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蛍川 の商品レビュー

4.1

46件のお客様レビュー

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宮本輝、川三部作のう…

宮本輝、川三部作のうちのひとつ。大阪弁で語られる人情味あふれる情景につい惹きつけられてしまう。

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宮本輝の原点。泥臭い…

宮本輝の原点。泥臭い人間関係の中での経験と、人ごみを拒否してしまう経験が描かせた心の機微が素晴らしいです。

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宮本氏の全てを凝縮し…

宮本氏の全てを凝縮したうまみのある一品!!!!!

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宮本文学の原点。ひと…

宮本文学の原点。ひとつひとつの文字、文章が心に響きます。特になにわの少年たちの心の奥がよく見えます。

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「蛍川」「泥の河」二…

「蛍川」「泥の河」二編収録。筆者初期の作品で戦後の大阪のどろどろとした河畔の風景と富山の川の源流に乱舞する蛍の大群の描写が実に見事です。また主人公の少年を取り巻く大人と環境の変化が、彼の純真な心を微妙に揺さぶります。叙情・叙事的にも深い作品だと思います。

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芥川賞受賞作品。とて…

芥川賞受賞作品。とても美しい風景描写が印象的です。特にラストシーンは、目を閉じれば、情景が浮かんできそうです。

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人間を描く名手・宮元…

人間を描く名手・宮元輝の原点。人との別れの悲しみを超えて生きる意味を問う。深いです。

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併録の『泥の川』と共…

併録の『泥の川』と共に河川をめぐる人間ドラマ。

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宮本さんの根にあるも…

宮本さんの根にあるものが集約されている感じがします!!

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2024/06/01

一気読み。 本のタイトル『螢川』に惹かれて手に取ったのですけれど、個人的な好みは同名の物語より、「泥の河」のほうでした。 本のタイトルが『泥の河』だったらきっと手に取らなかったでしょうし、本に収録されている順番が逆だったら最後まで楽しく読むことは出来なかったかもしれません。この...

一気読み。 本のタイトル『螢川』に惹かれて手に取ったのですけれど、個人的な好みは同名の物語より、「泥の河」のほうでした。 本のタイトルが『泥の河』だったらきっと手に取らなかったでしょうし、本に収録されている順番が逆だったら最後まで楽しく読むことは出来なかったかもしれません。この本をつくった方々は優秀ですね。 素晴らしい文章力! と驚き、一瞬で惹き込まれたのですけれど、どうやらこれを書いた時は無名の新人だったようです。素晴らしい才能。 この先どんな物語を書いていったのでしょう。気になります。 2024/05/31 p.6-178 p.6 “川には、大きな木船を曳(ひ)いたポンポン船がひねもす行き来していた。” 「ひねもす」って何ですか……? 調べてみました。「朝から夕方まで。一日中」という意味だそうです。 (夜は含めないのか〜)と思いました。夕方で一日が終わるのですねえ。ことばの意味から生活リズムの差を感じます。 p.7 “「おっちゃん来月トラック買うから、あの馬のぶちゃんにあげよか」” 馬から車へ、乗り物が変わっていく時代ですか。凄い。 p.8 “昭和30年の大阪の街(まち)には、自動車の数が急速に増えつづけていたが、まだこうやって馬車を引く男の姿も残っていた。” 昭和30年……。1955年。思っていたより前の年ではなくてびっくりです。この頃馬が普通に街中にいたのですか。 日本初のガソリン車は1907年だそうです。そこからそれなりに時間が経って、多くの人に車の文化が浸透しつつある時代が舞台ということですね。 p.9 “「中古でもトラックはトラックや。よう頑張(がんば)りはったなぁ。あんた働き者(もん)やさかい。これからがうんと楽しみや」” p.10 “「働き者はあの馬や。いやな顔ひとつせんと、ほんまによう働いてくれたわ」” おふたりとも、思いやる心の持ち主。いい人たち。 p.10 “その最初のお客さんがあんたやからなあ” あら。結構思い入れのある、長いお付き合いの方なのですね。 p.10 “いっぺん死んだ体やさかいと男は言った。” わたしも一度や二度しんだつもりですけれど、この方のしにかけとは比べものになりません。 ……ところで、この方の名前が出てきませんね。主要人物たちと仲が良いのに。 p.11 “  「のぶちゃん、幾つになったんや?」  馬の優しそうな目に見入りながら、信雄は胸を張った。  「八つや。二年生やで」  「そうか、うちの子ぉはまだ五つや」  信雄は店先の戸に背をもたせかけて、男と馬を見送った。 ” 会話がとことんいいですねえ。心がぽかぽかします。 ……一方で、この方の死亡フラグを感じてしまいます。こんなに良い人で、幼いお子さんがいて……感情移入させて泣かせようなんて思っていませんよね……? ねえ、作者さん? p.12 “信雄の頭上で貞子が叫び声をあげた。” 嗚呼……。予想以上にエグい……。 p.38 “「宿題は絶対自分でやりなさい言うてはった」” えらい子ですねえ。わたしだったら甘えてしまう気がします。 p.69 “近くといっても、信雄の家から浄正橋までは歩いて三十分近くもかかる距離であった。” 30分が近いなら、普段から1時間くらいは歩いてそうです。「ひねもす」もそうでしたけれど、これもまた、現代との生活の違いを感じますねえ。 いま、近い範囲と言うなら、15分、下手したら10分以内を指す気がします。賃貸を探す時の表示から察するに。 p.102 “列車内の薄暗い明かりが、ゴム長に散っている鱗をきらきら光らせていた。” この視線、好きです。多くの人は見ていないであろう光を見つめる目。 p.134-135 “……これからずっと俺と友だちでおるちゃ。ずっと、おとなになっても、ほんとの友だちでおるちゃ。” 嗚呼、なんてすてきなことば……。 ずっとずーっと、お互いのことを信頼して向き合うことができて大人になっても年老いても、友人関係を続けることができたら……どんなに良いでしょう。永遠、なんてないのに、憧れてしまいます。 僕たちずっと、何にも変わらずそばにいることができたら良いのに……。

Posted byブクログ