこのような苦労があったのだな、また二次大戦の事を改めて知る。 この著者の本に共通する正義感が強く、粘り強くタフだが、人間味に溢れ葛藤をする主人公の生きざまが胸に来る。 自分の正義を曲げない勇気と、困難なことにも負けないタフさを教わる。 何が主人公の原動力なのだろうか?私は「国」と言うものに、多くを期待していないので、「国に裏切られることのショックさ」と言う感覚がよくわからない。 強い使命感がそうさせ、私には足りないところなのだろうか。 前例のない国際刑事法廷での「事後法」により訴訟が提起され、また連合国側の戦争犯罪は裁かれず、この「裁判」は勝利国側の報復であると言う意見。

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2012/08/18

再読。 父なる国アメリカ、母なる国日本のために忠義を尽くした主人公・天羽賢治のあまりにも悲しい最期。報われない。 2012.8.17

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2012/03/29

東京裁判がクライマックスを迎え、主人公の人生も大きく転回します。 誠実に生きようとした主人公が、東京裁判の理不尽さに直面し、さらに父祖の国の日本と、忠誠を誓っていたはずの米国、双方から厳しい試練を受けます。 チャーリーや忠、と比べると、まじめすぎた印象の賢二ですが、そのラスト...

東京裁判がクライマックスを迎え、主人公の人生も大きく転回します。 誠実に生きようとした主人公が、東京裁判の理不尽さに直面し、さらに父祖の国の日本と、忠誠を誓っていたはずの米国、双方から厳しい試練を受けます。 チャーリーや忠、と比べると、まじめすぎた印象の賢二ですが、そのラストはどう締めくくられるのか。 どう生きるべきなのか、ちょっと考えさせられました。

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2012/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終戦。 日本を占領した米軍を中心とする連合軍は 戦犯を裁く為に東京裁判を開始した。 それははっきりと復讐裁判であった。 モニターとして裁判の通訳に関わる事になった主人公は またもや二つの祖国の間で激しく苦悩する。 恋人の被爆、家庭の崩壊、前線で邂逅した弟からの憎悪。 二つの祖国を愛するがゆえの苦悩が、次第に彼の心を蝕んでいく。 よき人間であろうとするほどに、苦悩し、追い込まれていく。 戦争という異常な状況が、人間の醜い心を 顕わにしていくのだろうか。 簡単に戦争が悪いとは片付けられない、人間の本質的な 悪しき心を、作者はじっくりと見つめ、 描いているような気がする。 結末は、こうせざるを得なかったのかもしれない。 重く哀しい物語であった。

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