ヨーロッパの政治 の商品レビュー
冒頭の歴史学と政治学の架橋となるべく、という下りは面白い試みである。また、時代の特徴を提示し、それを軸に各国史を踏まえる。それもダールの言うポリアーキーへの過程として、民主制が整っていく過程に注目したことは、大変興味深い。しかし、歴史学ならあたかもポリアーキーという目標に向かって...
冒頭の歴史学と政治学の架橋となるべく、という下りは面白い試みである。また、時代の特徴を提示し、それを軸に各国史を踏まえる。それもダールの言うポリアーキーへの過程として、民主制が整っていく過程に注目したことは、大変興味深い。しかし、歴史学ならあたかもポリアーキーという目標に向かって収束していく論じ方は少し不自然な感じがする。 まぁ各国史に終わっていて、ヨーロッパ全体の外交で絡み合った歴史を概観するには不適。
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絶対王政時代から第二次大戦までの欧州各国の政治体制につて述べている著作。各国の国内政治への言及とその記述には(歴史的事実の羅列にも受け取れるが)、詳細に語られるが、まさに勢力均衡の変化と継続の過程にあった当時の欧州諸国の国際関係については実に簡単に述べられているのは不満。これで...
絶対王政時代から第二次大戦までの欧州各国の政治体制につて述べている著作。各国の国内政治への言及とその記述には(歴史的事実の羅列にも受け取れるが)、詳細に語られるが、まさに勢力均衡の変化と継続の過程にあった当時の欧州諸国の国際関係については実に簡単に述べられているのは不満。これでは各国の国内政治における決定要素としての国際関係の変化という視点が欠落してしまうだけではなく、欧州各国の国民感情の変化と国際関係といった歴史的関係性も軽視してしまう。 ただ、冒頭に概念とは何かと著者自身が定義している点については非常に示唆に富む。しかし、続編が出る予定だったこともあり、最後もまとめられずに羅列的な記述で終わっている。少々読んだ後に不満を抱く本である。
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