読みだしたら止まらない 超凝縮 人類と経済学全史

アンドリュー・リー(著者), 黒輪篤嗣(訳者)

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社
• 発売年月日: 2024/12/25
• JAN: 9784492315620

商品レビュー

2025/02/24

久しぶりに脳が喜んだ。経済学なんて今まであまり興味がなく、どちらかといえば縁遠いものだったが、読み始めたら面白くて、第5章まで一気読みした。そこで一息ついて、ちょっと違和感のある部分に遭遇した。その後はじっくりと読み進み、なかなか味わい深い本だと思った。
こういう切り口で人類史を語ってくれた本に初めて出会えたことに感謝。

2025/01/22

イノベーションと知的財産
- 非競合性の概念: 物品（例：りんご）とアイデア（例：ジャグリングのやり方）の違いを説明し、アイデアの共有が双方に利益をもたらすことを強調。
- 特許法の導入: 1474年にベネチアで制定された特許法の影響を考察し、発明者に期限つきの独占権を与えることで、イノベーションへのインセンティブを強化。

宗教の経済発展への影響
- 宗教改革の影響: マルティン・ルターによる信者自身の聖書読解の奨励が識字率を向上させ、経済的および教育的発展に寄与。
- ユダヤ人とイスラム教の商業活動: ユダヤ人の信頼関係とイスラム教徒の商業倫理が経済活動を活性化させた事例を紹介。

中世ヨーロッパの経済状況
- 封建制度の影響: 土地所有が領主に集中し、小作農が保護を受ける一方で、社会階層の上昇がほぼ不可能であった状況を説明。
- 黒死病の影響: ペストによる人口減少が労働力の不足を引き起こし、賃金の上昇をもたらしたことを強調。

産業革命の進展
- 技術の革新: 選択育種や輪作の導入など、生産性向上のための農業技術の進展を述べる。
- 都市化と商業革命: 都市人口の増加が商業活動を活性化し、イノベーションを促進したことを指摘。

経済学者の視点
- ケインズとハイエクの対立: 不況に対する考え方の違いを示し、ケインズの政府介入の必要性とハイエクの自由市場の重要性を対比。
- 大恐慌の原因: ケインズの理論や緊縮政策の影響を分析し、経済危機の長期化に関する研究成果を紹介。

格差の縮小と社会的変化
- 戦後の経済成長: 多くの先進国における格差縮小の背景には、賃金の上昇と雇用の増加がある。
- フランチャイズ方式の拡大: マクドナルドのフランチャイズ展開など、ビジネスモデルの変化が経済に与えた影響を解説。

環境問題と市場の失敗
- 気候変動の影響: スターン報告書を引用し、気候変動が市場の失敗を引き起こす要因であることを強調。
- 政策提案: 環境問題解決のための具体的な政策や投資の必要性を述べる。