第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃 海の守護騎士との出逢い ビーズログ文庫

石田リンネ(著者), 壱子みるく亭(イラスト)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2024/10/15
• JAN: 9784047381391

商品レビュー

2024/10/22

　良くも悪くも『おこぼれ姫』の２番煎じ感が否めない。石田リンネ氏の王位継承権争いは、奇策あり、王道ありで、好きなのだが、先が見通せる展開は読み手としては少し哀しい。
　とはいえ、文章力のある作者さんのこと、あの手この手で読み手を引き摺り回し、物語の世界観にどっぷり浸からせる。もう、話の中の人物になった気分で、フォルトナート王国に溺れるしかない。見事だ。

　という訳で、２巻も楽しみ。

2024/10/20

フォルトナート王国の五姉妹の長女・第一皇女ルシアは、幼い頃に他国の王太子と婚約し留学していたが、王太子の死により帰国する。国内では妹姫たちのギスギスした王位継承権争いが展開されていたが、ルシアはそれに巻き込まれて王宮を追い出される。新天地で辺境伯となり、ルシアは王の資質を存分に発揮する。
という流れだけ見ると、どろどろした陰湿さや恨み辛みが滲み出そうではあるが、本作は（妹姫たちが陰湿なのはあるが）爽やかさすらある。ルシアの有能さと前向きさ故かな。なので読んでいて心地よさすらあった。
次期王配になることが決まっている公爵子息のフェリックスは、ルシアに惹かれて友人的なポジションにおさまるのだが、周囲には気付かれるのに本人に届かない的な不憫さがちょこちょこあっておもしろい(笑)