商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2025/02/14 |
| JAN | 9784065382035 |
- 書籍
- 文庫
侠
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
普段あまり時代小説は読まないのだが、フォローしている方々のレビューを読み、『最期に挑むは自らの生を賭した大博奕』てな惹句にも惹かれて買って来た。 かつては凄腕の博奕打ちで、今は足を洗って蕎麦屋を営む銀平。60歳になり、腹の病気に残る寿命が長くないことを自覚しながら送る日々。 前...
普段あまり時代小説は読まないのだが、フォローしている方々のレビューを読み、『最期に挑むは自らの生を賭した大博奕』てな惹句にも惹かれて買って来た。 かつては凄腕の博奕打ちで、今は足を洗って蕎麦屋を営む銀平。60歳になり、腹の病気に残る寿命が長くないことを自覚しながら送る日々。 前半、寂れた蕎麦屋の様子がじりじりと描かれ、その中で浮かび上がる銀平の過去もだが、常連客の岡っ引き、夜鷹、浮浪者の親子、それぞれが垣間見せる顔がなかなか面白い。 突然現れた元女房や店に逃げ込んできた清太との関わりを通して生きる気力を上げ下げする銀平の心情には、もどかしくてやや焦れる。 終盤の八州博打の描写は魅力的。森の中にこつ然と現れる賭場、それを仕切る貸し元の一家、ギリギリまで研ぎ澄ませて挑む勝負、その後に続く親分との因縁めいた話など、描かれる絵面と息もつかせぬ展開は期待通り。 ひとり、清太が場違いで、普通なら一度飛ばしたところで勝負に綾がつくところ。いかに銀平が彼に自分を重ねようとも、ああまでして命を懸けるにはちょっと弱いような気がして、やや残念。
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時代小説を読むとき、この人は藤沢周平の後継者に相応しいか、という想いを勝手に抱きながらいつも読んでいる。藤沢周平亡き後30年、その想いに叶った作家は未だ1人も出ていない。 もはやそれは、この銀平のように、吐血して余命いくばくも無いと悟った心境に似ている。もうこのまま「屁」のよう...
時代小説を読むとき、この人は藤沢周平の後継者に相応しいか、という想いを勝手に抱きながらいつも読んでいる。藤沢周平亡き後30年、その想いに叶った作家は未だ1人も出ていない。 もはやそれは、この銀平のように、吐血して余命いくばくも無いと悟った心境に似ている。もうこのまま「屁」のようにつまんない願いを持ち続けるのは止めにしようとは思うのではあるが、銀平は調子が良くなると、もと女房とよりを戻したいとか、昔の自分に似ている清太と暮らしたいとか、何度も思うのだ。変な期待を抱いてまた新人の時代小説を読んで仕舞う。そしてその度に、読み終わってしまえば ⸺何か違う と、諦めるのであった。 銀平も、そう思った途端に、2人とも失って仕舞う。 時代小説は、ファンタジー小説に少し似ている。描きたいのは「現代」なのである。その手段として、江戸時代を舞台にする。究極の貧困や生い立ち、人の生き死にをかけた究極の選択が描かれる。現代小説ならばウソ話に思える筋立てを、時代小説ならばリアルに描くことができる。 大飢饉と流行病の末に負の連鎖に陥り、ヤクザな世界に入って、なんとかそれを抜け出して細々と人ひとり生き抜くだけの蕎麦屋をやっていたが、遂に不治の病にかかったと自覚している60歳の男など、こんな絵に描いたような不幸は現在ではわざとらしい。でも、似たような男はいるかもしれない。思えば、藤沢周平はそこまで「世の中全体が酷い」江戸時代は描かなかった。悪いのは大抵、身持ちを崩した男の小根だけだったのである。そういう意味では、「侠」は令和の小説なのだろう。 本と珈琲さんのレビューで、もしかしたらこの人第二の藤沢周平になるかも‥‥と思い紐解いた。でもやはり違う。江戸の下町の景色が浮かんでこない。四季がわからない。台詞が多い。 ⸺無いものねだりなのはわかっている。 銀平の父親が言ったように「屁」のようなものだ。「音や匂いがしようが、瞬きする間に終わっちまう。人さまに嫌われても好かれることはねえ」くだらねえ願いよ。 そんなこととはまるきり関係ないけど、何処にも書いてないし、違うかもしれないけど、私は銀平が罹っているのは不治の病などではなくて、単なる深刻な胃潰瘍だと思う。で無いと、吐血してから2年近く生きているのが説明つかない。だとしたら、希望はある。 おハナちゃんは言う。 「屁を放ると気持ちがいいんだよ」
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良かった!一気に読む!銀平の心持ち、生き様が滲み出る。それにしても博打はその人の性格が出るんですね。
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