どうなってるの、アメリカ！ ニュース&カルチャーがぐっと面白くなる アメリカ最前線トピック30

柳川朔(著者)

• 販売会社／発売会社: 大和書房
• 発売年月日: 2024/10/12
• JAN: 9784479798156

商品レビュー

2024/12/12

著者は米国に移住しコメディアンとして活躍している日本人。彼の見たアメリカとは。
トランプに救いを求める人々。シカゴ都市部に住むアジア系移民の夫婦も強いリーダーシップとアメリカ優先の経済対策を9望みトランプを支持し、前回の大統領選では結果に納得いかずワシントンDCに行きあの暴動に参加。SNSに投稿し、結果夫婦のレストランは休業することとなった。
都市の高級化。所得の高くない人々が住んでいるエリアを再開発し、富裕層を呼び込み、結果不動産価格は吊り上がった。マンハッタンの平均家賃は80万円。シカゴのワンルームアパート家賃が30万円。そして家を失った人々はホームレス。しかし店舗はテナント募集の空き家が多く、果てしなく実感のない好景気。で、実感しかない物価高。このアメリカを本当に世界は羨んでいるのかと著者はいう。
トランプはその排外主義的な言辞で注目され、それに対する批判が集まれば集まるほどに熱狂的な支持を獲得していった。
ラテン化するアメリカ。2022年にスピリッツの売り上げでテキーラはウィスキーを抜いてウォッカに次ぐ2位となった。特に25～34歳では1位。Spotifyでは昨年ラテンミュージックの再生数が24.1％増加。スポーツでもサッカー南米王者を決める大会コパ・アメリカの決勝アルゼンチン対コロンビアのアメリカ国内の視聴者数は1,320万人。MBLワールドシリーズ最終戦の1,150万人を超えた。
アジア系にも気を使っている。5月17日は大谷翔平の日となったが、これは5月がアメリカでは”アジア・太平洋諸島系アメリカ人文化遺産継承月間”だからである。
他にもマイノリティの権利と歴史・文化を讃える月として、2月はブラック・ヒストリー。3月はウィメンズ・ヒストリー。9月15日からの1ヵ月はヒスパニック・ヘリテージである。などなど住んでみないとわからない情報が満載だ。
外国の報道やドキュメンタリーでも、日本ではアメリカが断トツで多いだろうが、それでも国が大きすぎて罹患が困難。個人として投資の過半が米国だから、少しでもあの国の経済を理解するためには多方面の情報を得たい。その点でなかなか役に立つ本であった。

2024/11/07

果てしなく実感のないかの好景気と、どこまでも実感させられるこの物価高を、世界は本当にうらやましく見つめているのだろうか
自分と言う存在を、国からも、周りの人々からも認めてもらえない状況へのもがき、そしてアメリカから国家として認められないパレスチナそのものの姿が、重なって、映し出される
1ヵ月で300,000人の不法移民が拘束
バイデン政権誕生後、約6,400,000人の不法移民が国境を突破し、アメリカに流入した
アメリカと言う人種的他者が集まり成立した国では、伝統的に、ガードを下げ、敵ではないことを表明するために、自虐的ジョークが用いられてきた