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知への意志 の商品レビュー

4.2

11件のお客様レビュー

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2024/06/17

凄かったなぁ。 私達は性にまつわる言説が抑圧されているとばかり思ってきたけど、実際はむしろその逆で、人間を生きながらえさせ自らを増殖させる「生権力」により言説が煽動されているらしい。抑圧言説は性的欲望装置の域を出ないという指摘にギクリ。 知と権力と欲望は、リゾーム状に複雑に絡み合...

凄かったなぁ。 私達は性にまつわる言説が抑圧されているとばかり思ってきたけど、実際はむしろその逆で、人間を生きながらえさせ自らを増殖させる「生権力」により言説が煽動されているらしい。抑圧言説は性的欲望装置の域を出ないという指摘にギクリ。 知と権力と欲望は、リゾーム状に複雑に絡み合い、現実世界で機能しているのであり、支配-被支配という単純な二項対立で世界が成立しているわけではないのである。その他人口の概念なども興味深い。5章の血と性的欲望の話は、サドやバタイユへのクリティカルな批判となっており、すごい。 ここまで読んでフーコーがどういう生き方を目指しているのか気になった。

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2022/02/10

いや知恵熱しか出なかった。 最後の一文でさらに「う〜ん」となってしまった。 フーコーの入門書読んで再読します。

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2022/01/02

性の歴史Ⅳの『肉の告白』が出版されたこともあり、性の歴史を改めて読むことにした。先日亡くなった渡辺守章先生の訳書でもあり、その点でも感慨深い。 渡辺守章先生も訳者あとがきで言及されているように、フーコーが明らかにしようとしている性をめぐる言説が、ドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイ...

性の歴史Ⅳの『肉の告白』が出版されたこともあり、性の歴史を改めて読むことにした。先日亡くなった渡辺守章先生の訳書でもあり、その点でも感慨深い。 渡辺守章先生も訳者あとがきで言及されているように、フーコーが明らかにしようとしている性をめぐる言説が、ドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』を意識していることが伺えるし、リゾームのような形態をとっているのだということも理解できる。 このフーコーの言説をどのように現代社会に活かすのか、アクチュアリティを持たせるのかは現代を生きる我々の課題なのだと思う。

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2022/08/15

フーコーは、死の直前に「性の歴史」の第2巻と3巻を発表し、最終巻の「肉の告白」の完成を目前にしてそれを果たせずになくなってしまった。その原稿は、「開けてはならない」箱に保存されたのだが、フーコーの死後十分な時間がたったということか、今年、ついに発表された。 ということは、近いう...

フーコーは、死の直前に「性の歴史」の第2巻と3巻を発表し、最終巻の「肉の告白」の完成を目前にしてそれを果たせずになくなってしまった。その原稿は、「開けてはならない」箱に保存されたのだが、フーコーの死後十分な時間がたったということか、今年、ついに発表された。 ということは、近いうちにその翻訳版がでるに違いないので、そこに向けて、1巻を再読し、長年読もうと思いつつ、読んでなかった「性の歴史」の2〜3巻を読むことにした。 さて、その第1巻「知への意思」は、1976年に発表されていたのだが、翻訳版は1986年とかなり遅れている。 当時、待望の翻訳みたいな感じで、わたしも読んだ。 そのときの印象は、「フーコーとしては、結構、わかりやすいね」というものと、「面白いけど、ここまで言っちゃうと、お先真っ暗で、なんか希望ないな〜」というものだった。 あらためて、読んでみて、30年くらいに前に、なぜ私が「わかりやすい」と思ったのか、全く不明で、かなり難しい。 とくに、「◯◯ということではない」みたいな文章が多くて、◯◯というところは、わたしがきっとそういうことだよね、と思ってしまうことが入っていて、ことごとく私の先読みを否定されていく感じ。 となかなかに手強い本で、理解からはとても遠いのだが、ここにまさに私が最近問題としていたことが、ぎゅっと圧縮されて、書いてあるという感じがした。 つまり、私はなにものであるか、という素朴な実在論的な問いがあって、それは社会の抑圧によって隠されている。が、真実を知れば、人は解放されて、自由になることができるという物語。 だが、そこに気づいて、そこから解放されるというのも、同じディスコースの内側のヴァリエーションに過ぎないわけで、そこに出口なしの悩みがある。 というわけで、第2巻と3巻にこのままのいきおいで、読み進めることにする。

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2015/12/26

生権力の概念をコンパクトに展開した章が白眉。史料考証は抑えてあるものの、フーコーの統治性論のエッセンスが示されてある。同氏の70年代後半のコレージュドフランスと合わせて読むことで、綿密な考証と概念枠組みの素描が一体となり、非常に重要な著作群であることが認知されてくる。

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2013/01/07

そういえばフーコーを読んでいなかったということに(今更)気づき、慌てて読んでみた次第。 権力というのは最近の関心ごとの一つなのだけど、それを描写する際に性に着目したのはかなり慧眼だったのではないのかという印象を読んでいてもった。性と現代の宗教を権力という観点から比較してみたい。

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2012/03/18

一つの社会における、権力と快楽と知は、いかにして関係するか――。 性とはそもそも、秘すべきものとしてはじめからあったのではなく、たとえばカトリック教会における告白の要請など、「制度」が性について語ることを煽動したことによって、語る=暴くために隠すようになった。 いわば、制度の...

一つの社会における、権力と快楽と知は、いかにして関係するか――。 性とはそもそも、秘すべきものとしてはじめからあったのではなく、たとえばカトリック教会における告白の要請など、「制度」が性について語ることを煽動したことによって、語る=暴くために隠すようになった。 いわば、制度の必要に伴う変化だったのである。 「18世紀以来、性は絶えず全般的な言説的異常興奮とでも呼ぶべきものを惹き起こしてきた。しかも性についてのこれらの言説が増大したのは、権力の外で、あるいは権力に逆らってではなかった。それはまさに権力が行使されている場所で、その行使の手段として、なのであった。」(P.43) 我々の、性にまつわる言説への意識を反転させ、権力の表象へと眼をひらかせる、明晰にして官能的なミシェル・フーコー。 その、なまめまかしく悩ましい文体の快楽!

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2011/11/17

【2011年_11冊目】 生きることって,性に関することなのか.よりよく生きたい=よりよく性活動をしたい.自由じゃない性活動とともによりよく生きることは本当に不可能なのか.児童買春を人権侵害だと言ってるのも,作られた見方?当たり前だと思ってたけど,そういうこと?フーコーさん.も...

【2011年_11冊目】 生きることって,性に関することなのか.よりよく生きたい=よりよく性活動をしたい.自由じゃない性活動とともによりよく生きることは本当に不可能なのか.児童買春を人権侵害だと言ってるのも,作られた見方?当たり前だと思ってたけど,そういうこと?フーコーさん.もう頭ボヤボヤ.

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2011/09/04

階級間の区別をつけるためにセクシャリティは発明された。 現代の性の間の断絶やジェンダーの虚構につながっている。 予約

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2009/10/07

 フーコー。最高。性の歴史第一巻。感動した。こんな天才になりたい。また、邦訳が最高。できればフーコー全部この人に翻訳してもらいたいと思った。でも二巻から違うんだよね。。こんなに美しい本を初めて読んだような気がする。2008.4.30-3(4d).

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