スーパードクターK(文庫版)(13) の商品レビュー

真船一雄(著者)

2012/10/17

いろいろあって高品先生もついに開業。
高品先生もＫと出会ってから、どんどん成長してる感じ。
あれだけ情けなかった医師が一人前になるのは嬉しいし、斉藤ともいいコンビだ。
大学時代、常にＫの２番手だった冴木は、なぜ故マント姿…

・高品病院を去る（院内ＭＲＳＡ）
・電車内の殺人事件
・一舎の幕末医療伝
・快楽製造マシーン
・高品医院開業
・バラモ共和国のゲリラ
・大垣家の危機（佐和子父亡くなる）

2010/10/09

この巻には主人公のKAZUYAの祖先の一人である一舎（かずいえ）のお話が収録されています。彼が過ごした時代は幕末で幼なじみとしてなんと、高杉晋作が登場します。そのタイトルは「幕末蘭方医外伝」です。
そういえば別の巻では売れない男優が新撰組の近藤勇を演じることになる物語もあります。作者は幕末にも興味がおありなのでしょうね。今はどうなっているのかは分かりませんが…。

それはさておいて、真船一雄先生が描かれる高杉晋作は史実どおりで子供時代のエピソードや上海留学、功山寺決起、四境戦争、そして結核で死去…と有名な場面が幾つか見れます。逃げ足の早さもしっかりと見せますｗ
そして、「国を守りたい」という高杉晋作に対して一舎は医者として「人を守りたい」という考えの違いから幼なじみでありながらも決別してしまいます。しかし、結核に倒れた高杉晋作の身に降りかかるピンチに駆けつけて最期を看取り、その後の行方を淡々と描いて絞める最後は感動的でした。
架空の人物と絡ませながらも史実を捩じ曲げることなく少年誌向けの友情物語として完成させています。

高杉晋作は作品中で一舎にとあることを語りますが、結核に自覚があったのかも知れないとはいえ、こんなこと言うのかなあと思ってしまいました。その台詞でラストが見えてしまったような気もします。感動的なので悪くはなかったですが。
ちなみに一舎は袴にブーツを履いていてどことなく坂本龍馬っぽく見えます。

その他の話では高品が病院勤めを辞めて自立する物語や寝台特急内で起こった殺人事件の推理物語等バリエーション豊かですが、特にTETSUが登場する「真夜中のメリークリスマス」が一番良かったです。彼もいいツンデレ（？）ですね。