帰路 の商品レビュー
女と二人、ヨーロッパ…
女と二人、ヨーロッパを旅する男に次第にみえてくる「日本」。西洋と日本を対比させ、日本人の帰るべき場所を問う著者最後の長編小説。
文庫OFF
ヨーロッパに行ってしまった。 ヨーロッパの街や建物、食の描写もよかった、地図をみながら読みたくなる。 構図というか主張、テーマが明快すぎて、本気なのか冗談なのか分からないと思った場面もある。 視えてしまう とか、妙なものを見たという表現は、使うようになってしまいそう。
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なぜ読むのだろうと思う。自分がなぜ日本に生きているのか、なぜ人は惹かれるのか、そういう答えを探すために読むのだろうか。 時間潰しの読書というのがある。そういう読書をしたいときもあるけれど、それっきりになってしまうことも多い。この作品はそういう読み方をさせてくれない。読みながら、...
なぜ読むのだろうと思う。自分がなぜ日本に生きているのか、なぜ人は惹かれるのか、そういう答えを探すために読むのだろうか。 時間潰しの読書というのがある。そういう読書をしたいときもあるけれど、それっきりになってしまうことも多い。この作品はそういう読み方をさせてくれない。読みながら、もっと色んな絵を視てみたい、色んな映画を見尽くしてみたい、なにより日本の風土に基づいた体験をしなおしたい、と駆られる。 螺旋階段のような1日、人生、時代、どれも似たようなものだと思ったのはいつだったか。 対象化するまなざし。 駅の中吊りに出た故郷をみて、なにも海外にいかなくとも、自らを顧みることはできると思った。どこにいたとしても、大切なのは日常を対象化するまなざしなのだと思った。 「分からなければ考えろ。」
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