商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 2026/04/30 |
| JAN | 9784488607111 |
- 書籍
- 文庫
深海潜航
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深海潜航
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
2026/5/26読了 収載作品は全て初めて読むものばかり。雑誌掲載時の挿絵も付いて至れり尽くせり? しかし、挿絵付の雑誌隆盛期に作家は締め切りに追われて大変だったろうけど、挿絵画家も、特にウェルズみたいなSF系では、“見たことのないモノ”を描かねばならず、もっと大変だったのでは...
2026/5/26読了 収載作品は全て初めて読むものばかり。雑誌掲載時の挿絵も付いて至れり尽くせり? しかし、挿絵付の雑誌隆盛期に作家は締め切りに追われて大変だったろうけど、挿絵画家も、特にウェルズみたいなSF系では、“見たことのないモノ”を描かねばならず、もっと大変だったのではないか? 原稿を読んだ上で作家とイメージを摺り合せながら描いたのであれば良いが、完全に画家自身のイメージだけで描いた場合、「俺の考えてたのと違うぞ!」とクレームが入って作家とトラブルになった事例もあったりして? 以下、各作品の感想等々(例によって、ややネタバレ的なものもあります、ご注意ください)。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 『盗まれた細菌』―― 研究室から細菌が盗まれた!さあ大変! というお話で、バイオテロを描いた最初期の作品かもしれないが、ドタバタ喜劇調。とにかくセキュリティはガバガバ、というか概念が無かったのか? 本当にこんな状態だったのであれば、よく現実に事件が起こらなかったものだと、逆に感心する。 『深海潜航』―― 発表は1896年で、『海底二万里』(1870年)よりもあと。あちらがリアル路線なら、本作はややファンタジーに振った感じ? 記憶が間違ってなければ、深海への有人探査の回数は有人ロケット打ち上げ回数よりも少なかった筈。地球外で知的生命体に出会える可能性は限りなく低くなっているけど、遥か足下の深海でならひょっとして、こんな出会いがある可能性が残っているのかもしれない? 『石器時代の物語』―― 19世紀半ばの進化論の登場で、発表当時は原始時代を舞台にした小説がブームになったとのこと。人間は、神が御自らに似せて造り賜うた存在ではなく、サルから進化した(「野蛮」「ずる賢い」etc. 欧米でのサルのイメージは日本よりもネガティブらしい)というので、当初は受容れられなかったという進化論だが、本作のようなフィクションを通じて、徐々に受容れられるようになったのだろうか?(近い所では、『ジュラシック・パーク』のお陰で、恐竜がデカいトカゲではなく温血動物であることが一般にも認知されるようになったみたいに?) 『新米幽霊の話』―― タイトルから、「大往生したばかりのお爺ちゃんの幽霊が、100年前に死んだ若者の幽霊に後輩扱いされる話」を想像したが全然違った。そもそも、この幽霊の抱える問題は、新米だからというものではなかったように思えるのだが? そしてラストが割と衝撃的であった。 『陸の甲鉄艦』―― 戦車登場の10年以上前に、それを描いた予見的作品。“陸の甲鉄艦”搭乗員は、「帳簿をつける優秀な事務員の機械的正確さをもって」戦闘を行うことで、旧来の荒くれ者の兵士と対比されているが、淡々と任務を遂行していく様は、現在の軍用ドローンのオペレーターを想像してしまった。
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本邦初訳の「石器時代の物語」が収録されているし、「陸の甲鉄艦」が文庫で読めるのもうれしい。いわゆる傑作ではなく大衆小説家としてのウェルズが感じられる作品集だった。「深海潜航」はクトゥルフものとの同時代性も語れそう。
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本書収録の「陸の甲鉄艦」が強烈。戦車が登場する10年以上前に書かれた話で、ウェルズの先見性を評価するときに話題になる短編。 しかし本短編は先見性以上に文明人とされる西洋文明の驕り、陳腐さを激烈に批判しているところに価値がある。 敵方の最新兵器として登場する戦車(機械)に対して、当...
本書収録の「陸の甲鉄艦」が強烈。戦車が登場する10年以上前に書かれた話で、ウェルズの先見性を評価するときに話題になる短編。 しかし本短編は先見性以上に文明人とされる西洋文明の驕り、陳腐さを激烈に批判しているところに価値がある。 敵方の最新兵器として登場する戦車(機械)に対して、当初は「人間対機械」と敵方を戦車に操られた人間として批判する書き振りであったジャーナリストの主人公が、味方の屈強な兵士が戦車を田舎者が扱う鉄器と見下したところで、「人間対鉄器」とかえた。西洋文明を代表する味方の発言から知性の死滅を感じ、敵方を人間としてとらえ西洋文明人を人間から鉄器にすり替えるウェルズのブラックユーモア。傑作。
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