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七人のおば の商品レビュー

3.6

46件のお客様レビュー

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アメリカの平凡な家庭…

アメリカの平凡な家庭が崩壊していく様を探偵小説の形で追っていく、一大年代記。

文庫OFF

ここまで徹底的に「結…

ここまで徹底的に「結婚」を描きつつ、ミステリとして成功しているというのがおもしろい。果たして、殺人を犯したのはどのおばなのか?読んでいると、どのおばも怪しくてたまらない。

文庫OFF

夫を毒殺し、自殺した…

夫を毒殺し、自殺したのは一体どのおばなのか?

文庫OFF

2025/11/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

すごい。本当におばさんが七人も登場する。 この物語は主人公サリーに友人から手紙が届くことから始まる。サリーのおばがおじを毒殺したと告白し、その後自殺してしまったという事件に対して、心を痛めているという内容である。結婚してアメリカに住んでいたサリーはイギリスにいるおばたちのことは何も知らない。驚き、心配する彼女は手紙におばの名前が書いていないことに気づいて混乱する。なぜなら、彼女にはおばが七人いたのだから。 困ったサリーに夫のピーターが言う。君が知っているおばさんたちの話を聞かせてくれないか。僕がどのおばさんが殺人を犯してしまったのか考えてみるからと。 そうして語られるおばたちの話なのだが、これがむちゃくちゃ面白かった。 輝くような楽しい日々の面白さではない。次から次へと降りそそぐゴシップの面白さだ。 すべてを仕切っている年長者のクララおばさんが両親を亡くした腹違いの妹六人を引き取り、そのすべてを結婚させるまでの話なのだが、ただの一人として順当にいかない。 中でもドリスという若くてきれいな叔母が姉妹の夫を略奪しまくるのだが、そこからさらにいろいろな問題が勃発していき、息もつかせぬ展開が続くのだ。しかもその火元が全部ドリス。面白い。 平穏な暮らしの中で密かに育つ悪意を探しながら読むのかと思っていたら、どうしてこれで誰もドリスを殺害しないんだと爆笑しながら読んでいた。 最後にはちゃんと犯人と殺害現場が解るようになっています。そして、読み終わってみると色んな人生の悲哀が収束していく様子も描かれており、しみじみするラストでした。

Posted byブクログ

2025/08/24

もう随分前になりますが、私が初めて読んだパット・マガーの作品が、これなのです。 英国在住の幸せな新妻・サリーに届いた衝撃の手紙! 「おばさまがご主人を毒殺した」? サリーには7人のおばがいるのに、差出人の友人はどのおばなのか書いてない…。妊娠中のデリケートなメンタルは打ちのめされ...

もう随分前になりますが、私が初めて読んだパット・マガーの作品が、これなのです。 英国在住の幸せな新妻・サリーに届いた衝撃の手紙! 「おばさまがご主人を毒殺した」? サリーには7人のおばがいるのに、差出人の友人はどのおばなのか書いてない…。妊娠中のデリケートなメンタルは打ちのめされますが、夫のピーターがしっかり受け止めてくれたばかりか、サリーとおばたちの生活中で起こったことを聴き取って、謎を解いてくれようと言うのです。なんていい男…。 さて、15歳で両親を失い、父ハリーの同母姉クララ夫妻に引き取られ、何不自由なく暮らしていたけれど、1894年生まれ(ミス・マープルと同じ!)のクララは石頭で、家名と世間体ばかり気にかけています。クララとハリーの異母妹が6人、年齢が離れているから考え方が違うのはともかくとして、このおばたちが曲者揃い! 女性の幸せは結婚一択と信じるクララが手を尽くして全員「片付け(と昔は言ったものです)」たのも束の間、どの夫婦も問題ありありで、夫婦間のいざこざ、姉妹間の対立がエスカレートしていき、誰が夫を殺しても不思議はないのでは、という気になってきます。逆に「おばさま『を』ご主人『が』殺した」としても不思議はないとも考えられて…。 それでも、サリーの話を聴いて、ピーターはおばたちの心理をじっくり考えただけでなく、犯人をズバリ、さらに隠匿に力を貸した人まで当てました! お見事! 安楽椅子探偵として再登場してほしかったけれど、愛妻サリーと生まれてくる子と穏やかに幸せになるほうがいいですよね。

Posted byブクログ

2025/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『海外ミステリーマストリード100』より。 アメリカからイギリスに移り住んだ主人公サリーのもとに友人からの手紙が届く。 「おばさまがご主人を毒殺したと告白されたのを耳にするなんて、さぞや恐ろしいことでしょう!」 サリーには七人のおばがいるが、一体誰が誰を殺めてしまったのか。 あのおば達ならば誰でもありうる、そんな狂気漂う親族事情にほとほと嫌気がさし鬱々とするサリーだが、夫ピーターのフォローもあっておば達の過去を振り返りつつ、ことの真相に思索を巡らす。。 これは良い! まさに海外古典ミステリの醍醐味な、ある種の型を感じる。 懐かしくもあり意外と無い、倒叙的に始まり主人公とそのパートナー間の回想で次第にあの頃と冒頭の現在との間隙を埋めていく形の物語。 話が進めば進む程どろどろになっていく家族内の不協和音。 どうしたらこんなに異常な関係性が形成できるのか。 全員ネジがどこか外れていないと成り立たないような混線模様。 普通だったらどこかで崩壊するはずが、なぜかぎりぎりのバランスで継続される。 結婚て一体何なのだろうと思うぐらいの失敗事例のオンパレード。 暴力夫との別れ、そして再婚するも子どもと継父の不仲、行き過ぎる過保護。行き遅れていたかと思っていた矢先の思いがけない春からの妹に略奪されるという泥沼。治癒仕掛けては繰り返すアルコール依存。潔癖なまでにプラトニックを求める妻となんとか関係を築こうとする夫。堅実な夫に対する妻の止まらない浪費癖と年の離れた義兄への脛かじり。 いや、でも違うのだ。 この物語は犯人と被害者は誰なのかが主題だったはずなのにいつの間にかこのどろどろ愛憎劇をゴシップ漁り的に読まされていることに気付く。 ミステリの顔した人間ドラマ?人間ドラマの顔したミステリ?どっちだろうと思うような絶妙な配分の語り。 やっぱり古きは新しいを感じた一冊でした。

Posted byブクログ

2024/09/18

サリー宛に「あなたのおばさんが夫を殺して自殺したのはお気の毒です」と伝える手紙が届いた。しかし肝心のおばの名前が書いてない。サリーにはおばが7人もいるのに! 一体どのおばさんが犯人なのか? 登場人物のおばさん達が個性的で、すぐにミステリーを読んでることを忘れる。 どのおばさん...

サリー宛に「あなたのおばさんが夫を殺して自殺したのはお気の毒です」と伝える手紙が届いた。しかし肝心のおばの名前が書いてない。サリーにはおばが7人もいるのに! 一体どのおばさんが犯人なのか? 登場人物のおばさん達が個性的で、すぐにミステリーを読んでることを忘れる。 どのおばさんもタイプの違うヤバい人。 もう正直どのおばさんが犯人でも面白い。 ある人物には「またかよ!」とツッコミを入れたくなる。 こんなおばさん達に囲まれていたら自分なら病みそうだけど、サリーはそこまで悩んでなさそう。さすがこの一族は強い。 ドロドロしてるのに全員がサバサバしていてちょっとコミカルに感じる。こういうぶっ飛んでるキャラが好きなので終始楽しかった。 読後感も良かった。 パット・マガーの他の作品も読んでみたい! 杉江松恋さんの本から。

Posted byブクログ

2024/02/27

 ミステリーガイド本で知って、気になっていたもの。一九四七年、イギリスに住むサリーのもとへ、アメリカに住む七人のおばのうち誰かが夫を殺したという知らせが舞い込む。誰なのかはわからない。サリーの夫ピーターは、「おばさんたちのことを話してくれ、誰が殺人者なのか僕があててみせる」という...

 ミステリーガイド本で知って、気になっていたもの。一九四七年、イギリスに住むサリーのもとへ、アメリカに住む七人のおばのうち誰かが夫を殺したという知らせが舞い込む。誰なのかはわからない。サリーの夫ピーターは、「おばさんたちのことを話してくれ、誰が殺人者なのか僕があててみせる」という。安楽椅子探偵ものとして紹介されていた。  姪が話すおばたちの性格や結婚生活の様子から犯人当てなんて、さすがに無理があるのでは…いったいどうやって推理が成立するのだろう、という興味で読んだのだが、見事にピーターの推理は当たっていたし、どうしてそういう結論に至ったのかについても納得。言われてみればその通り、違和感あったといえばあった、というところにカギがあり、悔しいけどさすがっす。  しかしピーターには悪いけれど、その名探偵ぶりもかすむほどおばさんたちのエピソードが面白い(愉快という意味ではない)。ここまでこじれるかというほどこじれまくりの人間関係がもはや喜劇。いやまぎれもなく悲劇なのだが、誰が悪いとも言い切れないと思ってしまうくらい、各人の性格や心理描写が巧み。例えばある意味諸悪の根源と言えなくもない強権的な最年長者クララおばさんも、ばっさばっさと家庭の問題をさばいていく迷いのなさは圧倒的で、尊敬すら覚えてしまう。またある意味最大の問題児と言えなくもない男性関係の派手なドリスも、やり口は奔放だが愛に関しては主義一貫しており、その正直さが眩しいとすら感じるほどである。  象徴的な風景描写だとか、時代背景や社会情勢についての語りだとかはほぼなく、家庭の問題だけ、ひたすら七人姉妹の結婚だけ(細雪?!←違)にフォーカスしたサリーの話を聞けば聞くほど、七人のおばの誰もが夫を殺しそうだし、伝聞誤りで夫がおばを殺していても驚かないなと思う。だからこそサリーも、少なくとも六人の無実を確信したくて夫を頼ったわけで、事実確認のために一晩待つこともできないくらい、思い詰めていたのだ。ミステリーとしての趣向と内容とのマッチぶりもすばらしい。

Posted byブクログ

2021/10/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

50年以上前の作品だが、非常に新しい。 七人のおばとその夫の中から犯人と被害者を推理する変格推理小説、ということなのだが、ミステリーを読んでいるということは忘れさせられる。 最初に家系図を見たときはギョッとしたが、一人一人の個性がとても強く、読んでいて誰が誰だか分からなくなることもない。 回想シーンは完全にドタバタホームコメディー状態で、これはこれでとても面白い。 そして本来肝であるはずの犯人特定はというと、まず発覚したのが先月であって、殺人自体が先月にあったわけではない、というのは完全に盲点だった。 それに加え、テッシーが真っ先にドリスとジョージの関係を疑った不自然さ、子を持ったバートが姿を消してしまう不自然さなどが根拠となっている。 もちろん根拠が弱いのは否めないが、でも考えてみると意外とそうでもないのかもしれない。 先月の状態で、夫を殺して得をする人物というのはほとんどいないのだ。 そういう風に考えていくと、この答えも強ち突飛なものではないと思えてくる。農場を閉めた理由、道路が農場の中を突っ切るのを阻止しようとした理由にも納得がいくわけだし。 ロジック以外の観点からのフーダニットというのは自分の中では新鮮だった。 一人一人の性格、人物像がしっかりと作り上げられているからこそできる推理とも言える。

Posted byブクログ

2020/08/30

「おばが夫を殺した」 という手紙が、サリーの元へ。 一口に「おば」と言っても 彼女には おばが七人。 いったい どのおばがー? 実家のあるアメリカへの 急ぎ 旅支度を進めながら 夫と 二人 幼少時代を共に過ごした おばたちの記憶を頼りに いったい 誰が ...

「おばが夫を殺した」 という手紙が、サリーの元へ。 一口に「おば」と言っても 彼女には おばが七人。 いったい どのおばがー? 実家のあるアメリカへの 急ぎ 旅支度を進めながら 夫と 二人 幼少時代を共に過ごした おばたちの記憶を頼りに いったい 誰が 殺人事件を起こしたのかを 推理するという 安楽椅子探偵モノ。 もう 大好きで 何度も読み返している作品です。 推理そのものの面白さは もちろんですが 七人のおばたちの気性や価値観の違いが しっかりと 描写されていて。 "おば"は "おば"でも 恋愛に依存する人 お金と贅沢を愛する人 父親の寵愛を一身に受ける人 仲のいい人 険悪な関係の人 様々なおばが 入り乱れていて 何十年にも渡る 一族の愛憎のストーリーを サリーという 血族でありながら 第三者的な視点を持った女性の 一人称で見事に語り切っています。 血縁関係って 切るに切れない 部分もあるので 余計にこじれるのでしょうね。 厄介なものですよねー。

Posted byブクログ