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ホラー映画のサウンドスケープ 〈否定の音楽〉論
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ホラー映画のサウンドスケープ 〈否定の音楽〉論

木石岳(著者)

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ホラー映画のサウンドスケープ 〈否定の音楽〉論

2,420円

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2026/09/26
JAN 9784560025895

ホラー映画のサウンドスケープ

¥2,420

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2026/10/22

ホラー映画の音響についての本だとXで見かけ、気になって読了。 2004年、当時のニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは、「ミスター・ソフティー」の市の騒音規制のため、音楽を廃止しようとした。ミスター・ソフティーは、全米でトラック販売を展開する老舗のソフトクリーム専門店。その...

ホラー映画の音響についての本だとXで見かけ、気になって読了。 2004年、当時のニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは、「ミスター・ソフティー」の市の騒音規制のため、音楽を廃止しようとした。ミスター・ソフティーは、全米でトラック販売を展開する老舗のソフトクリーム専門店。そのおなじみのオルゴール音楽は、走行中にしか流してはいけないというルールが設けられた。さらに10年以上が経った2018年には、スロー再生で街中で再生された事件をきっかけに、その音楽が「不気味なもの」として恐れられるようになったという。 なぜ人は音楽に恐怖を感じるのか。本書は、その疑問を音響の観点から論じている。 『サイコ』『シャイニング』『リング』といった往年の名作から、『8番出口』『バックルームズ』などの比較的新しい作品まで、幅広い作品を取り上げている。 まず興味を引かれたのは、音楽を流すタイミングについての話だ。観客が映像を認識してから音楽が聞こえるよう、わずかにタイミングをずらすことがあるという。人が映像を認識し、恐怖を感じるまでの時間差まで計算して演出していることに感心した。 また、そもそも「ホラーとは何か」という、恐怖の認識に関する考察も面白かった。映画黎明期にリュミエール兄弟が公開した『ラ・シオタ駅への列車の到着』では、列車がスクリーンから飛び出してくるように見え、観客が逃げ出したという逸話がある。また、ディズニーの長編アニメ映画『白雪姫』に登場する女王の変身シーンも、子どもたちを泣かせ、スピルバーグ監督にも強い恐怖を与えたという。 こうした例を考えると、先述の「ミスター・ソフティー」の音楽も、音楽そのものが変わったのではなく、受け手の認識が変化したことで恐怖の対象になったといえるのかもしれない。反対に、かつては怖かったホラー映画が、今ではそれほど怖く感じられないこともある。何を恐怖と感じるかは、時代や文化によって変わっていくのだ。 ホラー映画の音響表現もさまざまだ。突然、大音量の音を鳴らして観客を驚かせる「スティンガー・コード」があれば、逆に無音によって恐怖を演出する手法もある。 恐怖を生み出す仕掛けを、音楽や音響という切り口から考察する本はこれまで読んだことがなかったため、非常に興味深い内容だった。普段何気なく観ているホラー映画も、音に注目することで、また違った楽しみ方ができそうだ。

Posted by ブクログ

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