アークザラッド2 の商品レビュー

PS(PlayStation)

PSを代表するRPG

[もこたん]

ソニーがPSを売り出すと同時に、販売を促進するようなPSを代表するRPGを作ろうという意気込みで世に出された『アークザラッド』の２作目であり、PS２まで続いたこのシリーズの代表作である。
哀しい秘密の生い立ちを持つ主人公アークがハンターとしてギルドの依頼をこなしつつ、その生い立ちに関わる悪の組織に立ち向かう。そこに待ち構える運命は苦みと哀しみに満ちたものだ。
その過程で共に戦う仲間とも出会ってゆくのだが、彼らもまた自らの運命に翻弄されている。
そのハードボイルドな世界観に作り手の意気込みが伝わってくるようだ。
もちろんゲームとしても丁寧に作り込まれており、よく出来ている。
武器の合成やモンスターの捕獲・養成、ギルドの様々な依頼、ミニゲームなど、後のRPGの基本的要素がぎっしり詰め込まれ、やりこめば何十時間、あるいは１００時間以上遊べるだろう。
個人的に最も気に入っているのは本作のヒロインであるモンスター使いの少女・リーザが戦闘中の相手モンスターを捕獲するための特殊魔法「ラヴィッシュ」である。
成功すれば武器であるムチがモンスターの体に巻きつき、釣りのように釣り上げられてモンスターを捕獲するのだが、その瞬間が爽快なのである。
これをこのシリーズの売りにしてほしかったが、同じPSで出た「３」には引き継がれず、タイトル自体もPS２で２作品出て終わってしまったのは残念なことだった。
この作品では戦闘自体にも感覚的な手ごたえが感じられ、飽きる事が無い。
この作品はこのシリーズの良い部分が凝縮されたタイトル最高作であり、PS・RPGの傑作の１つであることは間違いない。音楽も印象的だ。
硬質なRPGが好きな人には特にお奨めである。