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言葉果つるところ 新版
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言葉果つるところ 新版

石牟礼道子(著者), 鶴見和子(著者), 赤坂憲雄, 赤坂真理

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 藤原書店
発売年月日 2024/09/27
JAN 9784865784350

言葉果つるところ 新版

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2024/12/26

わたしが、「おはなし」を書きたいと森など自然の知恵を読み調べて涵養し、幼い頃の体験を思い返して醸成していたところに本書と出会ってとても驚いた。水俣病のこと、『苦海浄土』で有名な石牟礼道子さんが、近代化なるものを再定義しようとされていた(寡聞にしてわたしは知らなかったが)鶴見和子さ...

わたしが、「おはなし」を書きたいと森など自然の知恵を読み調べて涵養し、幼い頃の体験を思い返して醸成していたところに本書と出会ってとても驚いた。水俣病のこと、『苦海浄土』で有名な石牟礼道子さんが、近代化なるものを再定義しようとされていた(寡聞にしてわたしは知らなかったが)鶴見和子さんのお宅でお話をされた。本書はその対談の記録なのだが、わたしの幼い頃の体験そのもののようなことが、得難いけれど(とくに熊本は水俣の人びとには)たしかにあって、国の、近代化がもたらした公害によって蝕まれたというのだ。本書はそして対話の中でその(アニマ、とここでは呼ばれる)ものを解きほぐし、「草ずれの音の中でヒトが歌い、想いを交わす」「田んぼの石の神に、ちがう田んぼに行ってもらうために魂入れをする」など、ヒトとの間にたしかにあった関わり・尊敬の念をアニミズムとおっしゃり、『風土によってちがうけれど、地球のどこでも根底は通じている』『ヒトはちりひじになって帰っていき、どこかでそのヒトそのものではなく凝集する』と語られている。わたしは時代も場所も離れたひととこんなに通じ合うことがあるのか、と驚いたが、当時よりさらに自然そのものもかれらとの関わりもうしなわれて、自然というひとつ「充たされた」ところに在れるという至福そのものがヒトに遠くなっているからには、わたしの書くべきはこれかと、新しく礎を置いてもらった気持ちでいる。

Posted by ブクログ