商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会 |
| 発売年月日 | 2025/12/22 |
| JAN | 9784766430806 |
- 書籍
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芸術をカテゴライズすることについて
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芸術をカテゴライズすることについて
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商品レビュー
5
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銭清弘『芸術をカテゴライズすることについて』、2025年、慶応技術大学出版会 芸術作品の批評という行為について分析美学の観点から考察した本。全8章からなる。以下、備忘録代わりに内容をメモしておく。 第1章では、批評とは読者をより良い鑑賞へと導くガイドである、という本書の基本的な主張が提示される。 第2章では、「理想的鑑賞者」という架空の存在に訴えることで、基本的には個々人の好き嫌いに過ぎない鑑賞について、その適切さが問えるとしたヒューム的説明の紹介と、その問題点が示される。 第3章では、作品を特定の芸術カテゴリ―と結びつけ、各カテゴリ―における目的の達成度に即して価値を評価する鑑賞方法(アリストテレス的説明)が提示される。筆者は基本的にこのアプローチを踏襲しつつも、アリストテレス的説明には観点選択の問題があるとしている。 第4章では、K・ウォルトン「芸術のカテゴリ―」の内容を紹介しつつ、カテゴライズの違いがいかにして評価の違いをもたらすのか、について考察している。 第5章では、ウォルトンの議論についてより深く掘り下げ、そのもとで芸術作品を鑑賞することが正しいカテゴリー(Nカテゴリ―)が、単なる分類上のカテゴリ―(Cカテゴリ―)とは異なるということが述べられている。 第6章では、ジャンルが鑑賞のやり方を統制するルールの集まりであることを示したあとで、個々の鑑賞者は特定のルールを提示し、それに従うことを表明・提案することができる(フレーミング)ことが述べられる。 第7章では、第3章で示された観点選択の問題に対する、筆者の応答が示される。曰く、作品にふさわしいジャンルは、確立した社会制度のように、作者でも「私」個人でもなく「私たちにとって良い」ことから決定される。そして、このように制度的に確立したジャンルに従うことは、利得最大化(つまり、鑑賞の最適化)の視点から見て合理的であるとする。筆者は自身のこのような立場を、〈ふさわしいジャンルについての制度主義〉と名付けている。 最終第8章では、批評実践の意義について、ゲーム理論を援用しつつ主張している。鑑賞をゲームプレイに、批評をゲームデザインに類比させることで、ゲームプレイがエージェンシーの柔軟性を養うように、芸術鑑賞は判断の柔軟性を養うことにあると説明する。そして芸術批評は、時に新たなジャンルを発明するというラディカルなやり方で判断の柔軟性を養うからこそ意義があると結論付けている。 [感想] とにかく議論が丁寧。先行研究をサーベイしわかりやすくまとめられている点は初学者にとってうれしいし、自身の議論についても、身近な実践をベースに問いを立て、想定反論に応じつつ明晰な言葉で理論を組み立てていくというプロセスが非常に勉強になった。 ただ、この点は最初の方で少し言及もされていたことだが、筆者の主張する〈制度主義〉が、快楽主義の考え方に立脚したものであることには注意が必要だと思う。快楽主義とは〈芸術作品は鑑賞者に快の感情(プレジャー)を与えてくれるからこそ価値があるのだ〉という考え方である。一見この考え方はもっともらしいのだが、最近になって批判の増えてきた主張でもある。特に、芸術作品の意義や価値について、入浴やドラッグなどから得られる快とは別種の快として説明することに、相当なコストが伴うことが指摘されている。その点では、本書の議論には依然議論の余地が残されていることになるので、今後批評の哲学にコミットする研究者にとってはある種乗り越えるべき目標として位置づけられるのかもしれない。 教授や博士の方々から散々お勧めされた本だけあって、内容は素人目でもとにかく素晴らしいものだったので非常にオススメ。
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良い分析美学の本です。 日本語も明晰で、欧米圏の最新の議論を踏まえていて勉強になるし、著者の立場も極めて明確。
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