女の一生(一部) の商品レビュー
普通の女性だったキク…
普通の女性だったキクのひたむきでおろか過ぎるほど1人の男性を生涯愛し続けた物語ですが、決して恋愛物語だけではありません。登場人物の中には卑屈なまでに弱くおろかな男性がえがかれていますが決して悪人ではなく、人間の心の弱さに切ない気持ちにさせられました。
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遠藤周作が考える、キ…
遠藤周作が考える、キリスト教と日本が伝わってくる作品です。なんとなくフランダースを思い出したのは自分だけでしょうか。
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江戸時代はキリスト教…
江戸時代はキリスト教は厳禁であった。キリシタンというものを題材にし、宗教を考えさせられると同時に恋愛も読める1冊。
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感想というか思ったこと (キクや清吉についても語りたいことは尽きないけど、いったん整理) 『女の一生』第二部では、戦争や日本におけるキリスト教弾圧に対するローマ・カトリック教会の姿勢に疑問を抱く修平の葛藤が描かれていたが、第一部にもまた、キリスト教弾圧の中でローマ法王の沈黙に対...
感想というか思ったこと (キクや清吉についても語りたいことは尽きないけど、いったん整理) 『女の一生』第二部では、戦争や日本におけるキリスト教弾圧に対するローマ・カトリック教会の姿勢に疑問を抱く修平の葛藤が描かれていたが、第一部にもまた、キリスト教弾圧の中でローマ法王の沈黙に対する疑問が示されていたのが印象的だった。 それでもなお、人は信じるしかないのはなぜなのか。 考えてみると、信仰とは本来、人の内に宿るものであって、教会はあくまでその信仰を持つ者たちの集まりにすぎないのかもしれない。だからこそ、信仰心において絶対的なのは教会という組織ではなく、むしろ個人の内にある信仰そのものなのだと思う。 もちろん、教会が信仰を強める場になることはある。隠れキリシタンたちが集い、オラショを唱えていたように、人が共に祈る場は確かに支えになる。けれど、ローマ・カトリック教会のように世界的に大きな力を持つ存在になると、信仰の共同体である以上に、外に向けた「キリスト教の象徴」としての性格も強くなっていくのではないかとも感じた。信者にとっては総本山であり、心の支えである一方で、その大きさゆえに、純粋な信仰の場とはまた別の意味を帯びてしまうのだと思う。 ----- 苦しんでいる者にこそ神は寄り添うのではないか、と私は思う。 神は、出世街道を軽やかに上っていく舜太郎ではなく、醜く、不器用で、葛藤の中にいる清左衛門を愛していたとプチジャン神父は言っていた。清左衛門は残忍な行為に加担しながらも、自分の弱さや愚かさに苦しみ続けていた。切支丹たちを拷問するしかない自分に絶望し、その弱さに引き裂かれていた。だからこそ、神はそんな彼を見捨てることができなかったのではないかと思う。 キリスト教における「弱い人」とは、必ずしも社会的に弱い立場に置かれた人だけを指すのではないのかもしれない。むしろ、自分の弱さ、愚かさ、罪深さに苦しみながら、それでもなお何かを求めずにはいられない人のことも含んでいるのではないか。そう考えると、遠藤周作が描こうとした神のまなざしは、正しく清い人に向けられるものというより、弱さを抱えたまま生きる人間に向けられるものだったのではないかと思う。
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潜伏キリシタンたちのはなし。 特定の宗教への信仰のない私は、貧困に喘ぎ、社会的排除や壮絶な拷問を受けながらも信仰を守り続ける理由がわからなかった。でもそれが信仰というものなんだろう。 人の信仰を弾圧しようとするのは愚かで非道なことだけれど、それでも、私はキクと同じように、キリスト...
潜伏キリシタンたちのはなし。 特定の宗教への信仰のない私は、貧困に喘ぎ、社会的排除や壮絶な拷問を受けながらも信仰を守り続ける理由がわからなかった。でもそれが信仰というものなんだろう。 人の信仰を弾圧しようとするのは愚かで非道なことだけれど、それでも、私はキクと同じように、キリスト教や、それを日本に伝えた宣教師、それから数百年後に再びやってきた神父たち、そして彼らが崇めるデウス様というものに対して。苛立ちと憤りを感じた。 「転べ!」と心の中で叫んだ。 同時に、姑息でクズみたいな伊藤に、神父が言った言葉、多分伊藤と同じ気持ちになった。 キリシタンたちの純真さをたたえたい思う。
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表紙のキクが可愛くて手に取ったので、こういうお話とは全く知らずに読んで、序盤では後にこんな展開になるとは思いもしていなかったのでものすごくショッキングだった。 あまりにも凄惨で苦しかった。 それでも読み進められずにはいられずすぐに読み終えました。 長崎を訪れた際、大浦天主堂で綺麗...
表紙のキクが可愛くて手に取ったので、こういうお話とは全く知らずに読んで、序盤では後にこんな展開になるとは思いもしていなかったのでものすごくショッキングだった。 あまりにも凄惨で苦しかった。 それでも読み進められずにはいられずすぐに読み終えました。 長崎を訪れた際、大浦天主堂で綺麗と感動して、こんな歴史があったなんて知らなかった自分を恥じるような気持ちになりました。 信仰とは、愛とはなんなんだろうとなんとも言えない気持ちになりました。
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『沈黙』と『海と毒薬』を混ぜ合わせて男女の恋愛要素も組み込んだような作品。 厚めな文庫本だが、遠藤周作が得意とするテンポのよい構成と点が線で繋がるストーリーであっという間に読了。 メダイやマリア像に吐き出したキクのおもいを知る由もない清吉は、きっとそれを想像して背負って生きてい...
『沈黙』と『海と毒薬』を混ぜ合わせて男女の恋愛要素も組み込んだような作品。 厚めな文庫本だが、遠藤周作が得意とするテンポのよい構成と点が線で繋がるストーリーであっという間に読了。 メダイやマリア像に吐き出したキクのおもいを知る由もない清吉は、きっとそれを想像して背負って生きていくんだろうな。それもまたあまりにつらい拷問な気がした。 激動の幕末に翻弄されながら、それでも貫く名もなき者の愛にスポットを当てた作品で、遠藤周作の宗教観を改めて感じた1冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大浦天主堂には2回行ったが、恥ずかしながら幕末の切支丹迫害については何の知識もなく、明治維新直後にはまだこうしたことが行われていたとは知らなかった。小説ではあるので、このまま史実として受け取ることはしないが。 沈黙でも思ったことだが、これだけの迫害を受けながらも棄教をしない精神的な支えってなんなのか⋯。
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某所読書会課題図書:明治維新直前の長崎で、当時禁制の切支丹たちが体制の惨い仕打ちに耐え忍んでいく壮絶な物語だが、キクの生き方を中心に当時の農民の生活、都市に住む人々の暮らしなどをリアルに描いており、非常に楽しめた.プジジャン神父が隠れ切支丹を探す過程で当時の長崎の日常が克明に描写...
某所読書会課題図書:明治維新直前の長崎で、当時禁制の切支丹たちが体制の惨い仕打ちに耐え忍んでいく壮絶な物語だが、キクの生き方を中心に当時の農民の生活、都市に住む人々の暮らしなどをリアルに描いており、非常に楽しめた.プジジャン神父が隠れ切支丹を探す過程で当時の長崎の日常が克明に描写されており面白かった.切支丹への拷問は卑劣なもので読んでいてあまり気分は良くなかったが、それに耐えて信仰を守る信念は素晴らしいと感じた.役人たちの行動も容赦ないもので、特に伊藤清左衛門のそれは見苦しいものだったが、最後の場面での告白は小説として最高のエンディングだと思った.
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しっかり泣きました。伊藤がよかったです。あとがきで作者自身、彼に愛着が湧いたとあるように同情してしまいました。
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