民事調停 世界に例のない制度がどのようにして形成されたのか

園尾隆司(著者)

• 販売会社／発売会社: 金融財政事情研究会
• 発売年月日: 2025/10/03
• JAN: 9784322146165

商品レビュー

2025/12/02

権利意識の爆発　 和と法の交差点　 黒白を超える解決　 感情のしこりの処方箋　 生活実態に寄り添う法　 弱者を見捨てない仕組み　 共倒れを避ける知恵　 社会不安の安全弁　 階級対立の緩衝材　 人情と条理のあいだ　 権威と良識の二重構造　 合意に執行力を与える国家　 非公開という安心空間　 話し合いを制度化する発想　 「和」を法に埋め込む試み　 つぎはぎから生まれた制度　 危機が育てた紛争解決装置　 都市化が呼んだ新しい司法　 農村の怒りを吸収する装置　 金銭紛争のソフトランディング　 共生を志向する債務整理　 家庭の不和を公的に扱う勇気　 権利と情の二重言語　 日本的「和解文化」の結晶　 人間関係を修復する法

2025/10/15

倒産分野をはじめ、さまざまな分野で足跡を残されている園尾隆司元判事・現弁護士が世界に類例のない我が国の民事調停制度がどのようにして形成されたのかを江戸時代の裁判制度にまで遡り、丹念に文献を調査検討して、現在唱えられている説（相対済令説、和与説、ドイツ調停所説）のいずれもが適切でなく、実は江戸時代前期に形成された制度が承継されたものであることを明らかにする労作。
園尾先生ご自身のご経験も交えられながら、また、民事調停制度の今後の展望、提言も含む豊かな内容となっています。勉強になりました！